【化学企業 入社式訓示④】東レ 日覺昭廣社長

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2019年4月5日

 東レグループは、2011年に長期経営ビジョン「AP-Growth TORAY 2020(ビジョン2020)」 を策定し、それを実現するため、3年を期間とする中期経営課題を策定して取り組んできた。その結果、2014年度には連結売上高が初めて2兆円を突破し、連結営業利益も2015年度に1500億円に到達した。

 「プロジェクト AP-G2019」では、新たな需要を創出していくことによる「成長分野での事業拡大」、成長国・地域での収益機会を取り込むことによる「グローバルな事業の拡大・高度化」、これまでも成果を挙げてきたトータルコストダウンへの取り組みによる「競争力強化」を推進している。

 2019年度は「プロジェクト AP-G2019」の最終年度であり、社員一人ひとりが、課題解決に日々「果敢に挑戦」を続けていくことが重要である。皆さんも、この背景を良く理解して、これからはじまる東レでの仕事に積極的にやりがいを持って取り組んでいただきたい。

 東レグループは、1926年の創業以来、「社会への奉仕」を存立の基礎とし、素材には社会を変える力があると標榜している。

 昨年公表した「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」は、東レグループの事業推進による社会への貢献と、それに伴う環境負荷の低減の両面について、当社の考え方と中長期の取り組みを示したものである。

 東レグループが社会に必要とされる企業であるために、各地で事業基盤を築き、各国各地域社会に根付いた事業活動を進めていくことが重要である。

 新入社員の皆さんには4点を期待したい。

 1番目は、「高い志」と「大きな気概」を持って仕事に取り組むこと。

 2番目は、現場に立脚した「第一人者」、世界トップレベルの「専門家」になること。

 3番目は、「グローバルに通用するしっかりとした考え方・価値観・判断基準」を持つこと。

 4番目は「社会的責任」を常に意識し、高い倫理観と強い責任感を持って行動すること。

 これら4つのポイントをしっかりと胸に刻み、健康で明るく前向きに頑張って、有意義な会社生活を切り開いていただきたい。

東レ 世界最高レベルの柔軟性をもつPPSを開発

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2019年4月3日

 東レはポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂のもつ高い耐熱性や耐薬品性を維持しながら、世界最高レベルの柔軟性をもつ新規PPS樹脂の開発に成功した。

 今月から自動車用途を中心に本格提案を開始するとともに、幅広い工業材料分野で用途展開を進める。先月28日に開催した技術説明会で、本田史郎・化成品研究所長らが技術概要を説明した。

 PPS樹脂は年率7%で拡大しているスーパーエンジニアリングプラスチック。主に金属代替として、耐熱性や軽量・高強度が求められる自動車用途で広く使われている。パッキンや自動車配管など柔軟性が求められる用途では、エラストマーを配合したPPSが使われているものの、特性を維持しつつ柔軟性を付与することには限界があった。

 PPSの弾性率は3500~600MPa。従来技術でもPPSにある程度のエラストマーを配合することで、弾性率を1700MPa程度に低下させることができる。しかし、狙いとする柔軟性には十分ではなく、さらにエラストマーの量を増やすと、PPSの特性が損なわれてしまう。

 そこで、同社は長年の研究・開発で蓄積した技術データベースを基に設計した、革新的なマテリアルデザインと、独自のナノテクノロジーである「ナノアロイ」がベースの

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東レ 超高硬度と耐屈曲性の革新的な透明フィルムを開発

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2019年3月26日

 東レはガラス並みの硬度を持ち、屈曲半径1mmの折り曲げに耐える透明アラミドフィルムを開発した。25日に本社で開催した技術説明会で、フィルム研究所の佃明光研究主幹は「当社は独自のポリマー設計によりアラミドのフィルム化を達成していたが、今回、新規ポリマーデザインにより無色透明化に成功した」と語った。

アラミドフィルム
透明アラミドフィルム

 同開発品の特性は、無色透明、耐熱性(耐熱温度300℃)、剛直性(ヤング率(縦弾性係数)10GPa、熱膨張係数(CTE)0~5ppm/K)となる。透明ポリイミドとの比較では、「ガラス転移点は同レベルの性能だが、剛性や

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東レ 軟包装用向けに世界初の水なしオフセット印刷機

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2019年3月18日

 東レはミヤコシらとともに、食品や生活用品など身近な商品の軟包装材向けで世界初となる「水なしオフセット(平板)印刷機」を共同開発した。

 同印刷機は、東レ独自の水なし平版と水溶性UVインキの併用により、印刷時にVOCを含む液体(湿し水)を使う必要がないほか、印刷後の設備洗浄にVOCが発生しない水系洗浄液を利用できる。

 加えて、UVインキの乾燥に省電力性が高いLED-UVを使うことで溶剤乾燥と排気処理を省き、グラビア(凹版)印刷方式に比べてVOC排出量を98%以上削減し、印刷機1台あたり約80%減となる年間96万kWhの電力消費量削減を実現した。

 VOCフリーシステムのため、排気処理装置や防爆対応設備も不要。また、平版の使用により版代コストを安く抑えられるなど、設備導入コストとランニングコストを低減できるため、軟包装用印刷の多品種化・小ロット化が進む市場に、優れたパフォーマンスで対応する。

 同社は今後も、世界が直面する「発展」と「サステナビリティ(持続可能性)」の両立をめぐる問題の解決に向けて、革新技術と先端材料で本質的なソリューションの提供をしていく。

 今回開発した水なしオフセット印刷機と水なし平版、水溶性UVインキを組み合わせた軟包装用水なしオフセット印刷システムは、その取り組みの一貫として印刷業界の環境負荷低減に貢献していく考えだ。

 なお同開発は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)事業によるもの。東レは2016年度から、VOCフリー化や省電力性など環境性能の高い軟包装用水なしオフセット印刷システムの開発を開始。2017年度には印刷機メーカーのミヤコシ、印刷用インキメーカーのT&K TOKA、印刷システムのユーザーである光村印刷が参画し、開発を推進してきた。

東レ 柔軟性・耐破断性を両立した生体吸収性ポリマー開発

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2019年3月15日

 東レは10倍に引き伸ばしても破断せずに復元する、生体組織のような柔軟性を持つ生体吸収性ポリマー=写真=を世界で初めて開発した。

東レ生体吸収性ポリマー01 柔軟性に加え、加水分解による分解速度を10倍に向上させる技術も開発しており、近い将来、このポリマーが広範な再生医療に使われていくことが見込まれる。

 14日に記者会見を行った同社先端材料研究所の真壁芳樹所長は「再生医療分野のキーポリマーとして開拓したい」と述べた。

 従来の生体吸収性ポリマーとして知られるポリ乳酸やポリグリコール酸は、柔らかいが切れやすいか、切れにくいが硬いかのどちらかで、縫合糸や整形外科のピンなどとして使われているが、血管や皮膚などの柔軟組織・臓器の再生には十分適合していなかった。

 同社では柔軟性と耐破断性を両立する生体吸収性ポリマーの開発に着手。「分子鎖の間の相互作用が弱く、分子鎖が長いポリマー」を設計コンセプトに研究を進めた結果、

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東レ 微細孔径と高透水性を両立した高性能UF膜を開発

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2019年2月26日

 東レは25日、さまざまな分野で水処理に用いられるポリフッ化ビニリデン(PVDF)製限外ろ過(UF)膜について、微細分離性と高透水性を兼ね備えた新たなUF膜を開発したと発表した。

 同日開催された記者会見において、地球環境研究所の花川正行主任研究員は、「これまで中空糸膜については、孔径微細化と高透水性を両立することが課題だった。当社が長年培った計算化学によるシミュレーションと大型放射光施設の観察結果を総合的に分析することにより、

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東レ 核酸医薬品がFDAのオーファンドラッグの指定に

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2019年2月12日

 東レはこのほど、核酸医薬品・東レ開発コード「TRK‐250」が米国食品医薬品局(FDA)によるオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定を受けたと発表した。同剤は同社が特発性肺線維症(IPF)患者を対象に、米国での第1相臨床試験を実施中のもの。

 このたび同社が資本提携する、核酸原薬製造や核酸医薬開発・支援を行うボナック(福岡県久留米市)が、同剤についてFDAからIPFを適応とするオーファンドラッグの指定を受けた。これにより、米国で7年間の排他的先発販売権が付与されるほか、臨床研究費用の税額控除や申請費用の一部免除などの優遇措置が受けられる。

 IPFは、不可逆的に肺の線維化が進行し、予測できない多様な臨床経過をたどる予後不良の疾患。そのため、医療現場での治療選択肢の幅を広げるために、新たな作用機序をもつ新薬の開発が求められている。同剤は、肺の線維化に関与する主要な増殖因子であるTGF-β1タンパク質の発現を遺伝子レベルで選択的に阻害することで、線維化の進行を阻止する核酸医薬品。

 また、ボナック独自の核酸医薬技術を採用したユニークな1本鎖長鎖構造をもち、従来の核酸医薬の課題である体内での安定性を向上させた。さらに吸入剤として肺に直接投与することで、標的組織への効率的な送達が期待される。

 両社は今回の指定を受け、同剤の開発をいっそう加速させていく。IPF患者への1日も早い提供のため、2020年代後半の上市を目指す。

東レの4-12月期 原料価格の高騰や費用の増加で減益

2019年2月12日

 東レは8日、2019年3月期第3四半期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比10%増の1兆8083億円、営業利益は同9%減の1124億円、経常利益は同8%減の1114億円、純利益は同5%増の813億円。

 同日開催された決算会見において、日覺昭廣社長は「拡販により販売数量が増加したが、原料価格の上昇や拡販に伴う費用増加などにより減益となった」と総括した。中国市場の減速については「影響を大きく受けたのは

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東レ 米子会社でOPPフィルム設備を年産3万t増設

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2019年2月6日

 東レはこのほど、米国でポリプロピレン(OPP)フィルム「トレファン」の生産能力増強を決定した。ロードアイランド州にある子会社の東レプラスチックス・アアメリカ(TPA)のTPAロードアイランド工場に年産3万tの生産設備を増設し、2020年からの稼働開始を目指す。

 トレファンはプラスチックフィルムの中で最も軽く、透明性・強靱性・保香性に優れたフィルムで、一般工業用・コンデンサー用・包装材料用などに広く利用されている。TPAは、北米の高付加価値包装材料市場で高いシェアを持つ。

 北米での2軸延伸ポリプロピレン(BOPP)フィルム市場は今後の人口増加に伴い、年率3%の持続的な成長が見込まれる。中でも食品包装市場では、スナックや菓子、シリアルバーを含む健康食品などの、ロングライフ化や包装デザインの多様化が進んでいる。

 今回の生産能力増強は、こうした顧客ニーズの多様化と高度化に対応するもので、TPAでの早期の生産能力拡充によりさらなる事業拡大を図る。

 東レは、中期経営課題〝プロジェクトAP‐G2019〟の基本戦略の1つとして「グローバルな事業の拡大と高度化」を推進中だ。米子会社での生産能力増強もその一環となる。「新しい価値の創造を通じて社会に貢献」する企業理念の下、今後も成長領域・成長地域での持続的な成長を目指し、事業拡大を強力に推進していく考え。

 

東レ 塗布型半導体CNTが世界最高移動度を達成

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2019年1月30日

 東レは29日、塗布型半導体としては世界最高となる移動度155㎠/Vsを達成したと発表した。

 今回の移動度向上は、塗布型半導体の特徴である高性能と低コストを生かすことで通信距離が長いUHF帯RFIDを用いて、複数のタグを一度に読み取る性能が向上し、より実用化へ一歩近づく技術。

 同日開催された記者会見において、電子情報材料研究所の後藤一起所長は「カーボンナノチューブ(CNT)はこれまで、実用化に様々な課題があった。塗布型半導体CNT技術が確立すれば、

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