新日本理化の1Q 需要回復を受けコロナ前の水準上回る

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2021年8月11日

 新日本理化が6日に発表した2022年3月期第1四半期(4-6月期)の連結業績は、売上高は前年同期比35%増の77億8800万円、営業利益272%増の2億3100万円、経常利益132%増の4億800万円、純利益131%増の3億1700万円と増収増益だった。コロナ禍での新たな生活や経済活動の確立が進む中、需要回復を受け、各収益項目はコロナ禍前の2019年の水準を上回った。

 主要製品の販売動向を見ると、生活産業関連向け製品は、トイレタリー、繊維関連の需要回復により高級アルコール製品が堅調に推移、加えて日用品と医薬・食品向け添加剤が好調だった。

 住宅産業向け製品は、主要用途である壁紙や床材などの住宅関連資材原料について、海外品の供給不安により国内品への需要が高まった。

 自動車産業向け製品は、前年同四半期に比べ自動車需要に回復が見られたことに伴い、タイヤ、自動車塗料向け原料が増加した。

 なお、通期業績予想については、前回発表値を据え置いた。

 

 

 

 

チッソの4-6月期 機能材料や化学品が好調で収益改善

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2021年8月11日

 チッソは6日、2022年3月期第1四半期(4-6月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比12%増の340億円、営業利益13億円(同12億円増)、経常利益19億円(同22億円増)、純損失8千万円(同15億円増)となった。

 セグメント別に見ると、機能材料セグメントは増収。液晶材料は、コロナ禍による巣ごもり需要の継続により、TV用液晶およびPCモニターなどのIT用液晶の販売が好調となったほか、自動車市場の持ち直しにより車載用液晶の出荷も伸長した。シリコン製品は、プリント基板用途を中心に需要が好調に推移した。

 加工品セグメントは増収。繊維製品は、米国向け原綿の出荷は堅調に推移したものの、除菌シート、マスクなどのコロナ対策関連を中心に在庫調整の影響を受け、原綿および不織布の出荷が総じて低調となった。肥料は、コロナ影響により海外向けの出荷が減少したが、国内販売では肥料価格値上げ前の先取り需要により、化成肥料を中心に出荷が好調となった。

 化学品セグメントは増収。オキソアルコールは、原料ナフサ価格の高騰により販売価格が上昇したことや、コロナ禍からの緩やかな経済回復によって中国を中心にアジア需要が旺盛となり、輸出が好調となった。ポリプロピレン(PP)は、主力の自動車関連で、半導体不足の影響を受けたものの、コロナ影響からの持ち直しの動きにより出荷は増加した。

 商事セグメントは減収。主力のPPの販売は、自動車市場の持ち直しにより出荷は好調となったが、収益認識会計基準適用の影響を受けた。

 電力セグメントは減収。その他セグメントは増収となった。

 なお通期業績予想については、ナフサ高や化学品の海外市況高騰など、経営環境の変化や業績動向を踏まえて再度精査するとし、取り下げている。

デンカの4-6月期 スペシャリティーが好調で増収増益

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2021年8月11日

 デンカは6日、2022年3月期第1四半期(4-6月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比14%増の867億円、営業利益76%増の77億円、経常利益50%増の75億円、純利益47%増の62億円だった。中期経営計画の施策が功を奏した結果、第1四半期として営業利益は過去最高を更新した。

 部門別(今年度から4部門に変更)に見ると、電子・先端プロダクツ部門は増収増益。球状アルミナや高純度導電性カーボンブラックはxEV関連を中心に販売が伸長。また、電子部品・半導体関連分野向け高機能フィルムや球状溶融シリカフィラーは5G関連やデータセンターなどの世界的な需要の拡大により好調に推移した。このほか、LED用サイアロン蛍光体や金属アルミ基板ヒットプレート、工業用テープの販売も増加したが、高信頼性放熱プレートや高熱伝導性セラミックス基板は電鉄向けの需要が低調となった。

 ライフイノベーション部門は増収増益。新型コロナウイルスの抗原迅速診断キットは販売が順調。また、その他の試薬についても販売数量が増加した。エラストマー・インフラソリューション部門は増収減益。クロロプレンゴムは、自動車など関連産業の生産活動再開とともに回復に転じ前年を上回った。また、肥料や農業・土木用途向けのコルゲート管、耐火物・鉄鋼用材料の販売も堅調だったが、セメントや特殊混和材の販売は前年を下回った。

 ポリマーソリューション部門は増収増益。ABS樹脂、デンカシンガポール社のMS樹脂やスチレンモノマーの販売は堅調。合繊かつら用原糸は需要が回復し、雨どいや食品包材用シートなどの販売もおおむね順調となった。

 その他部門は減収・営業損失。YKアクロスなどの商社は、取り扱い高は増加したが、収益認識に関する会計基準の適用により減収とった。

 なお同日、上期業績予想の修正を発表。売上高1850億円(前回予想比100億円増)、営業利益220億円(同30億円増)、経常利益200億円(同30億円増)、純利益150億円(同20億円増)を見込む。スペシャリティー製品の販売好調などを踏まえ、上方修正している。

 一方、通期業績予想については、下期見通しを精査しているとし、前回予想を据え置いている。

 

出光興産の4-6月期 原油価格上昇で収益が大幅に改善

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2021年8月11日

 出光興産は6日、2022年3月期第1四半期(4-6月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比33%増の1兆3023億円、営業利益1113億円(同1821億円増)、経常利益1236億円(同2231億円増)、純利益884億円(同1697億円増)だった。

 セグメント別に見ると、燃料油セグメントは増収増益。主燃料販売は、揮発油・軽油の前年対比増加も灯油の減少により前年並みだった。製品マージンは、原油価格上昇に伴うタイムラグを除いてはおおむね前年並みだった。NSRP(ニソン製油所)の持分損益が改善したことに加え、統合シナジーの実現が寄与した。

 基礎化学品セグメントは増収増益。コロナ禍からの需要回復に伴い、スチレンモノマーなど製品マージンが改善した。

 高機能材セグメントは増収減益。潤滑油需要は回復傾向であるものの、油価上昇に伴う価格転嫁の遅れなどで減益。機能化学品と電子材料は、数量が回復し収益が改善した。

 電力・再生可能エネルギーセグメントは、電力事業での卸市場価格が上昇し減益となった。

 資源セグメントは増収増益。石油開発事業はベトナムガス田の生産増と原油価格の上昇が寄与。石炭事業は石炭市況上昇の一方、豪ドル高の影響などにより前年並みの水準だった。

 なお、通期業績予想については前回発表を据え置いている。

 

旭化成の4-6月期 マテリアル好調で1Qで最高益

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2021年8月11日

 旭化成は6日、2022年3月期第1四半期(4-6月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比28%増の5834億円、営業利益2倍の605億円、経常利益2.2倍の652億円、純利益3.4倍の464億円となった。

 オンライン会見の中で、工藤幸四郎取締役常務執行役員は、「マテリアルを中心に3セグメントすべてで増収増益となり、売上高および営業利益以下の利益項目は、第1四半期として過去最高となった」と総括した。また海外売上高比率が50.2%と伸長したことについては、

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