アジア向けは各国で濃淡、中国・インドは減少に
貿易統計によると、米国の4月のポリエチレン(PE)輸出は、前年同月比11.3%増の83万7000tとなった。今年1Q(1-3月期)は前年同期比31.5%増と高い伸びを示していたが、4月は勢いがやや鈍化している。新型コロナウイルスの感染拡大により需要が弱まったことや、原油に連動しナフサ価格が下落したことが影響したと見られる。とはいえ、
2020年7月3日
2020年6月24日
2020年5月29日
2020年5月7日
コロナ要因でナフサ急落、2Qは大幅下落が濃厚
財務省が28日に発表した貿易統計によると、1Q(1-3月期)の国産ナフサ価格は4万4800円/klとなり、2四半期連続で上昇した。しかし、足元では新型コロナウイルス感染症の拡大による世界経済の減速が顕在化。スポットナフサ市況は200ドル/t前後での取引となっており、試算した国産ナフサ価格は2万円/klを割り込む展開となっている。
世界に蔓延する新型コロナの終息の兆しが見えない中、2Q(4-6月期)の国産ナフサ価格は2万7000~2万8000円/klと大幅な下落が予想され、リーマンショック後の2009年1Q以来となる3万円/kl割れとの見方も出ている。
こうした中、誘導品の需要が弱含んでいることを背景に、エチレンをはじめ各種石化製品も、市況下落によりスプレッドが悪化。化学メーカーにとっても石化事業の環境が厳しくなっており、もう一段の構造改革といった経営判断が迫られそうだ。
原油価格は昨年から大きくトレンドが変化している。昨年の9月初旬以降は、サウジ石油施設が攻撃されるなど、高まる中東情勢の緊張から原油の供給懸念が広がり上昇基調となった。それに連動する形でスポットナフサ市況も
2019年11月29日
2019年9月2日
貿易統計によると、米国の6月のポリエチレン(PE)輸出は、前年同月比41.0%増の77万5000tと大幅な伸びを継続した。米国おいてシェール由来の大型エタンクラッカーおよびPE設備が相次いで稼働を開始し、近隣諸国はもちろん、南米や欧州、アジア、アフリカにまで輸出が本格化している状況だ。
6月の主な輸出先は、1位がメキシコ(9万6000t)、2位がベルギー(9万5000t)、3位がカナダ(6万2000t)、4位が中国(4万7000t)、5位がブラジル(4万2000t)となった。中国は、4~5月は7万t台と高水準で推移していたが、6月は43%減とブレーキがかかった。その他のアジア地域では、ベトナム(同10.4倍)、香港(同3倍)、シンガポール(同2.1倍)、マレーシア(同2倍)の増加が目立つ。また、韓国も同5.3倍の1万3000tとなった。昨年は月に3000~4000t程度だったが、今年に入り輸入量が伸長している。
一方、6月のPE輸出を品目別にみると、
2019年6月24日
貿易統計によると、米国の1Q(1-3月期)のポリエチレン(PE)輸出は、前年同期比50.0%増の205万1000tと大幅な伸びとなった。米国においてシェール由来の大型エタンクラッカーやPE設備が相次ぎ立ち上がり、世界各地に向けて輸出が加速している。
アジアではベトナム(同12.8倍)やマレーシア(同12.5倍)、韓国(2.7倍)、またインド(同2.1倍)向けに増加が目立っており、今年もその動きが継続しそうだ。
1Qの主な輸出先は、1位がメキシコ(29万1000t)、2位がベルギー(21万1000t)、3位がカナダ(19万4000t)、4位が中国(13万5000t)、5位はブラジル(13万1000t)となった。中国向けは、貿易摩擦の影響もあり、同37.0%減となっているが、昨年11月を底に数量は反転しており、今後の動向が注目される。
一方、1QのPE輸出を品目別にみると、HDPEが
2019年4月8日
2019年3月4日
2019年2月1日
中国の昨年12月の汎用樹脂輸入では、高密度ポリエチレン(HDPE)とABS樹脂が前年同月比でマイナスとなった。
PEの中では低密度ポリエチレン(LDPE)は同7%増と堅調な伸びを見せ、直鎖状低密度(L-LDPE)も同45%増と大幅に伸長したのに対し、HDPEは同8%減と落ち込んでいる。
他の品目では、ポリプロピレン(PP)同3%増、塩ビ樹脂(PVC)は同14%増、ポリスチレン(PS)は同22%増、EPS同154%増と伸長したが、ABS樹脂は同5%減とマイナスとなった。ABS樹脂は自動車や家電など景気動向に左右されやすい製品に多く使われることから、中国経済の減速が表れているとの見方も出ている。
国別で米国品を見ると、PEでは