BASF 色測定技術を強化した分光光度計を日本で導入

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2019年6月4日

 ドイツの大手化学メーカーBASFの自動車補修用塗料のプレミアムブランド「R‐M」は、色測定技術を強化した「カラートロニック 12/6」分光光度計を、日本で導入する。

 12光線による測定技術で正確な色を識別し、完全な一致率を実現する。カラーカメラが6枚のカラー写真に基づき、メタリック/パール仕上げを見分けることで、ターゲットにより近いカラーに調整可能。

 新機能の1つは温度警告で、自動車が長時間、直射日光にさらされていた場合に表示される。高温環境が測定自体に影響する可能性があるため、この機能によって色の測定の信頼性がこれまで以上に高まる。

 測定データはワイファイを介してワークステーションに容易に送信できることから、ペインターは、車の入庫後すぐに、顧客の前で色測定が行える。また、データベースに保存されたジョブを分光光度計にアップロードし、分光光度計で処理することも可能。

 ワークステーションでは、最新ソフトウェアのカラー・エクスプローラーとショップ・マスターを使い、測定されたデータを既存のカラーデータベースと比較。測定した色にできるだけ正確に一致するよう、色の調整ができる。

 新たに開発されたアルゴリズムは、ターゲット色に合わせた補正に役立つ。エキスパートビューでは、色をスペクトルカーブの形式で表示できる。デバイスの電源を入れるたびに、キャリブレーションが自動的に実行されるなど、装置のメンテナンスと信頼性も向上した。

 手動キャリブレーションは、月1回だけ行う。バッテリーの再充電も以前より速くなった。デバイスが破損した場合は、保証サービスが適用されるため、迅速な交換が可能だ。

 

BASF 「R‐M」ブランドのLINEアカウントを開設

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2019年5月27日

 ドイツの大手化学メーカーBASFはこのほど、プレミアム自動車補修用塗料ブランド「R‐M」のLINEアカウントを新たに開設した。日本の自動車業界の顧客に、「R‐M」に関する情報の提供を行う。

 「R‐M」の新しいLINE公式アカウントでは、日本全国の自動車修理工場で広く使用されている水性塗料システム「オニキス HD」など、「R‐M」 製品に関連する最新の製品・技術情報を、顧客の手元に届けることができるようになる。

 BASFジャパンによると「BASF初のLINEアカウントが開設されたことで、顧客は最新の情報にいつでもアクセスできるようになった」とのこと。LINEは日本で最も人気のあるソーシャルメディアプラットフォームで、全人口の60%が利用しているという。

 今年ブランド誕生100周年を迎えた「R‐M」は、今後も顧客のニーズに合った最も便利で使いやすいコミュニケーションツールを通じて、情報を提供していくとしている。

BASFの1-3月期 マテリアルとケミカル不振で減益

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2019年5月20日

 ドイツの大手化学メーカーBASFの12月期第1四半期の業績は、売上高が前年同期比3%増の162億ユーロ(1兆9926億円)、特別項目控除前営業利益は同24%減の17億ユーロ(2091億円)。マテリアルとケミカル事業の不振により減益となった。

 ケミカル事業(石油化学品事業本部・中間体事業本部)は減収減益。石油化学品事業本部の売上高が大幅に減少した。減益要因は、スチームクラッカー製品の利益率の低下と、両事業本部の販売量の減少による。

 マテリアル事業(パフォーマンスマテリアルズ事業本部・モノマー事業本部)も減収減益。モノマー事業のイソシアネート価格の下落が主因で減収。利益は主にモノマー事業部のイソシアネート利益率の低下による。

 インダストリアル・ソリューションズ事業(ディスパージョン&ピグメント事業本部・パフォーマンスケミカルズ事業本部)は減収増益。パフォーマンスケミカルズに含まれていた製紙用薬品・水処理剤事業を譲渡したことで減収。増益要因は価格の上昇と販売量の増加、為替のプラス効果で、パフォーマンスケミカルズ事業が大幅な増益となったことが大きい。

 サーフェステクノロジー事業(触媒事業本部・コーティングス事業本部・建設化学品事業本部)は増収も利益は横ばい。触媒事業と建設化学品事業は大幅増収となった。利益は自動車業界の低迷により、コーティングス事業が大幅な減益となったことが響いた。

 ニュートリション&ケア事業(ケア・ケミカルズ事業本部・ニュートリション&ヘルス事業本部)の売上高は前年同期並み。利益はニュートリション&ヘルス事業の固定費増で減益となった。

 アグロソリューション事業は、昨年8月にバイエルから大規模な事業と資産の買収を行ったポートフォリオ効果により増収増益。通期の業績は、当初予想を据え置いた。若干の増収と1∼10%の増益を見込んでいる。

BASF 米社と戦略的提携を拡大、独占供給契約に署名

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2019年5月20日

 ドイツの大手化学メーカーBASFと、米国の断熱製品メーカーのアスペン・エアロジェル社はこのほど、独占供給契約の追加合意書への署名による、戦略的パートナーシップの拡大を発表した。追加合意書は、新しい不燃性の高性能な断熱材の生産と、BASFへの供給について定めている。

 この新製品は「スレンテックス」を補完するもので、主要顧客を対象とした初期試験で優れたパフォーマンスを示している。現在販売されている「スレンテックス」は、業界をリードする熱性能と、不燃性耐火等級の独自の組み合わせにより、最先端の不燃性断熱技術を有するもの。

 ファサード・システム(外断熱)、サーマル・ブリッジ(熱橋)、トランジション・エリア(遷移区域)など、建築・建設業界でのユニークな用途向けにも開発された。また、この新しい断熱材は、建設業界以外の幅広い用途にも使用される。

 追加合意の一環として、アスペン・エアロジェル社はBASFから、製品の最適化と新規プロセス開発を支援するため、2回目の前払いを受ける。BASFは新しく開発された製品の独占販売権を取得する。BASFパフォーマンスマテリアルズ事業本部のライマー・ヤーン・プレジデントは「この製品の開発に成功することで、急成長する高機能断熱材料市場への優れたサービスが可能となる」と述べている。

 

BASF 農業向け製品のパイプラインを拡充

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2019年4月10日

 ドイツの大手化学メーカーBASFは、農業向けソリューションの製品パイプラインを大幅に拡充している。パイプラインには化学的・生物学的農薬製品、種子・形質、デジタルソリューションが含まれ、これにより、革新的で持続可能な農業での主導的地位を強化する。

 最新のイノベーションパイプラインにより、農業をめぐる課題に対する新しい技術とソリューションを、全ての主要な作物と地域で生産者に提供する。

 同社のイノベーション力の一例として挙げられるのが、大豆生産のための研究開発だ。大豆は世界の食料と飼料の供給に極めて重要な役割を果たしている。同社は大豆農家が高収量と高品質を実現するための革新的なソリューションを開発した。

 新しい大豆種子では、生産者はグルホシネート・アンモニウムを用いた非選択性除草剤「リバティー」、除草剤の有効成分グリホサート、発芽後の雑草防除のための新規作用機構の除草剤(規制当局の承認待ち)を使用することができる。この革新的な大豆技術は、「クレデンス」ブランドと、ライセンスブランドの下で生産者に提供される予定で、発売は2020年を見込んでいる。

 一方、耐性菌管理は全ての生産者が直面している大きな課題の1つ。同社は穀物・大豆・とうもろこし・果物・野菜を含む多くの重要な作物の耐性菌管理に不可欠なツールとなる、最新の殺菌剤「レヴィソル」を全地域の生産者に提供する。

 「レヴィソル」は市場に導入される最初のイソプロパノール‐アゾールの殺菌剤。イソプロパノール基を持つことで、他のアゾール類よりも100倍強く標的病原体の酵素に結合する。

 これは「従来のアゾールが直面する抵抗性の問題に影響されないこと、哺乳類の催奇形性(生殖毒性)と環境毒性が低いことを示しており、使用者と環境にとって、より安全であることを意味している」(BASFジャパン)という。

 欧州の全耕作地の50%以上を占める、最も重要な畑作物である穀物向けの製品登録をEUに申請し、承認された。今後、アブラナやトウモロコシ、果物、ブドウ、野菜など、他の重要な作物での製品登録も行う。

 穀物向けの「レヴィソル」をベースとした製品は、各国の認可を経て、来シーズンに向け年内に発売される予定だ。これらは2028年までに世界で上市する30以上の製品を代表するもので、継続的な研究活動をベースにしたユニークなイノベーションパイプラインから生じた。

 同社は今後も農業分野の研究開発費を、過去最高水準に維持することを目指している。

BASF 「フリーフレックス」繊維を消費財用途で拡販

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2019年3月13日

 ドイツの大手化学メーカーのBASFは、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)「エラストラン」を素材とする、「フリーフレックス」繊維の消費財用途での拡販を図っている。その一環として、このほど開催された2019年秋冬ニューヨークファッションウィークで、米国のファッションブランド「セブン・クラッシュ」が「フリーフレックス」繊維を使った「クァンタス」コレクションを発表した。

 「フリーフレックス」繊維は、同社と台湾のテキスタイルメーカー三芳化学工業が共同で開発し、生地まで製造している。コットンTシャツのような見た目と手触り、手入れが簡単でソフトな吸湿性を特徴としており、高い伸縮性によって体にフィットする。さらに、複雑なテキスタイルデザインでも、色や見た目を変化させることができるため、「クァンタス」コレクションでは未来的なイメージを与えつつ、発汗性の高いウェアを実現した。

 「セブン・クラッシュ」のジェイソン・ヤオCEOとエンチ・シェン・クリエイティブディレクターは「セブン・クラッシュ」を「最先端の素材を使って異なるファッション様式と文化を模索しながら、フューチャリスティックなワークウェアとファンションストリートの常識を覆すことを目指す、革新的なブランド」と定義している。このコンセプトに基づき発表した「クァンタス」コレクションの制作に当たっては、「フリーフレックス」繊維と、やはりBASFの合成皮革用ポリウレタン素材「ハプテックス」が不可欠だったという。

 なお、「フリーフレックス」繊維については、低温設定の製造により乾きやすい生地を実現し、製造過程と製品の日常的な使用でのエネルギー節約を可能にした。また、「ハプテックス」では製造過程で有機溶剤を使用せず、揮発性有機化合物(VOC)の厳しい基準に適合するなど、環境を意識した製造技術を採用している。「エラストラン」は、これまでも産業用途だけでなく、ゴルフボールやスポーツシューズの靴底、時計バンド、肘当てなど。消費財としても使われてきた。

 同社では「エラストラン」から紡いだ「フリーフレックス」繊維を数多くの消費財に使用してもらいたいと考えており、今回採用されたファッション用途もその1つ。今後は「日本のマーケットも視野に入れ、提案していく」(BASFジャパン)方針だ。

 

 

 

BASF 米社との製紙用薬品・水処理剤事業の統合が完了

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2019年2月6日

 ドイツの化学メーカーBASFはこのほど、規制当局による承認を得て、米ソレニス社との製紙用ウェットエンドと水処理剤事業の統合を完了したと発表した。この統合については、両社の間で昨年5月に合意していた。

 同事業は2月1日からソレニスの名称で運営している。2017年の想定売上高は約24億ユーロ、従業員数は約5200人で、合併後の新会社は、製紙・水処理関連の顧客に対し、製品ポートフォリオの拡大とコスト効率に優れたソリューションを提供することを目指す。

 BASFが株式の49%を持ち、残りの51%はClayton、Dubilier & Rice社とソレニス経営陣が管理するファンドが保有する。

 この取引には、英国ブラッドフォードとグリムズビー、米国バージニア州サフォーク、メキシコ・アルタミラ、インド・アンクルシュワー、オーストラリア・クイナナにある、BASFの製紙用ウェットエンドと水処理剤事業の生産拠点と工場が含まれる。

 取引終了後、BASFは保有するソレニス社の株式を持分法で計上し、同社の純利益の持分相当額を、BASFグループの特別項目控除前EBITとEBITに含める。

 ドイツ・ルートヴィッヒスハーフェンと中国・南京のフェアブント拠点に統合されている BASFの製紙・水処理剤の生産工場は移譲されることなく、中長期供給契約により、合併会社に製品と原材料を納入する。BASFの製紙用コーティング剤のポートフォリオは、今回の取引には含まれない。

BASF CO2削減へ4つのプロジェクトを推進

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2019年2月4日

 BASFはこのほど、ドイツ・ルートヴィッヒスハーフェンの本社でリサーチプレスカンファレンスを開催し、CO2を削減する未来の生産プロセスに向けた画期的な4つのプロジェクトを紹介した。

 1つ目はスチームクラッカー用の世界初の電熱コンセプトの開発。同社のスチームクラッカーはナフサをオレフィンと芳香族化合物に分解し、さらなるプロセスで使用するため、850℃に上げる必要がある。

 このエネルギーに、現在一般的に使われている天然ガスではなく、再生可能エネルギーによる電気を使うことができれば、CO2の排出を最大90%削減することが可能になる。このため、同社では今後5年でスチームクラッカー用電熱コンセプトの開発を目指す。

 2つ目は天然ガスから水素を生成する新たなプロセステクノロジーの開発。3つ目はオレフィン製造プロセスでの低排出プロセスに向けた新世代触媒の開発。最後はCO2を化学原料として使用する新たなアプローチである、エチレンとCO2からアクリル酸ナトリウムを生成する方法だ。

 同社のマーティン・ブルーダーミュラー取締役会会長兼最高技術責任者(CTO)は「1990年以降、BASFは生産量を倍増させる一方で、温室効果ガスの排出を50%削減している。CO2排出量をさらに大きく削減していくためには、全く新たな技術が必要となる。そのため、BASFは意欲的な研究開発プログラムを開始した」と話している。

 同社は研究開発費を前年までの高水準で維持していくことを目指している。2017年の研究開発に対する支出は18億8800万ユーロに上る。昨年の研究開発費は2月末の年次総会で発表される。

 同社の研究パイプラインには約3000件のプロジェクトがあり、研究開発に関わる 1万1000人以上の社員が世界各地でそれらのプロジェクトに取り組んでいる。

 

BASF プラ廃棄物問題解決へ、アライアンスを設立

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2019年2月1日

 BASFはこのほど、自然環境、特に海洋でのプラスチック廃棄物を削減・除去するソリューションを前進させるため、世界的なアライアンス「Alliance to End Plastic Waste(AEPW)」を約30社と設立したと発表した。

 プラスチック廃棄物の量を最小化し管理していくための新しいソリューションを開発し、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)を実現することで、使用済みプラスチック向けの施策を推進していく。

 AEPWは化学・プラスチックメーカーや消費財メーカー、小売業者、加工業者、廃棄物管理会社など、世界的なプラスチックと消費財バリューチェーンに携わる企業が参画する非営利組織で、政府・政府間組織・学界・非政府組織・市民社会と協力し、環境からプラスチック廃棄物を排除するための共同プロジェクトに投資する。

 今後5年間で15億米ドルを投じて自然環境中のプラスチック廃棄物をなくすことを目標としており、すでに10億米ドル以上の投資を表明している。

 AEPWの活動には、4つの主要分野に貢献するプロジェクトが含まれる。まず廃棄物の収集・管理とリサイクル推進のためのインフラ開発。次にプラスチックのリサイクル・回収を容易にし、使用済みプラスチックから価値を生み出す新技術開発のためのイノベーション。3番目が行動喚起のための政府・企業・地域社会での教育・啓蒙。4つ目が環境中のプラスチック廃棄物が集中する地域、特に陸上の廃棄物を海洋へ運ぶ河川など、廃棄物の主要なルートの清掃活動である。

 なお、AEPWの創設メンバーとして、日本から三菱ケミカルホールディンスグと三井化学、住友化学の3社が参加している。

 

BASF 果樹と畑作物向け新規殺菌剤を年内に発売

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2019年1月31日

 BASFジャパンはこのほど、独BASFが開発した新規有効成分「ゼミウム」(成分名:フルキサピロキサド)を含む「アクサーフロアブル」と 「イントレックスフロアブル」の2つの新規殺菌剤の販売を開始すると発表した。これらの殺菌剤は果樹と畑作物の主要な病害に対し、強力で長期間防除効果を発揮する。

BASFアクサーフロアブルボトル
アクサーフロアブルボトル

 果樹専用殺菌剤のアクサーフロアブルは、ゼミウムとジフェノコナゾールの混合剤。リンゴのモニリア病や黒星病、梨の黒星病や黒斑病、桃の灰星病など、果樹のさまざまな主要病害に効果がある。作用が異なる有効成分の混合剤であるため、耐性菌管理にも有効。3月の販売開始を予定している。

イントレックスフロアブルは小麦など畑作物の主要病害に対応
イントレックスフロアブルは小麦など畑作物の主要病害に対応

 畑作物専用殺菌剤のイントレックスフロアブルはゼミウムの単剤で、小麦・ジャガイモ・テンサイの主要病害に対応する。特に小麦の雪腐病やテンサイの葉枯病など、北海道で問題になっている病害の防除に高い効果を発揮する。今年第4四半期中に販売を開始する予定だ。

 ゼミウムは果樹と畑作物のさまざまな病害を防除する効果に加え、浸達性と移行性に優れているため、成分が葉面の裏側や葉内を含む植物のすべての部分にいきわたる。また、そのユニークな特性により植物表面に吸着することから、長期にわたり病害を防除することが期待できる。