東レ 米子会社でOPPフィルム設備を年産3万t増設

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2019年2月6日

 東レはこのほど、米国でポリプロピレン(OPP)フィルム「トレファン」の生産能力増強を決定した。ロードアイランド州にある子会社の東レプラスチックス・アアメリカ(TPA)のTPAロードアイランド工場に年産3万tの生産設備を増設し、2020年からの稼働開始を目指す。

 トレファンはプラスチックフィルムの中で最も軽く、透明性・強靱性・保香性に優れたフィルムで、一般工業用・コンデンサー用・包装材料用などに広く利用されている。TPAは、北米の高付加価値包装材料市場で高いシェアを持つ。

 北米での2軸延伸ポリプロピレン(BOPP)フィルム市場は今後の人口増加に伴い、年率3%の持続的な成長が見込まれる。中でも食品包装市場では、スナックや菓子、シリアルバーを含む健康食品などの、ロングライフ化や包装デザインの多様化が進んでいる。

 今回の生産能力増強は、こうした顧客ニーズの多様化と高度化に対応するもので、TPAでの早期の生産能力拡充によりさらなる事業拡大を図る。

 東レは、中期経営課題〝プロジェクトAP‐G2019〟の基本戦略の1つとして「グローバルな事業の拡大と高度化」を推進中だ。米子会社での生産能力増強もその一環となる。「新しい価値の創造を通じて社会に貢献」する企業理念の下、今後も成長領域・成長地域での持続的な成長を目指し、事業拡大を強力に推進していく考え。

 

東洋紡 犬山工場でOPPフィルムの生産設備を新設

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2018年12月27日

 東洋紡はこのほど、犬山工場に年産2万t規模の二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム生産設備を新設すると発表した。2022年春頃の稼働を予定しており、稼働開始後は既存の生産設備を休止する。投資額は約70億円。

犬山工場に新設するOPP生産設備(イメージ)
犬山工場に新設するOPP生産設備のイメージ

 食品包装用フィルムの国内市場が、共働きや単身世帯の増加にともなう個食化・個包装化を背景に堅調に推移する中、「食の安全」意識の高まりを受け、OPPフィルムに求められる性能・品質要求はますます強くなっている。

 こうした要求に応えるとともに、環境負荷の軽減に貢献する高性能なフィルム製品などを開発・生産していく考え。

 同社は、1960年代にOPPフィルムの生産を開始。以来、透明性や防湿性、耐寒性などに優れた、さまざまなフィルム製品を提供してきた。今回、犬山工場の生産設備を刷新することで、生産効率の向上と、より付加価値の高い製品の生産体制を強化する。