ENEOSは12日、港湾空港技術研究所(港空研)、海洋研究開発機構(JAMSTEC)、産業技術総合研究所(産総研)、東京大学とともに、ブルーカーボンの大規模創出に向けた検討を開始したと発表した。
ブルーカーボンは、海洋生態系に
2023年12月13日
2020年7月6日
NECは3日、海洋研究開発機構(JAMSTEC)とともに、海洋プラスチックごみの動態や環境への影響を評価するためのマイクロプラ計測手法の高度化に向けて、AIによる画像認識技術を活用して高速かつ自動的に海水や前処理を施した堆積物からマイクロプラを計測するシステムを開発し、JAMSTECの研究開発を支援したと発表した。
近年、マイクロプラ(5mm以下の微小なプラスチック粒子)よる海洋汚染が世界的に拡大しており、生態系への影響だけではなく、食物連鎖を通じた人体への悪影響が懸念されている。海洋マイクロプラ汚染の実態を正確に把握するためには、各海域のマイクロプラの数・大きさ・種類を分析することで、流出源を推定し、流出経路や到達地を予測する必要がある。
これまでの調査手法は、海水や前処理を施した堆積物などを目の細かい網ですくい、その中からマイクロプラを、顕微鏡などを用いて1粒ずつ手作業で拾い出して分析するのが一般的だった。しかし、これには膨大な時間と手間がかかるだけでなく、一般的に用いられている網の目をすり抜ける300㎛以下の微小な粒子を過小評価してしまうという課題があった。
こうした中、NECは、最先端AI技術群「NEC the WISE」のディープラーニング技術を搭載した「RAPID機械学習」による画像認識技術で、マイクロプラを高速かつ高精度に検出・分類する仕組みを提供。併せて、蛍光顕微鏡で撮影したマイクロプラが試料中を流れる動画から、AI連携のための画像を抽出してデータ化するソフトウェアも提供した。
具体的には、JAMSTECの研究開発の知見を生かし、試料中のマイクロプラを蛍光色素で染色し、検出に最適な速度で流しながら、蛍光顕微鏡で動画を撮影。次に、今回開発したソフトウェアにより、この動画からマイクロプラ一つひとつを画像データとして自動抽出する。さらにAIによる画像認識技術を活用することで、毎分60個の処理速度で、サイズや形状を自動的に分類・集計することが可能となった。これにより、マイクロプラの検出を、自動化・高精度化することを実現している。今後この計測手法が確立されて普及することで、マイクロプラ汚染の実態解明が進み、適切な排出規制の立案に貢献できることが期待される。
NECは今後も、AIをはじめとした先進技術を活用し、社会全体の環境負荷低減に貢献する「環境経営」を通じて、持続可能な社会の実現を目指していく考えだ。