長瀬産業は7日、ウイルスベクターや組み換えタンパク質をはじめとするバイオ医薬品・原薬などの開発・製造技術をもつオランダのハリックス社(HALIX)と、国内の開発・製造受託(CDMO)サービスの提供に関する基本合意書を締結したと発表した。
長瀬産業は、すでに中分子医薬品(ペプチド、核酸)の
2023年3月8日
2023年2月3日
2022年9月8日
2022年6月15日
2022年5月16日
三菱ケミカルHDグループは11日、ナカバヤシ、王子エフテックス、MIB、長瀬産業、旭洋と共同で、同社グループの植物由来の生分解性樹脂「BioPBS」を使用した食品向けバリア包装材を開発したと発表した。ナカバヤシが展開する環境配慮製品のブランド「asue」のラインアップとして、今夏ごろの販売開始を予定している。
同包装材は、内面のシーラント層に「BioPBS」を採用。「BioPBS」は、環境配慮特性とともに優れた低温ヒートシール性と柔軟性を有しており、食品などの包装材に採用が広がっている。また、
2020年10月16日
新エネルギー・産業技術総合開発機構と長瀬産業はこのほど、食品・化粧品・医薬品など幅広く利用が期待される希少アミノ酸「エルゴチオネイン(EGT)」の生産性を、NEDO開発のスマートセル技術の活用で約1000倍に向上させたと発表した。これは世界最高レベルの生産効率で、安価で高純度な環境配慮型EGTバイオ生産プロセスの確立が可能となった。
EGTはキノコなどに微量含まれる抗酸化能に優れた希少アミノ酸。人にはFGTを利用する仕組みがあるため、食事摂取による脳機能の改善、皮膚、眼、各種臓器細胞の酸化ストレスからの保護が示唆される。天然物からの抽出では含有EGTが微量、化学合成では環境負荷が大きいなど、安価で低環境負荷の製法は未確立だ。
NEDOは2016年から、植物や微生物細胞の物質生産能力を最大限引き出す生物合成技術「スマートセル」を構築し化学合成では困難な有用物質の創製、化学合成を上回る生産性を目指す「植物等の生物を用いた高機能品生産技術の開発」事業(スマートセルプロジェクト)を推進してきた。長瀬産業は2015年に安価で安定供給可能な環境配慮型バイオ生産プロセスの開発を始め、昨年度から同事業に参画して研究開発を加速してきた。
今回、同プロジェクト独自のスマートセル基盤技術「酵素改変設計技術」「代謝経路設計技術」「HTP微生物構築・評価技術」「輸送体探索技術」により細胞内の生産反応の最適化に成功。生産効率は世界最高レベルの従来比約1000倍を達成した。
今後、同生産菌株を活用し早期の事業化を進め、化学合成が難しい有用物質の創製、低コスト・低環境負荷の生産プロセスである「スマートセルインダストリー」の実現に貢献していく考えだ。
2020年7月21日
ユニチカはこのほど、長瀬産業と共同提案した「有機溶剤回収の省エネルギー化を目指した耐溶剤性分離膜プロセスの開発」が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2020年度「戦略的省エネルギー技術革新プログラム/実用化開発」の助成事業に採択されたと発表した。実施期間は、2020年7月~2023年2月。両社のほかに、神戸大学とナガセテクノエンジニアリングが参画し、ユニチカが開発したナイロン中空糸ナノろ過膜「WINSEP NF」の実用化を目指す。
有機溶剤の分離・濃縮に多用される蒸留法は、エネルギー消費の大きいプロセスのため、蒸留に由来するCO2排出量は国内化学産業のCO2排出量の40%に達し、日本のCO2排出量の約4%を占めている。蒸留に使うエネルギーを低減させる方法として、熱交換器による熱回収などがあるが、所要エネルギーを数割減らす程度で、抜本的な解決には至っていない。
一方、膜分離法は相変化を伴わない分離法であり、蒸留法と比べ100分の1~1000分の1もの大幅な省エネ化が可能になる。しかし、海水淡水化などの水処理分野では広く実用化されているものの、水処理用の膜は耐溶剤性がなく、有機溶剤分離には利用できなかった。
こうした中、ユニチカは耐溶剤性が高いナイロンに着目。研究を進めた結果、幅広い有機溶剤に耐性をもつナイロン中空糸ナノろ過膜「WINSEP NF」の開発に成功した。
今回の助成事業では、同開発品の実用化へ向けて、長瀬産業らとの共同開発を進めていく。「WINSEP NF」の特長は、①均質かつ緻密な孔形成により高い強度をもつ②溶液中に溶解した分子量1000程度の物質も分離する③フェノール類、含ハロゲン系溶媒を除く幅広い有機溶剤に使用可能で、トルエン、酢酸エチル、メタノールなどの溶剤系で安定的に膜分離できる―ことが挙げられる。
同開発品は、例えば電子産業、化学産業の分野で多量に排出される有機溶剤の回収再利用や、医薬・農薬産業の分野で生理活性物質を熱により失活させることなく濃縮したいといったニーズに応えられる可能性がある。幅広い有機溶剤で使用できることから、NEDO助成事業では具体的な用途を想定し、様々な分野での実用化に向けた研究開発を進めていく考えだ。
2020年7月10日
長瀬産業は9日、販売子会社のNagase Singaporeが、同社グループが取り扱う食品素材によるソリューションの提供や、食品飲料メーカー向けの実演・講習会などのコミュニケーションを行う拠点として、シンガポールに「リージョナル・イノベーション・センター」をオープンすると発表した。同施設は、製造子会社である林原(岡山市)が日本国内(岡山・東京)で展開するアプリケーション開発ラボ「L‘プラザ(エルプラザ)」を海外に展開するもので、昨年に開所した中国・厦門に続き2例目となる。
同施設は、各国の食文化や味付けによって異なるニーズをふまえたレシピ提案、アプリケーション開発、顧客へのプレゼンテーションやセミナーの実施を目的に開設するもので、主なターゲットは東南アジア、オセアニア、中東地域のパン、菓子、飲料、乳製品、加工食品、麺などを含む食品飲料業界メーカー。
林原の主力製品である多機能糖質「トレハ」、ビタミン・アミノ酸などの多様な食品素材のプレミックス(配合品)に強みを持つ米国の食品素材加工・販売会社プリノバ・グループの取り扱い製品、ナガセケムテックス(大阪市)が製造する酵素製剤などグループの商材を中心にソリューションを提供していく。
長瀬産業では、今年度までの中期経営計画「ACE‐2020」の注力領域の1つにライフ&ヘルスケア分野を掲げており、今年4月には食品素材を事業領域とするフードイングリディエンツ事業部を立ち上げた。特に海外を舞台にグループ全体で食品素材事業を展開するため、「Nagase Food Ingredients」(中文:长濑食品素材)のブランド名で事業をグローバルに推進しており、今後もグループのシナジーを最大限に生かし食品素材業界でのプレゼンスを向上していく考えだ。
2020年7月6日
ダウ・東レは3日、特約代理店である長瀬産業が、直感的な操作で適切な消泡剤ソリューションの種類や組み合わせを選択できるオンライン・シミュレーション・ツール「消泡剤セルフ診断サイト」の提供を開始したと発表した。
同サイトは、顧客の質問に答え、インタラクティブな自己診断機能を備えるとともに、詳しいガイドラインを提供するもので、これにより顧客は、高機能化学分野に関するダウ・東レのイノベーションをフルに活用することができる。また、ダウグループの深い製品知識と知見をベースに開発されたものであり、ダウと日本の主要ビジネスパートナーとの強力な提携により実現した。多様な業界で顧客をサポートする画期的なツールとして、今後の活用が期待される。
過度な発泡は、プロセスの性能、機器の耐久性、素材の信頼性に悪影響を及ぼすことから、不要な発泡を抑えることが課題。ダウ・東レの最先端のシリコーン消泡剤は、農業から食品・飲料、建設から繊維、ハイドロカーボンからパーソナルケア製品や家庭用品に至るまで、あらゆる種類の業界で顧客が直面する過度な発泡への課題を効率的かつ効果的に解決する。
適切な消泡剤ソリューションを選ぶ際、様々な要因を考慮する必要があるが、同サイトは、多種多様で複雑な課題に直面する顧客向けに、極めて便利な完全デジタル化体験を提供。同サイトを使用することで、ダウ・東レの適切な種類の高品質シリコーン消泡剤ソリューションを選択し、最適な性能と大きな価値を得ることができる。
ダウ・東レは、今回の長瀬産業とのパートナーシップにより、消泡剤事業を拡大するとともに、最高クラスのソリューションとサービスを提供することが可能となった。両社は、この独自のデジタルプラットフォームにより、顧客の現在および新たなニーズに対応するとともに、市場で成功するための絶好の「ウィン・ウィン」戦略を提供していく考えだ。