【PPS特集3】ポリプラスチックス

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2019年7月26日

 自動車への社会的要求に対応、エコと安全に貢献

 ポリプラスチックスはソリューション提案を含めたマーケティングにより、ポリフェニレンサルファイド(PPS)コンパウンドの拡販を図っている。

 具体的には、製品ラインアップの中から顧客の求める性能に合致した樹脂を提案し、カスタマイズした製品を顧客とともに開発することで、最適な素材を提供するということ。PPSはその中で、最も成長が見込まれる樹脂である。

 同社のPPSコンパウンドは、クレハから直鎖型PPSポリマーの供給を受けて製造している。「ジュラファイド」のブランド名により、スタンダードなガラス繊維40%混合の「1140」系、ガラス繊維と

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【PPS特集2】東レ 特徴あるポリマーの開発へ、新分野で用途を開拓

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2019年7月19日

 東レは架橋型・直鎖型の両タイプのポリフェニレンサルファイド(PPS)をもち、ベースポリマーからコンパウンドまで一貫した生産を行っている。

 ポリマーについては東海工場と韓国の2カ所にプラントがあり、生産能力は合計で年産2万7600t。コンパウンドは名古屋事業場と中国の深圳・蘇州・成都、韓国、タイ、米国、ハンガリーの8カ所に、合計4万1200tの生産設備を設け、「トレリナ」ブランドにより、グローバルで製品を供給している。

 架橋型ポリマーは射出成形用、直鎖型ポリマーは射出成形用のほか、フィルムと繊維の素材などとして使用している。コンパウンドの用途のうち、半分強が自動車で、残りが電機・電子機器、OA機器、台所の水道栓や混合栓といった住宅関連部品など。

 製品グレードでは、ガラス繊維40%混合の「A504」「A604」、ガラス繊維と充填剤(無機フィラー)を60~65%混合した「A310M」「A360M」、ガラス繊維と無機フィラーにエラストマーを混合した「A575」「A673」「A675」など、大きく分けて3タイプを販売している。

 「A310M」「A360M」は、寸法安定性が求められる一般産業用途が多い。「A504」「A604」は靱性および強度が求められる水栓部品などが多いが、同じ水回りでも、線膨張が起きたり、水圧に耐える強度が求められたりする混合栓などは「A673」を提案している。

 需要が拡大している自動車用途でも、金属と樹脂の一体成形の際の位置・寸法精度などを確保するため、これらエラストマーグレードの使用が増えている。

 新しいグレードとしては「A660HV」がある。これは耐トラッキング性を改良したもので、高電圧化・小型化する

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東レ 世界最高レベルの柔軟性をもつPPSを開発

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2019年4月3日

 東レはポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂のもつ高い耐熱性や耐薬品性を維持しながら、世界最高レベルの柔軟性をもつ新規PPS樹脂の開発に成功した。

 今月から自動車用途を中心に本格提案を開始するとともに、幅広い工業材料分野で用途展開を進める。先月28日に開催した技術説明会で、本田史郎・化成品研究所長らが技術概要を説明した。

 PPS樹脂は年率7%で拡大しているスーパーエンジニアリングプラスチック。主に金属代替として、耐熱性や軽量・高強度が求められる自動車用途で広く使われている。パッキンや自動車配管など柔軟性が求められる用途では、エラストマーを配合したPPSが使われているものの、特性を維持しつつ柔軟性を付与することには限界があった。

 PPSの弾性率は3500~600MPa。従来技術でもPPSにある程度のエラストマーを配合することで、弾性率を1700MPa程度に低下させることができる。しかし、狙いとする柔軟性には十分ではなく、さらにエラストマーの量を増やすと、PPSの特性が損なわれてしまう。

 そこで、同社は長年の研究・開発で蓄積した技術データベースを基に設計した、革新的なマテリアルデザインと、独自のナノテクノロジーである「ナノアロイ」がベースの

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ソルベイ PPSの各種押出し成形グレードを上市

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2018年10月24日

 特殊ポリマーの世界的サプライヤーであるソルベイはこのほど、同社の「ライトンポリフェニレンスルフィド(PPS)」の各種押出し成形グレードを上市すると発表した。同製品は要求の厳しい自動車の冷却配管アセンブリ用途として、実績のあるライトンPPS射出成形材料と併用可能。

 PPS押出し成形シリーズは、「ライトンXE3500BL」「ライトンXE4500BL」「ライトンXE5500BL」という3種類のグレードが用意され、グローバル展開している。これらのグレードの剛性は1500~2500MPaの範囲で異なり、様々な肉厚と直径をもつフレキシブルチューブの要件を満たすことができる。

 また、押出し成形後の熱成形にも適している。同社の新たな押出しポリマー技術を使用して作られた柔軟な冷却配管は、高い溶融強度、耐薬品性、熱安定性を示し、破断時引っ張り伸びと衝撃強さが向上している。

 同社の射出成形グレードとしては、「ライトンXE5430BL」(30%ガラス繊維強化)および「ライトンR-4-270BL」(40%ガラス繊維強化)がある。これらの材料は既存のコネクターとブラケット取り付け部品の多くに適合することで定評があり、そのため、エンジンやトランスミッション用に完全調和した一体型の冷却配管アセンブリを自動車OEMが設計することができる。

 同社のSpecialty Polymers global business unitでEuropean Area Development Managerを務めるAndreas Lutz氏は「エンジンルーム内の温度により、既存の冷却配管の設計および材料ソリューションが限界まで押し上げられ、安全マージンが狭められている」と語り、「エンジンの小型化に加え、ターボチャージャー、スーパーチャージャー、自動変速機、エアーコンディショニング、排気再循環システムなどの高温部品が一般的になり、これらすべてがさらに縮小されるエンジンルームに詰め込まれることから「スペース不足」が発生し、過熱部分では従来の金属/ゴムおよびポリアミド樹脂(PA)による設計の耐熱性能を超える可能性がある」と述べている。

 その中でも冷却配管はエンジンルームに収めるための設計が最後に行われるコンポーネントであるため、材料はより複雑な配置を可能にする設計の自由度を与えるだけでなく、重量の増加(断熱構造の追加の必要性など)なしに動作の安全性を確保する、高度な耐熱や耐薬品性能も提供する必要がある。

 同社のライトンPPS押出し成形グレードにより、OEM各社では、大型で高価なパワートレインの流体処理配管から、スマートで軽量の一体型ソリューションへの置き換えが可能になる。このソリューションには、コネクター、オーバーモールドされたブラケットやライトンPPS射出成形グレードで作られた溶着によるブラケットが含まれる。

 ヨーロッパの一部の大手自動車OEMはすでに軽量の「ライトンPPSソリューション」を導入済みだが、他にも様々なクーラント、エンジン、パワートレインのオイル処理システムでの使用を検討中であり、従来の複合材料(金属/ゴム)とPAの設計の置き換えを模索している。

 同氏は「流体処理配管が複雑になればなるほど、軽量化のみならず製造の簡素化および組み立てコスト削減にライトンPPSが貢献できる」と述べている。

東レ PPS樹脂の耐トラッキンググレードが安全規格を取得

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2018年9月20日

 東レは19日、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂「トレリナ」の耐トラッキング性と強度を向上させた新グレード「A660HV」で、国際的な製品安全規格のUL規格で「ランク0(ゼロ)」、IEC規格で耐トラッキング性の最高ランク「材料グループⅠ」を取得したと発表した。

 600V以上の耐電圧特性をもつ同製品を、高耐圧化・小型化が進む新エネルギー車の電装部品など、高い耐トラッキング性が求められる用途へ展開する。

 PPSは難燃性に優れた素材だが、ナイロンやポリエステルに比べ炭化導電路を形成しやすく、耐トラッキング性が低いことで知られている。

 同社はこれまで、トレリナ耐トラッキング性グレードをパワー半導体モジュール用途を中心に販売してきたが、従来の同グレードはフィラーを高充填しているため靱性が低く、強度が不足する傾向にあった。

 この問題に対し、同社は複数のポリマーをナノメートルオーダーで分散させることで、優れた特性を発現させることができる「NANOALLOY(ナノアロイ)」技術を用い、PPSに耐トラッキング性ポリマーを微分散することで、難燃性と耐トラッキング性を両立しながら、強度の向上を実現した。

 一般的なPPSに比べ、絶縁設計で沿面距離を約半分に縮めることが可能となり、製品の高耐圧化・小型化への貢献が期待される。

 同社は今後、同製品を鉄道や太陽光発電に使われるパワー半導体モジュールのハウジング用途に加え、高耐圧化・小型化のニーズが高まる新エネルギー車のパワーコントロールユニットやバッテリー、充電器などへの提案を進めていく考えだ。

ポリプラスチックス 無理抜き成形可能なPPSのグレード公開

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2018年9月20日

 ポリプラスチックスは19日、「ジュラファイドPPS(ポリフェニレンサルファイド)」の無理抜き成形が可能なグレードを検証し、各種データとともにその検証結果をwebサイトに公開した。

 従来、自動車の冷却系部品(冷却水制御バルブ、インレット、アウトレットパイプなど)は6‐6ポリアミドや芳香族ポリアミドが主に使用されてきたが、ポリアミドは加水分解による強度低下や吸水による寸法変化などを起こすため、設計者にとっては使用が難しい材料。このため、冷却系部品でPPSが採用される事例が非常に増加している。

 ただPPSには、ポリアミドを用いて部品を成形する際に行われる「無理抜き成形」が難しいという課題があることに加え、バリレスが求められる部品にPPSを使用する場合、バリ取り工程が必要になることが多く、コストアップにつながっている。そこで、ユーザーの設計の自由度を高め、材料選定拡大の一助になると考え、ジュラファイドPPSの無理抜き成形が可能なグレードを公開した。

 同社は、エンジニアリングプラスチックのリーディングカンパニーとして、材料技術だけでなく、成形・加工技術の開発にも積極的に取り組んでいる。今回、公開した製品・技術に加え、成形・加工技術を融合させた同社の新たな発想を生産者に届けたいと考えており、今後も技術情報を発信していく方針だ。