三菱ケミカルと大和製罐は7日、三菱ケミカルの生分解性樹脂コンパウンド「FORZEAS(フォゼアス)」を使用した生分解性リッド(紙コップなどのフタ)を開発したと発表した。
現在、リッドは、一般的にポリスチレン(PS)などの非生分解性プラスチックで製造されているが、両社で材料開発や試作を重ね、生分解性リッドを開発した。材料には三菱ケミカルが製造する生分解性かつ植物原料由来の樹脂コンパウンド「フォゼアス」を使用し、大和製罐が成形加工を行う。
リッドは、ホットドリンクにも対応できる耐熱性や飲み口のヒンジが切れないような柔軟性などが求められる。両社で素材の材料設計やリッドの形状設計の見直しを行うことで、要求性能を満たすリッドの開発に成功した。また、「フォゼアス」は素材そのものに優れた耐熱性があるため、ポリ乳酸など他の生分解性樹脂では必要となる耐熱性を上げるための特殊加工が不要で、既存のPSリッド成形機で成形が可能という特徴ももつ。
今回の生分解性リッドは、三菱ケミカルの生分解性樹脂「BioPBS」を内側にラミネート加工した紙コップと組み合わせることにより、紙コップ容器とフタを分別せずに、コンポスト設備で一緒に分解可能になる。
両社は今後、コンビニやカフェでの採用を目指し、生分解性リッドのサンプルワークを進めるとともに、食品包装向けに生分解性素材をトータルで提案できるような体制を整えていく。