東レ 炭素繊維複合材料事業、コロナ禍で環境悪化

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2020年6月29日

航空機需要が減少、成長ドライバーで挽回目指す

 東レは、世界シェアの約半分を占める炭素繊維複合材料事業において、コロナ禍の影響により事業環境は厳しい状況にある。今年度からスタートした新中期経営課題では成長ドライバーに注力し、最終年度には事業利益240億円を狙う方針だ。

炭素事業複合材料事業部 吉永稔副本部長
炭素事業複合材料事業部 吉永稔副本部長

 先日開催された事業説明会の中で、複合材料事業の吉永稔副本部長は、「当面は、コロナ問題により航空機需要減の影響が大きいと見ているが、中長期では炭素繊維複合材料事業への期待は大きく変わらない。積極的な戦力投入による成長ドライバー事業の拡大とコスト競争力強化に加え、他用途への拡販で挽回する」と語った。

 新中計では、同事業の基本的な立ち位置を再確認し、長期経営ビジョンを実現するための課題を設定。事業環境は、「今後実現が期待される新モビリティ革命や新エネルギー拡大に新しい事業機会が期待できる。また環境型社会や、気候変動抑制といった社会ニーズへの対応も事業機会をもたらす」との見方を示した。また今後10年間の需要については、「コロナ影響で短期変動はあるが、

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三菱ケミカル 独・炭素繊維プリプレグメーカーを買収

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2020年1月22日

c‐m‐p社
c‐m‐p社

 三菱ケミカルは21日、炭素繊維複合材料事業の強化のために、ドイツの炭素繊維プリプレグメーカーであるc‐m‐p社を、スイスのグループ会社MCAM(Mitsubishi Chemical Advanced Materialsを通して買収することを決定したと発表した。なお、買収は来月をめどに完了する予定。

 c‐m‐p社は、UD・織物プリプレグに関して優れた製造技術を持ち、航空機・自動車用途を中心に多岐にわたる分野でソリューションを提供している。

 今回の買収により、三菱ケミカルはプリプレグの生産に関して欧米日の世界3極体制を確立し、また、特にモビリティ分野で先端材料の採用が先行する欧州で、イタリア・モデナでのSMC(シートモールディングコンパウンド)製造設備増設に加えて炭素繊維複合材料の生産体制の強化を進めていく。

 三菱ケミカルは、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)の実現に向けた炭素繊維複合材料への期待を鑑み、同社グループの総合力を活用しながら、ユーザーへのソリューション提案力を強化し、KAITEKI実現を目指す。