コロナ禍でも収益力が向上、次期中期で真価が問われる
昨年は、ゼロコロナ政策による中国の需要低迷や、ウクライナ紛争に端を発した原燃料価格の高騰の影響を強く受けた。こうした中、当社は高付加価値品の販売拡大、
2023年1月5日
2022年1月5日
構造改革と技術革新で収益力向上、目標達成に向け成長加速
━2021年の振り返りと、2022年の見通しについて。
2021年は、コロナ禍から世界経済が立ち直りはじめ、対面業界の需要が回復傾向となった。当社の上期業績も想定より上振れ、通期予想についても上方修正を行った。しかし夏場以降に原燃料価格が高騰したことに加え、半導体不足により自動車生産が減少しており、事業活動に水を差される格好になっている。ただ、このコロナ禍の2年間では、コスト削減や構造改革など、やるべきことを前倒しで進めてきた。その結果、当社の収益力は大きく向上したと手応えを感じており、何としてでも今年度の利益目標を達成させる考えだ。
2022年についてもまだコロナ禍の収束が見えず、先行き不透明な状況は変わらないだろう。こうした中でも、中期経営計画(中期)の施策をしっかり進め、これまでの仕込みを刈り取ることで成長ドライブを加速する1年にしていく。来年度の収益目標については、現状を踏まえてこれから策定するが、現時点では
2020年10月2日
わが国化学産業、コロナ影響拡大で厳しい局面に
トップの方針が重要、経営力で逆境を乗り越える
わが国化学産業は、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済の減速により、厳しい局面を迎えている。日本の4-6月期のGDPは年率ではマイナス28.1%となり、過去最大の落ち込みとなった。各国が経済活動を再開したことで、景気は回復に向かっているが、コロナ感染が再拡大する懸念が払拭できず、先行き不透明な状況にある。企業トップは目指すべき方向をしっかり示し、経営力で逆境を乗り越えていかなければならないだろう。
コロナ禍により、事業環境も激変している。コモディティの分野では、原油価格の下落を背景に市況の低迷が続いており、高稼働を維持することが課題となっている。またスペシャリティの分野でも、5GやCASEといった成長市場に各社が参入しており、製品の差別化だけでなく価格競争も激化している。各社は生き残りを図るために、生産体制の最適化やコストダウン、またデジタル化への対応など、早急に手を打っていかなければならない。
一方、環境問題への取り組みも大きなテーマだ。プラスチックごみの削減に社会の関心が集まるなど、サステナブルがキーワードとなっている。各社はプラスチックの有用性やリサイクル性を訴え、社会に対しソリューションを提供していく必要がある。
今回の「新社長インタビュー特集」では、厳しい経済環境の中、いかに収益基盤を安定させ、将来への成長へとつなげていくか、今年度から就任した新社長の方々に抱負と今後の戦略を聞いた。
─────────────────────────────────────────────
積水化学工業 加藤敬太社長
▽業容倍増を目指し、今期は体力強化と経営基盤強化を図る
日鉄ケミカル&マテリアル 榮 敏治社長
▽機能材料を大きな柱に、選択と集中で経営資源を有効活用
ダウ・ケミカル日本 桜井恵理子社長
▽幅広いポートフォリオとネットワーク、イノベーションに貢献
テクノUMG 山脇一公社長
▽統合のシナジー効果を最大化、「飛躍」のステージへ導く
日本ポリエチレン 山田清隆社長
▽高付加価値化を推進、再投資できる収益体制を目指す
PSジャパン 室園康博社長
▽リーディングカンパニーを堅持、安心と価値を提供
新日本理化 三浦芳樹社長
▽マーケットインで、オンリーワンの技術と信用を届ける企業に