ロシュ アクテムラがコロナ入院患者への使用許可を取得

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2021年7月19日

 ロシュはこのほど、米国食品医薬品局(FDA)が、コルチコステロイドの全身投与を受けており、酸素補給、人工呼吸、またはECMO(人工心肺装置)を必要とする入院中の成人と小児(2歳以上)のコロナ治療薬として、「アクテムラ」(トシリズマブ)静注製剤に対し緊急使用許可(EUA)を発行したと発表した。今回のEUAは、4つのランダム化比較試験でのコロナ入院患者、計5500例以上の成績に基づいている。

 これらの試験成績から、「アクテムラ」は、酸素補給または呼吸補助を必要とするコルチコステロイド投与中の患者の転帰を改善する可能性があることが示唆されている。4つのランダム化比較試験のうち、リカバリー試験(アクテムラパート)はイギリスの研究者らが主導し、コロナによる入院患者4000例以上を対象としている。ロシュ社主導の国際共同試験には、プラセボ対照のCOVACTA試験、EMPACTA試験およびREMDACTA試験が含まれる。これらの試験のいずれにおいても、「アクテムラ」に対する新たな安全性シグナルは認められなかった。主な副作用(発現率3%以上)には、便秘、不安、下痢、不眠、高血圧、悪心などがある。

 

宇部興産 緑内障・高眼圧症の新薬、FDAが承認申請受理

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2021年2月4日

 宇部興産と参天製薬はこのほど、緑内障・高眼圧症の患者を対象とした「STN10117(DE-117)」(一般名:オミデネパグ イソプロピル)の新薬承認申請(NDA)が、米国食品医薬品局(FDA)により受理されたと発表した。FDAは、処方せん薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づき、今年11月19日の完了を目指してNDAの審査を進めている。

 「STN10117(DE-117)」は、緑内障・高眼圧症の治療を目的として、両社が共同開発している点眼剤。有効成分のオミデネパグ イソプロピルは、参天製薬が宇部興産から導入した、選択的にEP2受容体に作用して眼圧下降作用を示す新規作用機序の化合物。日本では2018年より「エイベリス点眼液0.002%」の名称で販売されている。アジアでは順次販売承認を申請しており、2019年以降、韓国などで承認を取得している。

 緑内障は、視神経の障害により視野の欠損が起こる疾患。基本的に進行性で非可逆的であるため、早期発見・早期治療による視神経障害と視野欠損の進行抑制が治療上の重要な課題で、眼圧を下降させることが、最も確実な治療法。緑内障は、日本での眼疾患による視覚障害(視力低下、失明)の主な原因となっており、米国では300万人以上が罹患し、世界では7600万人が罹患していると推測されている。

 両社は、より多くの治療選択肢を医療現場に提供することで、米国の患者のQOLの向上に寄与できることを期待している。

大日本住友製薬 FDAが舌下投与フィルム製剤の新薬承認再申請を受理

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2019年12月26日

 大日本住友製薬はこのほど、米国子会社サノビオン・ファーマシューティカルズ(サノビオン社)の舌下投与フィルム製剤の新薬承認再申請が、米国食品医薬品局(FDA)に受理されたと発表した。

 同社は今年1月29日にFDAから受領した審査結果通知に対応した再申請を、11月22日に行っていた。同剤の処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づくFDAの審査終了目標日は、来年5月21日となる。

 同剤はアポモルヒネ塩酸塩水和物(ドパミン作動薬)を有効成分として含有する新規の製剤。パーキンソン病の朝のオフ症状、予測できないオフ症状、効果の発現遅延(delayed ON)や効果不十分(partial ON)、ウェアリングオフ現象を含むすべてのオフ症状を必要な時に治療する、即効性のある舌下投与のフィルム製剤として開発されている。

 オフ症状は日常活動の維持の大きな妨げとなり、日常生活に深刻な支障を来すことがある症状で、疾患の経過に伴い、頻度や重症度が悪化する可能性がある。パーキンソン病患者の40~60%がオフ症状を経験しているにもかかわらず、オフ症状が生じた際の治療選択肢は限られている。

 同剤は1日5回まで投与可能な治療選択肢となるように設計されており、その使用により、パーキンソン病患者が速やかにオフ症状を改善することが期待できる。このほど、ランセット・ニューロロジー誌に、同剤の主要なフェーズ3試験(CTH‐300試験)の結果が掲載された。

 サノビオン社は2016年10月、カナダのベンチャー企業シナプサス・セラピューティクス社を買収し、同剤を獲得した。なお、マイケル・J・フォックス・パーキンソン病リサーチ財団が、同剤の2つのフェーズ1試験の一部の資金を提供している。

大日本住友製薬 米子会社が新薬承認でFDAに再申請

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2019年11月27日

 大日本住友製薬はこのほど、米国子会社サノビオン・ファーマシューティカルズ・インク(サノビオン社)が舌下投与フィルム製剤の新薬承認申請について、22日に米国食品医薬品局(FDA)に再申請したと発表した。

 サノビオン社は今年1月29日にFDAから受領した審査結果通知(Complete Response Letter)に対応し、再申請を行った。再申請資料には臨床データの追加分析と、包装表示の変更に関する情報が含まれている。

 同剤はパーキンソン病の朝のオフ症状、予測できないオフ症状、ウェアリングオフ現象を含む、全てのオフ症状を必要に応じて管理する、即効性のある舌下投与のフィルム製剤として開発されている。オフ症状はパーキンソン患者の日常活動維持の大きな妨げとなり、日常生活に深刻な支障をもたらすことがある。また、オフ症状は疾患の経過とともに、頻度・重症度が悪化することがある。

 パーキンソン病患者の40~60%がオフ症状を経験しているにもかかわらず、オフ症状を必要に応じて管理できる治療選択肢は限られている。同剤は、アポモルヒネ塩酸塩水和物(ドパミン作動薬)を有効成分として含有する新規の製剤。オフ症状を伴うパーキンソン病患者に、1日5回まで投与可能な治療選択肢となるように設計されている。

 同剤の使用により、パーキンソン病患者が速やかにオフを改善することが期待できる。サノビオン社が2016年10月に、カナダのベンチャー企業であるシナプサス・セラピューティクス社を買収し、同剤を獲得した。

 2020年までに米国では約100万人、世界では推定で1000万人がパーキンソン病に罹患していると考えられている。パーキンソン病は安静時の振戦(ふるえ)、固縮(筋肉の硬直)、運動障害を含む運動症状と認知障害、気分障害を含む多くの非運動症状を特徴とする慢性・進行性の神経変性疾患。アルツハイマー病に次いで2番目に多い神経変性疾患で、パーキンソン病の有病率は人口の高齢化に伴い増加している。