BASF 建設化学品事業をローン・スターに譲渡

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2020年1月14日

 BASFはこのほど、世界的なプライベート・エクイティ・ファームであるローン・スターの関連会社と、BASFの建設化学品事業の譲渡譲受契約を締結した。買収価格は現金・負債がゼロの状態で31億7000万ユーロ。取引は関連する競争当局の承認を条件として、今年第34半期に完了する予定だ。

 BASFの建設化学品事業は7000人以上の従業員を擁し、60カ国以上に生産拠点と販売拠点を展開しており、一昨年の売上高は約25億ユーロだった。今回の契約締結により、BASFグループの財務報告に即時の影響が生じることになる。

 建設化学品事業の売上高・利益は、遡及的に昨年1月1日以降のBASFグループの売上高、利息・税金・償却控除前利益EBITDAと、特別項目控除前EBITに含まれなくなり、過年度の数値は調整される。一昨年の調整後のBASFグループの売上高は602億ユーロ、EBITDAは89億7000万ユーロ、特別項目控除前営業利益は62億8100万ユーロとなる。

 事業譲渡が完了するまでは、当該事業からの利益は、BASFグループの税引後利益のうちの「非継続事業からの税引後利益」として区分表示される。ローン・スターのロナルド・クインティン欧州プレジデントは「BASFの建設化学品事業のエキスパートがもつ、業界に認められた知識や能力を高く評価しており、ともに成長志向の事業展開を進めていきたいと考えている」と述べている。

BASF ポリアミド樹脂がグレーチング製品に採用

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2019年12月18日

 BASFはこのほど、ポリアミド樹脂「Ultramid(ウルトラミッド)」が、シマブン(福岡県久留米市)が新たに発売したグレーチング製品に採用されたと発表した。

「ウルトラミッド」を使用したグレーチング
「ウルトラミッド」を使用したグレーチング

 シマブンは樹脂製グレーチングを製造している。「ウルトラミッド」製のグレーチングは強度に優れ、金属製のグレーチングに比べて軽量であるため、作業者がより多くの荷物を運んだり、プロジェクトをより早く仕上げたりすることが可能になる。

 シマブンの島信英社長は「ウルトラミット」の優れた機械的特性により、新たに発売したグレーチングは腐食性が抑えられるとともに、ノンスリップ性能に優れ、錆びや滑りやすいといった問題解決にも役立つと評価。「押出成型と組み立てによって製造することで、幅広い製品をリーズナブルな価格で提供し、業界のニーズを満たすことができる」と述べている。

 BASFは材料ソリューションの提供に加え、独自のCAE(コンピューター援用工学)解析ツールを用いた設計・解析でもシマブンを支援した。CAEの活用により、開発チームは初期段階から設計を最適化し、材料を効率的に使用して、製品の強度と性能を最大限にすることができた。

 BASFジャパン・パフォーマンスマテリアルズ事業部の山本勇事業部長は「全国の建設現場や物流業界は人手不足に陥っており、プロジェクトオーナーは耐久性と軽量性を兼ね備えた建築資材を求めている」との認識を示した上で、シマブンと協力することで積載効率を改善し、ビジネスの生産性向上に貢献することを指摘した。

 グレーチングは橋のデッキや歩道、スタジアムなどの屋外施設や厨房で使用されている格子状の蓋で、排水溝の詰まりを防ぎ、水や空気の流れを促進する。

BASF 農業関連事業で50%の売上増を目指す

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2019年12月4日

30以上の新製品上市へ、デジタル技術の活用も

 BASFのアグロソリューション事業部門は、マーケットシェアの拡大と農業市場の成長率を1%上回る成長により、2030年までに50%の売上増を目指す。

 BASFの農業分野の戦略は、生産者が人口増加に対応する十分な食料を供給することを可能にし、限られた耕地や病害の圧力、気候変動などの課題に対処することを可能にするイノベーションに基づく。

 今年、1000億円以上に増額した研究開発予算は、同社の農業におけるイノベーションパイプラインを支えており、2028年までに30以上の新製品を上市し、ピーク時の売上高は約7300億円に達する見通しだ。これには8つの有効成分に加え、小麦交配種・大豆・キャノーラ(アブラナ科)・綿・野菜のユニークなトレイト(形質)と、高性能な種子が含まれる。

 全ての事業やポートフォリオの決定の際に、サステナビリティを検討することで、生産者や農業に対する持続可能な解決策の提案を積極的に主導する。昨年8月にバイエルから買収した事業と資産の統合を1年以内に完了し、種子・形質・農薬からデジタル技術まで、幅広いソリューションを生産者に提供できるようになった。

 同社は農業のソリューションを提供する世界有数の企業として、「南米と北米の大豆・トウモロコシ・綿」「北米と欧州の小麦・キャノーラ・ひまわり」「アジアのコメ」「世界各地の果物・野菜」という4つの主要な戦略的顧客セグメントと、そのクロップシステムと呼ばれる特定の作物の組み合わせに重点を置いて活動する。これらの作物は合計で世界市場の約70%を占めている。また、同社は農業分野でデジタル技術による新たな収入源も創出する。

 農業での先駆的なデジタル専門知識とパートナーシップにより、生産者がBASF製品を使用し、農場を管理し、製品やサービスにアクセスして購入する際、付加価値を与えるデジタル分野のソリューションを提供する。精密技術とデジタル化を活用することで、農業における将来のイノベーションの機会が得られるようになるが、これには、新たな成果ベースのビジネスモデルも含まれる。

 今年上半期のアグロソリューション事業部門の売上高は、前年同期比38%増の約5300億円となった。これは主に、バイエルから事業と資産を買収したことによるポートフォリオ効果によるもので、特別項目控除前EBITも、主として買収した事業の貢献により、今年上半期に23%増加し、約1000億円となっている。

 

BASF 高耐候安定剤がPE製の滑り台を紫外線から保護

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2019年12月3日

 BASFはこのほど、高耐候安定剤「Tinuvin(チヌビン)」が、スイコー(兵庫県尼崎市)の直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)製滑り台に採用されたと発表した。

BASF
帯電防止性能を有したスイコーの滑り台

 回転成型により製造したこの滑り台は、帯電防止性能を備え、安全性と耐久性が向上し、炎天下でも変色しない。L-LDPE製の滑り台は本来、紫外線劣化を起こしやすく、変色や物性低下が生じる。この課題を解決するため、製造工程でポリマー樹脂に「チヌビン」を添加することで、滑り台の色を明るいまま保持することが可能になった。

 スイコーの強みは回転成形技術で、成形体外表面の紫外線劣化を診断する技術ももつ。この紫外線劣化診断技術により、滑り台の適切な交換時期を推奨でき、遊具の安全性がより向上する。

 公園遊具にはさまざまな素材が使用されているが、金属製の滑り台は夏場に高温となるため、理想的な素材とは言えない。また、繊維強化プラスチック(FRP)製や鉄製の滑り台は、定期的に再塗装することが必要で、亀裂を予測することが困難だ。

 一方、L-LDPE製の滑り台はメンテナンスが容易な上、単一材料のプラスチックとしてリサイクルも可能なので、ニーズが増加している。

BASF 消泡性能を兼ね備えたシリコーン系湿潤剤を発売

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2019年11月28日

 BASFは優れた湿潤性と顕著な消泡性能を兼ね備えた、新しいシリコーン系湿潤剤「Hydropalat(ハイドロパラート) WE3225」 を発売した。消泡剤を添加する必要のない、湿潤剤に対する市場要求に応えるために開発した。

 これにより、気泡やピンホールなどの発泡による悪影響を懸念することなく、自由に添加できる。さらに、低VOC(揮発性有機化合物)、低臭気といった特長も備える。高品質な水性工業用・自動車用塗料、木工塗料に使用できるように設計されており、印刷インキへの応用も可能だ。

BASF 中国で天然由来原料の界面活性剤APGを増強

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2019年11月26日

 BASFは中国・金山(ジンシャン)工場のアルキルポリグルコシド(APG)の生産能力を1万t増強し、2万tから3万tに拡大した。昨年発表した生産能力拡大プロジェクトの一環。

 さらに1万tを追加するため、基本インフラ整備に必要な承認を取得して準備を進めている。これにより、近い将来に生産能力は倍増される予定で、拡大するマーケットと顧客の需要に、より適切なサポートが行えるようになる。

 APGは洗顔料やボディーソープ、シャンプーなどのパーソナルケア用品で、泡立ちの改善に使用される界面活性剤。また、食器洗浄用洗剤や洗濯用洗剤、表面洗浄剤などのホームケア用途、農業用マイクロエマルジョン製剤にも応用されている。さらに、非イオン性であるため、様々な界面活性剤や他の成分との相溶性が高く、100%天然由来の再生可能原料から製造されることも特徴だ。

 金山の生産拠点は「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」によって認証された、グローバル生産拠点の1つ。同社は経済の発展を推進しながら、世界的なサステナビリティに対する要望にも応え続ける方針だ。

BASF 研究を助成、「循環代謝」など3テーマで募集

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2019年11月21日

 BASFはアジア太平洋地域の研究・学術機関に対し、「Nutrition Asia Research Grant(ニュートリション・アジア・リサーチ・グラント)2020」への研究の応募を呼びかけている。募集期間は来年1月9日まで。発表は3月を予定している。

 7回目となるこの助成プログラムは、アジア太平洋地域の消費者にとって喫緊の課題である、健康と栄養に関する問題への科学的研究を支援することを目的としている。

 助成対象となる研究は「免疫サポート」「循環代謝」「身体機能と運動性」の3つの主要分野に焦点を当てたもの。今回の募集では、特に免疫と代謝に関するヒトミルクオリゴ糖(HMO)の生物学的機能に重点を置き、助成する全5案のうち2案は、人間の健康に関したHMOの役割を調査するプロジェクトに授与する。

 HMOは構造的にも生物学的にも多様性に富む難消化性糖質で、ヒトの母乳中に豊富に含まれている。また、HMOが免疫調節機能に必須であり、腸内フローラの特定有益菌の増殖を促進することが最近の研究で明らかになっている。

 企画書の評価・選考は、ヒューマン・ニュートリション分野の著名な研究者や主要なオピニオンリーダーで構成される専門家が行う。5人の研究者に1人あたり最大4万ユーロが授与され、各プロジェクトには18カ月の研究期間が設けられる。

 2012年の同プログラムの開始以来、BASFはオーストラリア・中国・インド・インドネシア・マレーシア・シンガポール・タイの30のプロジェクトを助成してきた。このうち15のプロジェクトは学術会議やセミナーで紹介され、査読付き論文も八本発表されている。

BASF PU素材がミズノのフットウェア新製品に採用

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2019年11月20日

 BASFの「Elastopan」ポリウレタン(PU)が、ミズノの新しいトレーニングフットウェア「TC‐01」「TC‐02」のミッドソールに採用されている。「TC‐01」「TC‐02」は、アスリートのバランス能力を高め、パフォーマンスを向上させることを追求して開発された。

 このPU素材は、足裏の感度を高める「MIZUNO COB(ミズノ・コブ)」テクノロジーの開発に貢献。高い耐加水分解性と優れた接着強度をもち、従来の素材と異なり、ミッドソールの表面の複数の突起形状を、簡単・シームレスに成形することができる。

BASF PAがマッスルスーツに採用、軽量化に寄与

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2019年11月19日

 イノフィス(東京都新宿区)はこのほど、BASFのポリアミド樹脂「Ultramid(ウルトラミッド)」を採用したアシストスーツ「マッスルスーツEvery(エブリィ)」を発売した。

 マッスルスーツは重いものを運ぶ時などに腰への負担を軽減するが、さらなる軽量化によるユーザーへの負荷低減が求められていた。「ウルトラミッド」を採用することで、マッスルスーツの堅牢性と機能性を損なうことなく、重量を低減させた。さらに両社が協業して射出成型を適用することで、組み立て工程を簡素化し、製造コストの大幅な削減が実現した。

 イノフィスは東京理科大学発のベンチャー企業。2014年からマッスルスーツの販売を始め、累計出荷台数は4000台を超えており(今年4月現在)、アシストスーツ業界の大ヒット商品となっている。

BASF 天然香料市場に参入、蘭社買収し米社と提携

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2019年11月18日

 BASFは天然香料市場に参入する。天然香料・香粧品のグローバル市場(F&F)で、バイオテクノロジーの革新的リーダーであるオランダのアイソバイオニクスを買収し、バイオテクノロジー研究分野を主導する米国コナジンと提携した。

 アロマケミカルズのリーディングサプライヤーとして、バニリンやノートカトン、バレンセンなど、天然原料のポートフォリオを拡充する。BASFがもつ研究開発力と幅広い販売網に、アイソバイオニクスとコナジンのノウハウ・専門知識を組み合わせることで、バイオ技術に基づいた香料原料のテクノロジーを発展させる。

 アイソバイオニクスはバイオテクノロジーをベースにした香料原料会社。ノートカトンやバレンセンなどのかんきつ類油成分を中心に、F&F市場向けに幅広い天然成分を開発・生産している。買収によりアイソバイオニクスの全従業員がBASFのアロマ原料事業の所属となる。

 コナジンは発酵原料の優れた研究開発力・商品化力をもつ。発酵はビールの醸造やパンを焼く過程でよく知られている古代から続く技術で、ある物質を別の物質に変換するために、細菌や真菌などの微生物が用いられる。コナジンと協力協定を調印したことで、市場で最も需要の高い芳香成分の1つである、天然バニリンを市場に供給することが可能になった。

 BASFが販売する天然バニリンは、米由来のフェルラ酸をベースにしているため、天然バニリンFと名付けられた。そのクリーンなバニリン特性から、「オールナチュラル」表示で、チョコレートやイチゴ、キャラメルなどあらゆるフレーバー用途として使われる。

 さらに、BASFのニュートリション&ヘルス事業本部では、酵素の研究と生産に特化したグローバル・ビジネス・ユニットを設立した。酵素は食品・飼料・技術産業で、天然加工助剤をはじめ幅広いアプリケーションの原料として利用できる。