出光興産 米国の天然ガス火力発電所、110万kWで商業運転を開始

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2020年4月27日

 出光興産はこのほど、同社が開発に参画する米国クリケットバレー天然ガス火力発電所(ニューヨーク州)が今月17日から商業運転を開始したと発表した。

 同社は、米国での発電所開発と市場取引に関する知見の獲得、および国内事業への還元を目的に、同発電所を保有・運営するクリケット・バレー・エナジー・センター社(CVE社)へ2018年12月に出資(出資比率10%)。取締役派遣などを通じて、事業価値向上に貢献している。

 同発電所は、最大出力110万kWの天然ガスコンバインドサイクル発電方式を採用しており、エネルギー効率が高い。天然ガスを圧縮空気の中で燃焼させ、発生した高温・高圧ガスでガスタービンを回して発電する。ガスタービンを回し終えた後の排ガスはまだ十分な熱を持っている。この熱により排熱回収ボイラーで蒸気を発生させ、スチームタービンを回して2回目の発電をする。2つの発電方式を組み合わせることで、熱を有効活用し、効率よく電気を作る仕組みだ。

 発電した電力は、大消費地であるニューヨーク州の希少な大型・高効率電源として、同州の卸電力市場(NYISO)を通じて販売し、安定的な電力供給に貢献する。これにより、電力自由化が進む先進的な米国マーケットでの発電所運営や市場取引に関する知見の獲得、国内事業への還元などを進めていく。

 出光興産は今後、環境負荷の低い高効率ガス火力発電所の保有・運営を通じ、企業価値の向上と世界的な低炭素社会の実現を目指す方針だ。