幅広いポートフォリオとネットワーク、イノベーションに貢献
━ダウとの出会いと、これまでの経歴をお聞かせください。
米国で大学院を卒業後、そのまま現地でダウ・コーニング本社に就職した。イノベーションへの取り組みの真剣さに加え、人事担当者の人柄や会社の雰囲気に魅かれたことが大きい。以降ずっとイノベーションの文化を楽しんできた。入社後はシリコーンを中心に、化粧品事業のマーケティング、建築素材事業のアジアパシフィック地域(APAC)のリーダー、自動車関連事業のグローバルのトップなど、グローバルやアジアで広く経験を積んだ。
その後、東レ・ダウコーニング(現ダウ・東レ)の会長に就任したが、その頃は世界の情勢に大きな変化が起こる時代だった。それまで日本がイノベーショで世界を牽引していたが、中国経済が急激に成長したことで、マーケットの注目が大きく変化することとなった。日本が持つイノベーションとサステナビリティといった強みを生かし、従業員と共にいかに会社を盛り上げていくかが、後半5年間のチャレンジであった。
━ダウ・ケミカル日本の社長に就任された抱負について。
親会社であるダウは、APACの戦略に基づき、高付加価値ビジネスの成長を加速させることを目指している。巨大な中国市場がメインターゲットだが、日本や韓国には自動車産業やエレクトロニクス産業など各分野でイノベーションを牽引する企業が多くあり、ビジネスチャンスが期待できる。
こうした中、日韓の市場や顧客に精通しているというキャリアから、私が新たなリーダーに指名されたと認識している。13年ぶりの日本人社長となるが、私のミッションは、