帝人はこのほど、持続可能な製品の国際認証である「ISCC PLUS認証」に基づいたマスバランス方式を適用し、環境配慮型の原料を用いた炭素繊維「テナックス」の生産と販売を開始すると発表した。
近年、製品の
2023年12月27日
2023年7月11日
2023年4月14日
2022年10月7日
2020年10月14日
帝人は13日、炭素繊維「テナックス」を使用した中間材料が、世界有数の航空機向け構造材メーカーである米国コリンズ・エアロスペース社の材料認定を取得したと発表した。今回認定を取得した炭素繊維中間材料は、熱可塑性複合材料織布「テナックスTPWF」と炭素繊維強化熱可塑性樹脂積層板「テナックスTPCL」で、帝人が展開する炭素繊維強化熱可塑性複合材料(CFRTP)。
「テナックスTPWF」は、炭素繊維織物に熱可塑性樹脂を付着もしくは含侵させたシート状の材料で、「テナックスTPCL」は、「テナックスTPWF」を積層させ、熱と圧力をかけて成形した板状の部品となっている。いずれも母材である樹脂にポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を使用しており、高い耐熱性、耐衝撃性、および耐疲労性をもっている。また、成形時間が短いことからコスト効率や生産性の向上にも貢献し、航空機の構造材など、優れた機械特性が求められる部品の大量生産に適している。
帝人グループでは、これまでコリンズ社に対して、米国で炭素繊維事業を展開するテイジン・カーボン・アメリカが航空機のブレーキ材向けに耐炎繊維「パイロメックス」を供給。繊維サプライヤーとしては世界で唯一「サプライヤー・ゴールド」の認定を受けるなど、強固なビジネス関係を確立している。
今回、「テナックスTPWF」と「テナックスTPCL」が新たに認定を取得したことにより、その供給を通じて、テイジン・カーボン・アメリカはさらなる関係強化を図っていく考えだ。
2020年7月22日
帝人は21日、炭素繊維「テナックス」を使用した中間材料が、仏・エアバス社の主力旅客機である「A320neo」の主翼スポイラーの部材として採用されたと発表した。
今回、採用された炭素繊維中間材料は、「テナックス Dry Reinforcements Non‐Crimp Fabrics」(ノンクリンプクロス:テナックスDRNF)および「テナックス Dry Reinforcements Braided Fibers」(組紐:テナックスDRBF)。なお、これらの中間材料が使用される主翼スポイラーは、世界有数の航空機構造部材メーカーである米・スピリット社のプレストウィック拠点(英国スコットランド、サウス・エアシャー州)で生産される。
「テナックスDRNF」はNCFの一種で、表面が滑らかであることから、母材となる樹脂がシート上で均一に浸透しやく、従来の航空機向け高性能熱硬化プリプレグと同等の物性をもつなどの特長がある。
一方、「テナックスDRBF」は、炭素繊維原糸を3つ編み構造の組紐状にしたもので、その形状から高い伸縮性があり、シート状中間材料から成る複合材料製の航空機部品に生じる空間を埋めるフィラー材の役割を果たす。両中間材料との組み合わせによる炭素繊維複合材料(CFRP)のスポイラーは、スピリット社でRTMにより成形されるため、従来のオートクレーブ成形に比べて生産性やコスト効率などが優れており、これらの点が高く評価され採用に至った。
帝人は、中期経営計画の中で、航空機向け炭素繊維中間材料の展開を「将来の収益源育成(Strategic Focus)」と位置づけている。高強度高弾性率炭素繊維や熱可塑性樹脂を使用した一方向性プリプレグテープをはじめ、炭素繊維強化熱可塑性樹脂積層板、熱硬化性プリプレグなどで、グローバル市場の川上から川下に至るまで、幅広く用途開発を推進していく。そして、航空機向け炭素繊維製品のマーケットリーダーとして、ソリューション提案力を一層強化し、2030年近傍までに航空機用途で年間9億ドル超の売上を目指す考えだ。