東亞合成 「接着・接合EXPO」に高機能製品など出展

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2021年12月7日

ブースイメージ

 国民的瞬間接着剤「アロンアルフア」の発売50周年を迎えた東亞合成は、12月8~10日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催される「第5回接着・接合EXPO」に出展する。接着剤や粘接着フィルムのほか、光硬化型樹脂、抗ウイルス・消臭剤、セルロースナノファイバー材料など、ポリマー・オリゴマー事業や高機能無機材料事業からも機能製品を出展。

 指圧で接着可能なホットメルト接着剤「アロンメルトPPET‐1251」、次世代高速通信用FPC(フレキシブルプリント基板)に対応した低誘電性接着フィルムをはじめ、各種開発品などを展示する。

 瞬間接着剤の開発品では「アロンアルフアEXTRA7000」を紹介。温水で剝離が可能なため仮止め用途にも適するほか、剝離に有機溶剤を使わないことからVOC(揮発性有機化合物)の削減にも寄与する。そのほかの開発品では、ナノファイバー化が容易な酸化セルロース「T‐OP100」、熱伝導性に優れた非シリコーン系TIM(放熱材料)シートなどを予定している。ブース小間番号は49‐1(第7ホール)。

東亞合成 アクリル製品を値上げ、原料高などに対応

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2021年11月8日

 東亞合成は5日、アクリル製品を15日出荷分から値上げすることを決め、需要家との交渉に入ると発表した。対象製品は、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸イソブチルの5製品。改定幅はいずれも「40円/kg以上」。

 対象製品については、原料アルコール価格や用役・物流費用の上昇に加え、保全・修繕費も増加するなど厳しい事業環境が継続している。同社では、生産効率化や物流合理化によるコスト削減に努めているが、自社での吸収は困難だと判断。適正品質の製品を安定供給していくために、今回の値上げに踏み切った。

東亞合成の1-9月期 基幹化学品など販売増で増収増益

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2021年11月1日

 東亞合成が29日に発表した2021年12月期第3四半期(1-9月期)連結決算は、自動車関連製品向けをはじめ、各用途分野で需要が回復する中、基幹化学品事業で扱うアクリルモノマーや工業用ガス、ポリマー・オリゴマー事業の高付加価値製品などの販売数量増が大きくけん引し増収増益となった。売上高は前年同期比16%増の1134億円、営業利益は60%増の136億円、経常利益は63%増の144億円、純利益は93%増の107億円。

 セグメント別では、その他の事業が増収営業損失となったものの、他の事業セグメントはすべて増収増益だった。基幹化学品事業では、電解製品の一部の分野で需要回復に遅れはあったが、アクリルモノマー製品はアクリルゴムや塗料向け需要が回復し、工業用ガスも鉄鋼などの需要増に伴って販売数量が伸びた。

 ポリマー・オリゴマー事業は、アクリルポリマーは自動車関連製品向けの販売数量が増加し、アクリルオリゴマーは国内外で塗料や電子製品向けが伸長した。高分子凝集剤は販売事業の承継も寄与した。

 接着材料事業は、家庭用の瞬間接着剤は昨年並みの出荷にとどまったが、工業用は自動車部品向けが堅調だった。機能性接着剤は、自動車部品・電子デバイス向けの出荷がともに好調に推移した。

 高機能無機材料事業では、高純度無機化学品は半導体向けが、無機機能材料は電子部品向けイオン捕捉材や消臭剤の販売数量が増加した。

 樹脂加工製品事業は、管工機材製品は前年並み、建材・土木製品とライフサポート製品は販売増となった。エラストマーコンパウンド製品は海外向けの出荷が好調だった。

 なお、通期業績は前回予想を据え置いた。半導体不足は続くものの、コロナ禍からの経済回復への期待や原燃料価格高騰への迅速な対応を前提に、増収増益を見込む。

東亞合成 重炭酸カリ工業用を値上げ、原料高などに対応

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2021年10月22日

 東亞合成は21日、重炭酸カリ工業用を11月1日出荷分から「60円/kg以上」値上げすることを決め、需要家との交渉に入ると発表した。

 塩化カリ価格の上昇により、同製品の主原料であるカセイカリの価格が高騰している。今後も継続的な価格上昇が見込まれるほか、電力コストの上昇をはじめ、生産設備や貯槽の維持更新に伴う固定費負担の増加などが利益を圧迫している。

 同社は、生産の効率化や合理化によるコスト削減に努めてきたものの、自助努力による吸収は困難だと判断。今後も適正品質の製品を安定供給していくために、今回の価格改定を打ち出した。

東亞合成 リン酸塩類製品を値上げ、採算是正で来月から

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2021年10月22日

 東亞合成は21日、リン酸塩類製品を11月1日出荷分から値上げすることを決め、需要家との交渉に入ると発表した。対象製品と値上げ幅は、ピロリン酸4カリウムが「170円/kg以上」、ピロリン酸銅が「240円/kg以上」、ピロリン酸銅カリ液が「100円/kg以上」。

 各製品の主原料であるリン酸・銅・カセイカリの価格は高騰しており、今後も継続的な価格上昇が見込まれる。また、電力コストの上昇、生産設備や貯槽の維持更新に伴う固定費負担の増加などが同社の利益を圧迫している。

 同社は、生産の効率化や合理化によるコスト削減に注力してきたが、自社のみでの吸収は困難なことから、適正品質の製品を安定供給していくためには、製品価格の是正が必要だと判断した。

東亞合成 名古屋工場のカセイカリ設備を能増、来春完成

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2021年10月14日

 東亞合成は13日、名古屋工場(名古屋市港区)でのカセイカリ(液体・フレーク)の生産能力増強を決定したと発表した。増強規模は非公開。投資額は約14億円。2022年春の完成を予定する。

 カセイカリは液体洗剤や医薬品、化粧品、電子部品などの原材料として幅広く使われている。同社は今後の需要拡大を見据え、安定供給を維持するために、既存設備(年産3万t)からの生産能力増強を決定した。また同能増に併せ、充填設備などの合理化投資も行うことで、事業規模の拡大と収益力の強化を図っていく考えだ。

 

東亞合成 瞬間接着剤に新製品投入、耐水・耐熱性を向上

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2021年9月29日

 東亞合成はこのほど、家庭用瞬間接着剤「アロンアルフア」シリーズの新商品「タフパワー」(容量:2g)を、10月から順次店頭販売を開始すると発表した。大幅な改良を行い耐水性と耐熱性を向上させたほか、容器についても、エラストマーとポリエチレンのハイブリット型容器を採用することで、使いやすさを追求した。 

耐水性と耐熱性を向上させた「タフパワー」

 同社の調査によれば、ユーザーの7割以上が瞬間接着剤に耐水性と耐熱性を求めるなど、その要望は高い。「タフパワー」は「アロンアルフア」シリーズの中で最も両特性に優れており、水回りや熱がかかりやすい部分の補修・工作に向く。

 また、キャップを外してすぐに使えるワンステップ開封を採用。プッシュ部分を弾力性のあるエラストマーにしたことで、液量コントロールを容易にした。多用途タイプで、硬質プラスチックや合成ゴムをはじめ、金属、木材、陶器、軟質ビニールなど、幅広い素材の接着が可能。

キャップを外してすぐに使えるワンステップ開封(左)。弾力性のあるエラストマーの採用で液量コントロールが容易になった

 「タフパワー」は、東亞合成が50年にわたり磨きをかけた、瞬間接着剤の配合・生産技術と容器製造技術をベースに開発した。今後も多様化するニーズに対応した、使いやすく、最適な性能をもった製品を開発し、持続可能な社会の実現に貢献していく。なお、発売元はコニシ。

 

東亞合成 塩酸を来月から値上げ、安定供給の維持図る

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2021年9月28日

 東亞合成は27日、塩酸を10月1日出荷分から値上げすることを決め、需要家との交渉に入ると発表した。改定幅は「5円/kg以上」。

 経年に伴う製造設備・貯槽の維持補修費用の増加や、車両・船舶など輸送コストの上昇が、同製品の利益を圧迫している。同社では、生産効率化や物流合理化によるコスト削減に注力してきたが、自助努力による吸収は難しいことから、適正品質の製品を安定供給していくためには、製品価格の是正が必要だと判断した。

東亞合成 カセイカリ製品値上げ、原料・固定費増を是正

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2021年9月21日

 東亞合成は17日、「液体カセイカリ」「フレークカセイカリ」「スーパーカリ」の3製品について、9月21日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、液体カセイカリとスーパーカリが「25円/kg以上」(固形換算)、フレークカセイカリが「25円/kg以上」。

 同製品の国内需要は安定的に推移し、堅調な推移が想定されている。一方、主原料の塩化カリ価格は高騰しており、今後も継続的な価格上昇が見込まれるほか、電力や物流コストの上昇、生産設備や貯槽の維持更新に伴う固定費負担の増加などが、同社の利益を圧迫している。

 同社では、生産効率化や物流合理化によるコスト削減に努めているものの、自助努力による吸収はできないと判断。適正品質の製品を安定供給していくためには、製品価格の是正が必要であることから、今回の価格改定を決定した。

東亞合成 液状化対策複合ポリマー、実工事で強度確認

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2021年8月24日

 東亞合成はこのほど、新たな複合ポリマー「CXP」使った、初の試みとなる「CXPグラウト工法」による液状化対策工事を、高アルカリ性(pH10.3)、既設タンク直下の地盤で行い、十分な強度改善効果を確認したと発表した。同ポリマーと同工法は、京都大学大学院地球環境学堂の勝見武教授の技術指導の下、東亞合成と鴻池組が共同開発したもの。 

「CXP」はアクリル系薬剤と無機系薬剤を地盤内で結合させ、複合ポリマー を形成
「CXP」はアクリル系薬剤と無機系薬剤を地盤内で結合させ、複合ポリマー を形成

「CXP」はアクリル系薬剤と無機系薬剤を地盤内で結合させ、複合ポリマー(高強度ゲル)を形成する新しいタイプの地盤注入剤。従来の地盤改良剤と比べ、①酸性からアルカリ性まで広範囲な地盤に適用可能、②養生期間は従来の5分の1に短縮、③複合ポリマーは安定で強度・耐久性に優れる、④高い安全性で水生生物への影響が小さい、という特長がある。

 

東亞合成名古屋工場内にある既存タンク直下で、「CXPグラウト工法」による液状化対策工事を実施
東亞合成名古屋工場内にある既存タンク直下で、「CXPグラウト工法」による液状化対策工事を実施

今回、「CXPグラウト工法」による初めての実工事として、東亞合成名古屋工場内にある使用中のタンク直下での施工を実施。注入管を斜めから地盤に挿入して25tの「CXP」を注入した。地盤のpHは10以上と高アルカリ性だったが、施工後に採取した改良土の圧縮強度は液状化対策に十分な強度を示した。その結果、同工法による既設構造物直下地盤への適用性が明らかになるとともに、pH10を超えるアルカリ性地盤も十分に改良できることが実地盤で確認された。

 東亞合成は、すでに民間企業への紹介を開始しており、今後は、さらに工事実績を重ねて液状化被害を防止することで、地域の安全と国土強靭化に貢献していく考えだ。