東レの2019年3月期第2四半期連結決算は、売上高と経常利益が過去最高だったにもかかわらず、営業利益は減益になった。さらに、通期業績予想の営業利益と経常利益を下方修正した。
その要因について、日覺昭廣社長は「ドイツのコンポジット子会社で、想定外の工数と費用がかかっているため」と説明した。
子会社は設計から成形まで行うことができ、レーシングカーやスポーツカーなどの特殊な車両で実績があった。しかし、そうした車の部品は
2018年12月5日
2018年11月22日
三菱ケミカルは21日、植物由来のポリカーボネートジオール(PCD)「BENEBiOL」が、東レが発売する環境配慮型のスエード調人工皮革「Ultrasuede(ウルトラスエード)BX」の原料として採用されたと発表した。
BENEBiOLは、2015年4月に三菱ケミカルが上市した世界初の植物由来PCD。非可食のひまし油から得られる特殊な原料を使用することで、従来のPCDを用いた場合に比べ、ポリウレタン樹脂に優れた風合いと柔軟性、強度を付与することができる。スエード調人工皮革の原料に植物由来PCDが採用されたのは初めて。
PCDは水酸基(OH基)を1分子中に2個以上持つ化合物であるポリオールの一種。一般的に、PCDはポリウレタン樹脂やポリエステル系樹脂などの原料として使用する。PCDから製造された樹脂は、その優れた耐久性から人工・合成皮革や自動車の内外装塗料材料、電子機器向けの樹脂コーティング剤に使われている。
同社はPCDなど地球環境にやさしく、高機能な植物由来素材の事業展開を積極的に進めている。今回は、原料供給を通じて、環境配慮型のスエード調人工皮革の開発をサポートすることで、新たな価値を提供することが可能になった。
同社では今後も、機能性ポリオールを含む植物由来素材の開発を推進し、省資源と循環型社会の構築に貢献していく方針だ。
2018年11月19日
東レはこのほど、自動車エアバッグ用途へ販売するナイロン66原糸と基布(原糸重量ベース)を来月出荷分から、いずれも130円/kg値上げすると発表した。
現在、自動車エアバッグ用原糸・基布の主原料であるナイロン66ポリマーは、粗原料のアジポニトリルの供給不足を背景に世界的に需給が逼迫しており、価格が高騰している。また、こうした市況を受け、原料メーカー各社による大幅な値上げ実施も相次いでいる。
アジポニトリルは、今後数年間は需要に対して供給能力の拡大が需要に追いつかず、供給力が大きく不足すると見られており、ナイロン66ポリマーは長期にわたり需給逼迫による価格高騰が継続する見通しとなっている。さらに、コーティング剤などの材料コストや物流コストも上昇しており、同社のエアバッグ事業を取り巻く環境は厳しさを増している。
こうした中、東レは「トータルコスト競争力強化(TC)プロジェクト」を推進し、固定費や比例費のあらゆる項目について徹底的な費用削減・効率化の自助努力を続けてきた。
しかしながら、現在の原料価格高騰と原料メーカー各社の大幅な値上げは、これらの努力で吸収できる範囲を超えており、安定した品質での商品供給や、さらなる高付加価値品の開発・提案を行う体制維持のためにも、同社は今回、価格改定の実施を決定した。
2018年11月12日
2018年11月12日
2018年10月31日
東レは30日、「2019年東レキャンペーンガール」として、松田紗和さんの起用を発表した。
来年10月までの1年間、東レの高機能水着素材をはじめとする、様々な先端素材や製品のプロモーション、事業活動のPR、社内行事へのゲスト出演など、社内外に向けたコミュニケーション活動を担う、シンボル的な存在として活動する。
発表会見で、幼方聡子宣伝室長は「松田さんは今回のオーディションで、最初からすごく目立つ存在だった。今年度の『東レキャンペーンガール』としてのスタイルの美しさ、トレンドに対する意識の高さ、将来性・話題性・上品・清楚・バイタリティ・知性などを選考ポイントとしたが、どの点についても全く申し分なかった」と選考理由を説明した。
2018年10月31日
東レは30日、2019シーズン向けストレッチ素材の新製品を発表し、同年度の売上を3万m、22年度は10万mを販売する計画を示した。
今回発表した新素材は、耐塩素水性ストレッチ「ライクラファイバー」を用いたストレッチ素材「トリンティ」シリーズの新たなバリエーションである「スキンタイトタイプ」で、11月から販売を開始する。
当面は遊泳水着向けとなるが、「東京五輪を機に、ボルダリングやサーフィン、スケートボードといった、ストレッチ素材が活躍できるスポーツが増えてくるだろう。そういった素材に向け拡販していく」(鈴木一弘スポーツ・衣料資材事業部長)考え。さらに、ブラトップ、若い女性に人気の各種トレーニングやヨガなどのスポーツシーン向けインティメイト・アイテムなど、幅広いシーンに提案していく。
新素材のスキンタイトタイプは、肌に触れる面の繊維をループ状に配置しているため、肌と水着との摩擦力(密着性)が大きくなり、着用時のズレ上がりを抑えることができる。髪の毛の10分の1という極細繊維を用いているため、ふんわりとした肌触りも特徴だ。
外側には
2018年10月30日
東レは29日、水素を含む混合ガスから、水素を選択的かつ高透過可能な化学修飾架橋ポリアミド分離膜の創出に成功したと発表した。
同日開催された記者会見で、地球環境研究所の木村将弘所長は「高分子膜で、ここまで水素の透過性と選択性が高いものはない。例えばアンモニアなど製造プロセスに組み込むことで精製される水素の有効利用などを想定している。また、高純度水素が求められる燃料電池車向けも有力な用途だ」と語った。
現在、新エネルギーの活用として、水素の利用拡大が注目されている。水素の製造量は2030年には3億tにまで急増し、水素精製システムの潜在市場規模は5兆円規模(推定)に達する見込みだ。
一般的な膜によるガスの分離は、高温高圧化で行う必要があり、過酷な分離条件下でも優れた分離特性を発揮させるためには、分離膜を構成する多孔性基材の耐熱化と耐圧化が必要だ。
また、供給ガスから水素を高透過かつ高選択に分離するためには、分離機能層の精密孔径制御が重要で、現状の水素精製高分子分離膜では、分離工程での耐熱性・耐圧性、水素の透過性・選択性の両立に課題があった。
同社は、耐熱性、耐圧性、高水素選択性を有する新規分離膜の創出に成功。まず耐熱・耐圧多孔質基材設計では、長年培ってきた耐熱高分子材料と分子膜成膜技術の融合に取り組み、非溶媒誘起相分離法により、200℃以上の高いガラス転移温度を有するポリマーの相分離速度を高度に制御することで、均一多孔性基材を実現。同技術によりガス透過性を十分に確保しつつ、耐熱性と耐圧性を大幅に向上させた。
一方、精密孔径制御技術による水素高選択・透過分離膜設計では、逆浸透(RO)膜で培った界面重縮合技術をベースとし、ガス分離に適した孔構造制御と水素分子に親和性を有する分子骨格導入技術を駆使することで、水素分子(0.29nm)を選択的に透過させるために適した平均孔径を有する新規分離膜設計を行った。
新規分離膜は、従来の高分子膜性能ラインを大幅に上回る水素透過性、選択分離性を有することを確認している。同社は今後、水素社会実現に向け、スケールアップ・社会実装を進め、5年後の事業化を目指していく。
木村室長は「環境問題への意識が高い海外などからも問い合わせがある。膜の耐久性向上や、モジュール・システムの開発にさらに注力していく」との考えを示した。
2018年10月17日
東レは16日、ナイロン樹脂「アミラン」とPBT樹脂「トレコン」を11月1日出荷分から値上げすると発表した。
改定幅は、アミランのナイロン66樹脂とナイロン610樹脂の国内をいずれも80円/kg、海外は0.75USドル/kg、トレコンの全グレードが国内25円/kg、海外は0.25USドル/kg。
同社は今年4月に粗原料価格の高騰を理由に価格改定を実施しているが、その後もナイロン66樹脂の主原料であるヘキサメチレンジアミンや、PBT樹脂の主原料である高純度テレフタル酸、1.4ブタンジオールなどの粗原料価格が高騰を続けており、ナイロン樹脂とPBT樹脂の製造コストに大きな影響を与えている。
また、労働力不足が要因とされる物流費(運輸費・保管費・荷資材)の上昇も相まって、大幅なコストアップが生じている。同社はあらゆる角度から継続的なコスト削減や合理化努力を日々推進しているが、各原料の調達環境は劇的に変化しており、自助努力の限界を超える状況となっている。
こうした中で、安定した品質での商品供給や、さらなる高付加価値品の開発・提案を行う体制を維持・推進していくためにも、同社は今回の値上げ実施を決定した。
2018年10月12日
東レは11日、ABS樹脂「トヨラック」を22日以降の出荷分から40円/kg以上値上げすると発表した。
昨年11月の価格改定実施以来、原料モノマー市況は一段と高騰している。また、旺盛な需要もあり、同製品の主原料であるアクリロニトリル、スチレン、ブタジエンの価格は上昇し、製造コストに大きな影響を与えている。
同社は、あらゆる角度から継続的なコスト削減や合理化努力を推進してきたが、各原料の調達環境は劇的に変化しており、自助努力も限界を超える状況となっている。
加えて労働力不足が要因とされる物流費(運輸費・保管費・荷資材)の上昇もあり、大幅なコストアップが生じている。こうした中、同社は安定した品質での商品供給や、さらなる高付加価値品の開発・提案を行う体制の維持・推進のためにも、今回の値上げ実施を決定した。