KHネオケム 冷凍機油原料を増強、95億円を投資

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2021年12月28日

 KHネオケムは27日、機能性材料事業の主力製品である冷凍機油原料などの生産能力を増強するため、千葉工場(千葉県市原市)に設備投資を行うと発表した。投資金額は約95億円。2022年6月に着工し、2024年8月の稼働を予定している。

 近年、新興国などにおけるエアコン市場の拡大や、オゾン層保護並びに地球温暖化抑制に配慮した冷媒へのシフトに伴い、同社の冷凍機油原料の需要が伸長している。冷凍機油はエアコンの内部で冷媒を循環させるために使用する潤滑油だが、今後も国際的な環境規制の強化に伴い、環境配慮型冷凍機油のさらなる需要伸長が予想されている。

 同社は、今回の設備投資により冷凍機油原料をはじめとする千葉工場全体の生産能力を増強・最適化することで収益力を一層強化するとともに、冷凍機油原料の供給拡大を通じて環境に優しい社会の実現に貢献していく。

三菱ケミカル ドイツでポリエステルフィルム生産設備を増強

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2021年10月4日

ドイツの三菱ポリエステルフィルム(MFE)外観

 三菱ケミカルは1日、グループ会社の三菱ポリエステルフィルム(MFE:ドイツ・ヴィスバーデン)で、ポリエステルフィルムの生産能力を増強することを決定したと発表した。投資額は約1億1000万ユーロで、2024年末の完成を予定している。

 同社グループにとっては、2018年稼働の米国・サウスカロライナ州、建設中で2022年稼働予定のインドネシア・ジャカルタに続く増産投資となる。

 MFEは、工業用途やラベル用途などの高機能ポリエステルフィルムを顧客の要求に合わせてカスタマイズする技術開発力に強みをもち、欧州市場で高いシェアを誇っている。

 近年、世界全体のポリエステルフィルムの市場成長率は5%程度で推移しており、MFEでは、顧客の旺盛な需要を満たすためにグループ他拠点からの調達や既存設備の効率的な運用などで対応してきた。

 こうした中、三菱ケミカルは、今後も堅調な需要拡大が見込まれると判断し、高機能ポリエステルフィルムとしては世界最大規模となる年産2万7000tの製造ラインをMFEに新設することを決定した。

 新設する設備は、最新の省エネ設備を導入することなどにより生産能力を拡大する一方、工場全体としてのCO2排出量削減を目指す。また、顧客や消費者から回収した使用済みのポリエステルフィルムを原料として再利用することが可能な装置も導入することで、循環型経済(サーキュラーエコノミー)実現に向けた取り組みを加速する。

 三菱ケミカルは、世界5拠点(日本、中国、インドネシア、米国、ドイツ)でポリエステルフィルムを製造し、ディスプレイ向けを中心とした光学用途、電子部品・自動車・医療などの工業用途、食品などの包装材料用途向けなどに供給している。

 今後も、各用途の需要に応じて生産体制を拡充し、高機能ポリエステルフィルムのリーディングカンパニーとして積極的な事業展開を図るとともに、SDGsの達成や循環型経済の実現に貢献していく。