クラレが15日に発表した、2019年1-3月期の連結業績によると、売上高は前年同期比5%減の1416億円、営業利益35%減の146億円、経常利益42%減の128億円、純利益60%減の61億円となった。
部門別で見ると、ビニルアセテートセグメントは売上高4%減の662億円、営業利益31%減の108億円。
ポバール樹脂は汎用用途の販売量が減少した。光学用ポバールフィルムは、一部生産ラインの操業低下の影響を受け、前年同期並みの出荷となった。また、PVBフィルムは、景気減速の影響を受け、自動車、建築用途ともに販売量が減少。一方、水溶性ポバールフィルムは引き続き販売が拡大した。
EVOH樹脂「エバール」は、昨年米国工場で発生した事故の影響が長引き、食品包材用途の販売量が減少した。また、自動車生産台数の減少に伴い、自動車ガソリンタンク用途も低調に推移した。
イソプレンセグメントは、売上高7%減の136億円、営業利益13%減の37億円。イソプレン関連では、昨年まで上昇基調にあった原燃料価格が下落に転じ、熱可塑性エラストマー「セプトン」で中国を中心に需要が縮小し、販売量が減少した。ファインケミカルは堅調に推移した。
耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」は、原燃料価格の下落が追い風となったが、電気・電子デバイスの需要低迷により、コネクタ用途の出荷が減少した。
機能材料セグメントは、売上高3%減の305億円、営業利益26%減の11億円。メタクリルの販売量は減少したが、高付加価値化が進んだことに加え、原燃料価格の下落も寄与し、堅調に推移した。
メディカルは、歯科材料の審美修復関連製品を中心に堅調に推移した。カルゴン・カーボン社では、堅調な需要が継続したが、米国工場で発生したユーティリティ設備の不調による操業低下が響いた。炭素材料は高付加価値製品の販売が拡大した。
繊維セグメントは、売上高1%減の165億円、営業利益20%増の11億円。
トレーディングセグメントの売上高は3%減の314億円、営業利益22%減の9億円となった。
なお、通期連結業績予想は、2月の期初予想から全項目で下方修正した。売上高は期初予想比220億円減の6080億円、営業利益は同95億円減の695億円、経常利益は同100億円減の650億円、純利益は同70億円減の400億円としている。