大陽日酸は29日、マグネシウム溶湯向け防燃用カバーガス「MGシールド」を用いて、筑波ダイカスト工業のCO2排出量削減の取り組みに協力し、年間10万t超相当分のCO2削減に貢献したと発表した。この取り組みにより筑波ダイカスト工業は、IMA(国際マグネシウム協会)のアワード(環境部門)を受賞している。
「MGシールド」は、
2024年7月30日
2022年8月22日
2022年4月14日
2022年1月25日
BASFはこのほど、農業従事者がCO2排出量を削減する活動を追跡し、その活動実績により利益を得られる、グローバルカーボンファーミングプログラムを開始する。持続可能な農業を促進し、種子から形質、革新的な化学的・生物学的農薬製品、デジタルファーミングや施肥管理ソリューションまで、同社の生産者向け総合ポートフォリオを最大限活用し、持続可能で炭素効率の良い農業を支援する。
世界のCO2排出量の約20%は農業によるもの。2030年までに小麦、大豆、米、菜種、トウモロコシ生産で作物1t当たりのカーボンフットプリントを30%削減するという、同社アグロソリューション事業本部の目標達成の一環として、今年から段階的に進める。
昨年、持続可能な農業、土壌への炭素隔離、農場レベルでの排出量削減に向けた複数年にわたる初のフィールドテストを開始。「ザルビオ」プラットフォームを活用したデジタルファーミングと「アグバランス」(国際認定された同社の持続可能性評価ツール)を活用したサービス提供につなげ、データの評価や情報に基づく意思決定によりサステナビリティを向上させていく考えだ。
改善を指示・評価するサステナビリティツールに基づいてバランスの取れた意思決定を支援し、農場でのCO2排出量を削減し、土壌への炭素隔離を促進する。さらに認証機関からカーボンクレジットを得られるグローバルな仕組みを作り、CO2排出量削減の取り組みにより報酬を得られるようにする。生産者はネットゼロを推進し地球温暖化を抑制する上で重要な役割を担っており、収量向上のための総合的なアプローチにより、農場経営の柔軟性を高め、生産性を向上できるように支援するとしている。
2021年11月16日
出光興産はこのほど、原油の海上輸送中の燃料消費に伴うCO2排出量削減を目的に、グループ初の試みとしてカーボンクレジットを活用した日本中東間の原油海上輸送を行ったと発表した。
低炭素化・脱炭素化に取り組む顧客ニーズに応えるための先行事例として行った今回の取り組みでは、100%出資子会社である出光タンカー所有の大型原油タンカー(VLCC)「日章丸」(載貨重量:約30万t)の日本と中東との往復の海上輸送に、カーボンクレジットの環境価値を活用することで、理論上同区間航海一回分に相当する約1万トンのCO2排出量の相殺(オフセット)を実現した。
今回活用したカーボンクレジットはVCM(Voluntary Carbon Markets)にて、信頼性の高い第三者検証機関が世界各地のプロジェクトのCO2排出削減効果を認証したもの。出光興産のシンガポールのトレーディング拠点である出光アジアが、クレジットを市場で独自に購入した。
出光興産と出光タンカーは今後も、カーボンクレジットを活用したオフセットを含め、さまざまな手法を用いてカーボンニュートラルに貢献する海上輸送サービスを提供していく。また、出光グループは、カーボンクレジットの有効性を精査した上で、カーボンニュートラル関連の取り組みをもとにしたクレジット創出や、国内外で販売する各種製品とカーボンクレジットを組み合わせ、顧客や社会の環境負荷低減のニーズに応える新たな商品展開・販売を検討していく。
2021年2月22日
花王はこのほど、京都大学と「使用済み紙おむつの炭素化リサイクルシステム」の確立に向け、先月から愛媛県西条市協力のもと実証実験を開始した。使用済み紙おむつを炭素素材へ変換し、CO2排出量削減による環境負荷低減に貢献していく。炭素素材の産業利用を進め、空気・水環境の浄化、植物の育成促進への活用など、地球環境改善につながる研究技術開発を推進する。リサイクルシステムの開発は京都大学オープンイノベーション機構と花王が協力して行い、社会実装は2025年以降を予定している。
使用済み紙おむつは年間200万トン以上が主に焼却処理され、燃えるごみの4~6%を占める。多くの水分を吸収しており、焼却炉の燃焼効率悪化の原因となるケースもある。今後、高齢化による大人用紙おむつの使用量増加に伴い、有効なリサイクル技術の確立が期待されるが、①衛生面と重くかさばることから頻繁な回収が必要、②構成材(パルプと多種のプラスチック)の分離が困難、といった課題がある。
今回、使用済み紙おむつを回収前に炭素化する「炭素化装置」を開発する。低温・短時間で効率的に炭素化し、殺菌・消臭しながら体積を減らすのがポイントだ。衛生課題が解決し体積が減るため、回収頻度を減らせる。炭素化するため、焼却処理によるCO2発生を削減し環境負荷低減につながる。また、炭素化物は活性炭などの炭素素材への変換を目指す。
先月から使用済み紙おむつを発生する保育施設(1カ所)におむつ処理装置を設置し、発生するごみの量や作業量、継続性など現場の運用面の課題を確認している。同時に、おむつ処理装置を基に炭素化装置の開発を進める。4月以降に開発した炭素化装置を設置し、炭素化物を回収する。容積が小さいため回収頻度は月1~2回と少なく、回収後は環境浄化や保育施設の園庭での植物育成促進に活用する。
なお、子育て支援の一環として、花王は同保育施設にベビー用紙おむつ「メリーズ」を提供し、保護者・保育士の負担軽減を見込む。
「使用済み紙おむつの炭素化リサイクルシステム」を確立することで、使用済み紙おむつリサイクルの課題を解決し、炭素化素材を産業利用する。そうすることで、リサイクルとCO2削減、プラスチックごみ問題の解決など地球環境改善、SDGs達成に向け貢献していく。
2019年9月10日
ブリヂストンはこのほど、タイヤ重量を軽量化することで、タイヤの転がり抵抗を大幅に低減できる新技術「Enliten(エンライトン)」を開発した。
この技術は3次元形状革新サイプによるパターンブロック挙動最適化と、最新シミュレーション技術を活用した接地形状最適化により、車両のハンドリングなどの運動性能、タイヤライフに繋がる摩耗性能を維持しながら、タイヤに使用する部材を削減した。
これにより、タイヤサイズ225/40R18の比較で、従来の乗用車用タイヤに比べ約20%の軽量化、約30%の転がり抵抗の低減を可能にした。
地球温暖化や資源枯渇は、環境面だけでなく、自動車などの産業界でもグローバル規模の課題となっている。欧州では自動車から排出されるCO2を削減するため、自動車メーカーに対して、より厳しいCO2削減目標を設定している。
「エンライトン」はタイヤ革新技術として、「省資源化」と「転がり抵抗の低減」により、ガソリン車の走行時に、タイヤ起因によるCO2排出量を約30%削減することが可能。電気自動車の一回の充電で走行できる距離(航続距離)を延ばすことを通じて、環境負荷低減とモビリティ社会に貢献する。
同社はCSR体系「Our Way to Serve」の中で、「Environment(環境)」「Mobility(モビリティ)」を、重点的に貢献していく領域としている。今後もイノベーションと先進技術、画期的なソリューションを通じて、事業と環境保全を両立しながら顧客価値を提供し、人々がより快適に移動し、生活し、働き、楽しむことに貢献していく考えだ。