日本ABS樹脂工業会がこのほど発表した出荷実績によると、7月の総出荷量は前年同月比9%減の3万tとなり、3カ月連続でマイナスとなった。国内出荷は同5%増の2万1300tだったが、輸出が同31%減の8700tと落ち込んだことが響いた。
国内出荷を用途別で見ると、
2019年8月30日
2019年7月24日
日本ABS樹脂工業会がこのほど発表した出荷実績によると、今年上期(1-6月期)の総出荷量は前年同期比10%減の17万2900tとなった。国内出荷は同2%減の11万7900t、輸出は同23%減の5万5000tとなり、いずれも前年の水準を下回った。
昨年上期も国内・輸出ともマイナスだったが、昨年上期の国内出荷が同1%減、輸出が同4%減だったのに対し、今年上期は減少幅が拡大し、特に輸出の落ち込みが歴然としていることから、ABS樹脂の事業環境は、不確実性が高まっていると言えそうだ。
上期の用途別国内出荷量は、車輌用が
2019年6月27日
2019年3月26日
2019年1月30日
2019年1月15日
2018年12月7日
東レは6日、子会社であるToray Plastics (Malaysia)(マレーシア・ペナン島:TPM)で製造・販売するABS樹脂「トヨラック」の生産能力増強を決定したと発表した。
世界シェアナンバーワンの地位を確立している透明グレードの拡販に向けて、年産7万5000tの生産設備を増設し、2020年11月の稼働開始を目指す。これにより、TPMの生産能力は年産42万5000tとなり、既存の千葉工場と合わせて同社グループ全体の生産能力は年産49万7000tまで拡大する。
ABS樹脂は、軽さ・強さ・美しさを合わせ持つ加工性に優れたプラスチックで、工業用品から家庭用品まで非常に幅広い用途に使用されている。2017年のABS樹脂全体の世界需要は850万tで、中国やアセアン、新興国の需要増により、年率3%の安定成長が見込まれる。
特に、透明ABS樹脂や、耐熱性や耐薬品性などの機能が付与された高機能ABS樹脂の世界需要は200万tと推定され、家電・OA・自動車・玩具など幅広い用途での高機能化要求の高まりにより、年率4%以上の成長が予測される。
同社はABS樹脂の拡大する需要を確実に取り込むために、独自の連続重合生産プロセスによるコスト競争力の高さや品質安定性から、世界シェアナンバーワンの地位を確立している透明グレードの生産能力の増強を決定した。
同社グループのABS樹脂「トヨラック」は、汎用グレード、透明グレード、制電グレード、耐薬品性向上グレード、耐傷性向上グレードなどの高機能グレードを取り揃える。
マザー工場である千葉工場では、医療用透明ABS樹脂などの一層の高機能ABS樹脂主体の品種構成へシフトするとともに、今回のマレーシアでの増強により、主な販売先である中国、アセアン市場に加えて、欧米やインド市場への参入と用途拡大を加速していく。
2018年11月26日
2018年10月23日
2018年10月12日
東レは11日、ABS樹脂「トヨラック」を22日以降の出荷分から40円/kg以上値上げすると発表した。
昨年11月の価格改定実施以来、原料モノマー市況は一段と高騰している。また、旺盛な需要もあり、同製品の主原料であるアクリロニトリル、スチレン、ブタジエンの価格は上昇し、製造コストに大きな影響を与えている。
同社は、あらゆる角度から継続的なコスト削減や合理化努力を推進してきたが、各原料の調達環境は劇的に変化しており、自助努力も限界を超える状況となっている。
加えて労働力不足が要因とされる物流費(運輸費・保管費・荷資材)の上昇もあり、大幅なコストアップが生じている。こうした中、同社は安定した品質での商品供給や、さらなる高付加価値品の開発・提案を行う体制の維持・推進のためにも、今回の値上げ実施を決定した。