デンカは6日、2022年3月期第1四半期(4-6月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比14%増の867億円、営業利益76%増の77億円、経常利益50%増の75億円、純利益47%増の62億円だった。中期経営計画の施策が功を奏した結果、第1四半期として営業利益は過去最高を更新した。
部門別(今年度から4部門に変更)に見ると、電子・先端プロダクツ部門は増収増益。球状アルミナや高純度導電性カーボンブラックはxEV関連を中心に販売が伸長。また、電子部品・半導体関連分野向け高機能フィルムや球状溶融シリカフィラーは5G関連やデータセンターなどの世界的な需要の拡大により好調に推移した。このほか、LED用サイアロン蛍光体や金属アルミ基板ヒットプレート、工業用テープの販売も増加したが、高信頼性放熱プレートや高熱伝導性セラミックス基板は電鉄向けの需要が低調となった。
ライフイノベーション部門は増収増益。新型コロナウイルスの抗原迅速診断キットは販売が順調。また、その他の試薬についても販売数量が増加した。エラストマー・インフラソリューション部門は増収減益。クロロプレンゴムは、自動車など関連産業の生産活動再開とともに回復に転じ前年を上回った。また、肥料や農業・土木用途向けのコルゲート管、耐火物・鉄鋼用材料の販売も堅調だったが、セメントや特殊混和材の販売は前年を下回った。
ポリマーソリューション部門は増収増益。ABS樹脂、デンカシンガポール社のMS樹脂やスチレンモノマーの販売は堅調。合繊かつら用原糸は需要が回復し、雨どいや食品包材用シートなどの販売もおおむね順調となった。
その他部門は減収・営業損失。YKアクロスなどの商社は、取り扱い高は増加したが、収益認識に関する会計基準の適用により減収とった。
なお同日、上期業績予想の修正を発表。売上高1850億円(前回予想比100億円増)、営業利益220億円(同30億円増)、経常利益200億円(同30億円増)、純利益150億円(同20億円増)を見込む。スペシャリティー製品の販売好調などを踏まえ、上方修正している。
一方、通期業績予想については、下期見通しを精査しているとし、前回予想を据え置いている。