製造産業局素材産業課長 吉村一元氏
化学産業はGXを強力推進、CNに向け炭素循環のプロ集団に
━GX(グリーントランスフォーメーション)を推進しています。
日本は、2020年10月に2050年カーボンニュートラルを目指すことを宣言した、その実現のためには並大抵の努力では実現できず、エネルギー・産業部門の構造転換、大胆な投資によるイノベーションの創出といった取り組みを大きく加速することが必要になってくる。
こうした取り組みを進めるにあたっては、
2022年11月22日
2022年11月22日
ベーシック&グリーンマテリアルズ事業本部グリーンケミカル事業推進室ビジネスディベロップメントGL 田島信幸氏
バイオマス化とリサイクルを推進、30年以降は革新技術を実装
三井化学は、カーボンニュートラル(CN)とサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現に向け、バイオマス戦略とリサイクル戦略の両輪を軸に、その取り組みを活発化させている。バイオマスでは昨年12月、国内の化学業界に先駆けバイオマス由来のナフサをクラッカーに投入し、バイオマス化学品の生産を開始した。リサイクルでは他社との協業により、ケミカルリサイクルやマテリアルリサイクルの社会実装化を進めている。両戦略の中核は、同社の基盤を支えるベーシック&グリーンマテリアルズ事業本部が担うところが大きい。CN達成に必要な施策と課題を聞いた。
━カーボンニュートラル(CN)の基本戦略をお聞かせください。
当社は2020年11月に、2050年にCNを目指す方針を宣言した。移行期にあたる2030年度には、自社排出分のGHG(温室効果ガス)について、
2022年11月18日
革新技術を社会実装、先行投資や環境整備が大きな課題
ウクライナ侵攻によるエネルギー資源のひっ迫が、カーボンニュートラル(CN)へのシフトを加速させている。次世代エネルギーではグリーン水素に注目が集まり、世界的に大型プロジェクトが計画されている。また資源循環でも、廃プラのケミカルリサイクルやバイオマスを活用した原料など、化石資源からの転換を目指した動きが強まってきた。すでに研究段階から実証段階に移行した技術も出始め、事業化も視野に入っている。日本政府もGI基金事業やGXリーグ構想などを打ち出し、革新技術を社会実装するためのサポートや仕組みづくりを進めている状況だ。
一方、化学企業にとっては自社の脱炭素化も重要になる。電力やプロセスの見直しには大規模な投資が避けられず、収益成長との両立が大きなテーマとなっている。今回の特集では、CNをいかにビジネスチャンスに転換していくかについて、経産省や川崎市、各企業の取り組みを取材した。
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◇インタビュー◇
経済産業省 製造産業局素材産業課長 吉村一元氏
▽化学産業はGXを強力推進、CNに向け炭素循環のプロ集団に
川崎市 臨海部国際戦略部本部 CN推進担当課長 篠原 顕氏
▽水素エネルギーと資源循環で脱炭素化、川崎モデルを構築
◇水 素◇サプライチェーンの構築を目指し開発が活発化
旭化成 執行役員 GSP長 植竹伸子氏
▽アルカリ水電解装置を大型化、海外市場でポジションを確立
東レ 常任顧問 経営企画室担当 出口雄吉氏
▽PEM型水電解装置に貢献、材料のリーディングカンパニーへ
◇各社の取り組み◇
積水化学工業 ESG経営推進部長 西山宏喜氏/担当部長 三浦仁美氏
▽環境中期計画は前倒しで進捗、次世代の環境技術を社会実装へ
積水化学のCN技術:ペロブスカイト太陽電池/BR技術
日本ゼオン CN推進室長 泉水慶太氏
▽省エネ・技術革新・燃料転換を軸に、「ものづくり」を転換
マイクロ波化学 代表取締役社長 吉野 巌氏
▽マイクロ波技術による電力の効率利用で、CN実現に貢献
ちとせグループ 最高経営責任者 藤田朋宏氏
▽バイオマス基点のものづくり、藻類事業を拡大し循環社会形成