周辺国を中心に世界に拡大、中国は前年比で倍増
貿易統計によると、米国の2020年のポリエチレン(PE)輸出は、前年比12.0%増の1044万5000tとなり、1000万tの大台に乗せた。周辺国をはじめ、南米や欧州、アジアと世界各国に向けて拡大基調を続けている。昨年は8月まで月間90万t前後の高水準を継続。ハリケーンの影響があった9~11月は70万t台に落ち込んだが、12月には86万tと回復傾向となっている。
昨年の主な輸出先を見ると、
2021年3月25日
2021年2月26日
2021年1月29日
原油・ナフサ騰勢を強め、1-3月期は大幅増に
財務省が28日に発表した貿易統計によると、昨年4Q(10―12月期)の国産ナフサ価格は3万1300円/klと、3Q(7―9月期)の3万200円から一段高となり、2期連続で上昇した。4Qは10月3万1900円/kl、11月3万1600円/kl、12月3万600円/klで推移。欧米での新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、原油需要減少の観測から下落した油価に連動し、スポットナフサは一時350ドル/tを割り込み、また、為替が円高に振れたこともあり、国産ナフサ価格は下落基調が続いたが、結果的には前期比1100円高と小幅に上昇した。
10月以降のC&Fジャパン・スポットナフサの月平均価格(弊紙算出基準による)を見ると、
2020年12月28日
2020年11月30日
2020年10月8日
モンスーン期で数量大幅減、日本はトップを維持
貿易統計によると、インドの6月の塩ビ樹脂(PVC)輸入は、前年同月比67.6%減の5万9000tとなり、7カ月連続でマイナスとなった。2017年3月以来となる5万t台を記録している。
コロナ禍の影響が拡大する中、同国では3月末にロックダウンを実施。その影響を受け4月、5月と約40%の減少で推移していたが、6月は不需要期となるモンスーン期(6~9月)に入ったことで、大きく落ち込む結果となった。上期(1-6月期)で見ても、前年同期比32.1%減の76万2000tとなっており、仮に年後半に回復したとしても2020年(暦年)の輸入量は前年(約214万t)を大きく下回る見込みだ。
こうした中、これまで3万t前後で推移していた日本品も6月は約3分の1の1万t台となった。ロックダウンの影響で、5月のオファーが成立しなかったことが大きく響いている。
6月の輸入を国別で見ると、
2020年10月1日
2020年9月18日
中国向けが3カ月連続首位、インドも回復傾向に
貿易統計によると、米国の7月のポリエチレン(PE)輸出は、前年同月比19.8%増の92万6000tとなった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響があるものの、中国向けを中心に高水準な輸出が継続している。
米国では相次ぎPE工場が立ち上がってきたことで、昨年から輸出量が増加傾向を強めている。今年に入ってからも基調は変わらず、3月の輸出量は90万t台に達した。コロナ禍の影響が拡大し、さらにナフサ価格が急落した4月は83万7000tに落ち込んだが、5月以降は再び90万t台で推移している状況だ。
上期(1-6月期)の合計で見ると、前年同期比25.6%増の545万5000tとなった。仮にこのペースを維持すれば、今年の輸出量は前年(932万7000t)を大きく上回る1100万tレベルにまでに達する見通しだ。
7月の主な輸出先を見ると、
2020年9月10日
4月を底にやや持ち直し、日本は高シェアを維持
貿易統計によると、インドの5月の塩ビ樹脂(PVC)輸入は、前年同月比38.2%減の12万1000tとなり、6カ月連続でマイナスとなった。年明け以降は、景気回復とともに輸入量が増加傾向となっていたところに、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大。その影響を受け3月の輸入量は同33.1%減の13万4000tと、2月から約4万tの落ち込みとなった。
さらに4月は、3月末に同国でロックダウンが実施されたこともあり、同39.6%減の11万1000tと一段と悪化。その後、一部でPVCを調達する動きが出てきたことで、5月は前月比9000t増とやや持ち直す結果となっている。
インドはPVCの輸入ポジションであり、近年、インフラ整備や農業用資材向けなどに輸入量を大きく伸ばしてきた。しかし、仮に足元の状況が長引けば、2020年の輸入量は前年(213万9000t)を大きく下回る可能性が高まっている。
こうした中、日本品は他の国に比べ数量が極端に落ち込まず健闘している。最もコロナ禍の影響を受けた3月と4月は、前年同月比20数%減と3万tを割り込んだが、5月には減少幅が縮小し3万t台を回復した。
5月の輸入を国別で見ると、
2020年7月31日
コロナ禍も原油価格が上昇、3Qは反転見込む
財務省が30日に発表した貿易統計によると、2Q(4-6月期)の国産ナフサ価格は2万5000円/klとなり、1Q(1-3月期)の4万4800円から1万9800円安と大幅に下落した。国産ナフサ価格が3万円を割り込むのは、リーマンショック後の2009年1Q以来となる。
国産ナフサ価格が大きく下落した背景として、コロナ禍による世界経済の減速と、協調減産の混乱による原油価格の低迷が挙げられる。中国に端を発した新型コロナウイルス感染症は年明け以降、次第に世界へと拡大。ロックダウン(都市封鎖)など各国の感染防止策への対応から人やモノの動きが停滞し、世界経済の減速・後退が顕在化した。
一方、原油価格は、ロシアを含めたOPECプラスによる協調減産が破棄されたことで3月上旬に暴落。WTIは一気に下落基調となり、