SABIC 難燃性PCがスマホの超薄肉部品に採用

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2021年10月13日

 SABICはこのほど、難燃性PC樹脂が中国Realme社のスマートフォンのバッテリー用エンクロージャーの成型素材に採用されたと発表した。

 新たに施行された消費者用電気機器向け安全規格「ICE62368-1」では、リチウムイオン電池などの危険を伴うエネルギー源は安全装置に封入し、使用者にエネルギーが伝わらない必要があり、より高性能な難燃材料が求められる。

 ポリカーボネート(PC)シロキサン共重合樹脂をベースにした「LNP ELCRES(エルクレス)EXL7414」は、0.6㎜厚でUL-94規格V-0の難燃性に準拠。Realme社のスマートフォン「C25」に搭載された、急速充電可能な高出力6000mAHリチウムイオン電池のカバーに採用された。

 同スマホの薄型(約9.6mm)軽量(約209g)設計に対応した薄肉射出成形部品で、「EXL7414」の薄肉難燃性、薄肉成形を可能にする優れた流動性とリリース性、落下損傷に耐える高い低温延性(マイナス40℃)、紫外線硬化塗装にも対応する高耐薬品性が貢献している。標準的PCに比べてサイクルタイムは短かく、安全重視の一環として、非塩素・非臭素系難燃剤を使用している。

 SABICは、世界的に厳しさを増す規制に迅速に対応しコンプライアンスに準拠できるよう、特殊材料の開発を続けていく。画期的な素材ポートフォリオの拡大にとどまらず、動きのはやい業界のアプリケーション開発を後押しするために、豊富な技術サービスと専門知識を提供していく考えだ。

SABIC 自動車用リサイクル樹脂製品3グレード発表

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2021年9月24日

 SABICはこのほど、メカニカルリサイクルされた成分を含む自動車向け樹脂製品3グレードを発表した。同社の循環型ソリューション「TRUCIRCLE」ポートフォリオとして、タルク充填ポリプロピレン(PP)樹脂と、ポリカーボネート(PC)・ポリエチレンテレフタレート(PET)ブレンドでフィラー充填ありなしの3種類。いずれも最大29%のリサイクル材を含有しながらも、従来のバージン樹脂と同等の性能で、持続可能性の目標達成に取り組む自動車業界にとって新たな選択肢となる。

 高流動性や低アウトガス性を備えたタルク充填PPの「SABIC T2E-3320EH PPコンパウンド」は25%のリサイクルPPを含有し、同性能のバージンPPコンパウンドと比べ、カーボンフットプリントを最大24%削減できる。剛性、低アウトガス性、高耐熱性が特長で、インストルメントパネル内部に搭載される暖房・換気・空調部品や内装、エンジン回り部品に適する。

 耐熱性、耐衝撃性、寸法安定性、低収縮性に優れた、PCとPETのブレンドでUV安定性を備えたフィラー未充填の「XENOY(ゼノイ)T2NX2500UV」は、リサイクルPETを21%含有し、同性能のバージン材料と比べ、地球温暖化係数(GWP)を11%、累積エネルギー需要量(CED)を12%低減する。外装ボディパネル、スポイラー、燃料給油ドア、トリムなどに適し、UV安定性があるため、未塗装品へも使用できる。

 フィラー充填タイプの「XENOY T2NX5230」は、ミネラル強化材を16%、リサイクルPETを29%含有。フィラー未充填グレードより高剛性・低線膨張係数であり、ルーフスポイラーや外装トリムなどに適する。両製品グレードとも流動性が高く、サイクルタイム向上が期待できる。これら新製品は、同社が開発を進めるバイオベース素材から作った再生可能樹脂などの持続可能性素材を補完するもので、循環型経済に向けた取り組みは、同社の企業戦略の一環だとしている。

 

 

SABIC 再生可能原料使用のPCがISCC認証取得

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2021年9月6日

 SABICはこのほど、再生可能原料ベースのポリカーボネート(PC)フィルム・シートを製造するファンクショナルフォームズ本部のオランダ工場が、国際持続可能性カーボン認証ISCC PLUSを取得したと発表した。ISCC PLUSは、マスバランス方式による会計システムにより、原料から最終製品までのサプライチェーンのマテリアルフローを追跡して認証される。

 新しいバイオベースの「LEXAN(レキサン)」フィルム・シート製品は、原材料のPC樹脂の一部に食物連鎖と直接競合しない第二世代原料を使用して製造される。化石ベースの原料の代わりに再生可能または循環型の原料1tを生産プロセスに投入すると、生成した材料の約1t分が再生可能または循環型として分類される。マスバランス手法を適用することで、これらの認証材料を使用した製品の持続可能性の文書化・数値化が可能となる。

 PAS 2050(カーボンフットプリント公開基準)に従ってライフサイクル分析(LCA)を行い、「原料入手から製品出荷まで」と「原料入手から寿命の終わり」までのCO2排出量を従来の化石ベースのルートと比較評価した結果、認証再生可能原料ベースのPC樹脂1kgにつき、化石資源の枯渇を最大35%緩和し、CO2排出量を最大60%削減し得ることが分った。

 SABICが取り組みを進める「TRUCIRCLE」ソリューションの一環として、プラスチック循環経済に対する持続可能な材料ソリューションへの世界的な需要に応えるものだとしている。環境バランスを強化し、意欲的な持続可能性目標の達成に向けた有効な代替手段を提供し、耐久性とリサイクル性を備えた応用ソリューションとして、様々な産業での価値創造に貢献していく考えだ。

DSM リサイクルでダイニーマ開発、SABICと協業

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2021年8月23日

 DSMはこのほど、化学業界のグローバルリーダーであるSABICと、リサイクル樹脂による超高分子量ポリエチレン「ダイニーマ」開発に向け協業すると発表した。

超高分子量PE「ダイニーマ」
超高分子量PE「ダイニーマ」

 「サーキュラーチーム」参加企業との協業によるパイロット事業を通して、原料として混合プラスチック廃棄物を使用する「ダイニーマ」の製造と用途(マスバランス方式)の実証を目指す。これは、超高分子量ポリエチレン廃棄物から作られた「ダイニーマ」を実用化することにより、資源循環の完結を実現する上で重要なマイルストーンとなる。また今回の協業により、DSMとSABICの両社は、循環型経済実現に向けた材料分野からの取り組みを加速していく。

 DSMは、「サーキュラーチーム」の参加企業とともに、パイロットプロジェクトとして、セーリングロープや海洋トロール網にSABICの認証済み再生エチレンを使用し、リサイクル樹脂による「ダイニーマ」を生産する。

 SABIC独自のケミカルリサイクル「トゥルーサークル」から生産される再生エチレンは、原料として混合プラスチック廃棄物を使用している。これにより、貴重なプラスチックが廃棄物になるのを防ぎ、焼却する場合と比較して、CO2排出量削減や、化石資源の保護にも貢献する。これらのパイロットプロジェクトは、HMPE(高弾性ポリエチレン)の製造後の残留資源や消費後の廃棄物から「ダイニーマ」を生産し、完全なリサイクルを実現するという目標への重要な節目となる。

SABIC プラ活用のEVバッテリーコンセプトを発表

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2021年7月15日

 SABICはこのほど、熱可塑性プラスチックを活用したEVバッテリー・パックのコンセプトをシステム工学アプローチにより開発した。

 柔軟な設計、性能や安全性の向上、コスト削減など自動車業界で求められる重要ニーズに対する軽量プラスチックの可能性を示すもの。ガラス繊維30%充填の難燃性(FR)ポリプロピレン(PP)コンパウンド「STAMAX」FRロング・グラス・ファイバーPP素材と金属とのハイブリッド構造に特徴があり、金属素材を使用した通常のバッテリー・パックと比べ、30~50%の部品軽量化、エネルギー密度の向上、部品点数の削減と組み立てプロセスの簡素化によるコスト削減、設計の自由度、熱制御、安全性、耐衝撃性などが向上する。

 薄肉ハウジング内のパウチ・セルに個々のバッテリーを統合、熱可塑性プラスチックによる二重壁構造とリブ型パターンによる軽量化と構造要件への適合、そしてプラスチック素材の熱伝導率の異方性により熱管理性能を最適化する。また、筐体やカバーに「STAMAX」を使用することで難燃性UL94 V-0を達成し、電磁・高周波干渉遮蔽用カバーに金属を被覆できる。「STAMAX」と金属とのハイブリッッド構造へ統合することで熱伝導の最適化、落下テストへの適合、サイド・フレーム部材での大衝撃エネルギーの吸収が可能になる。

 同社はチーフ・エンジニア、特別研究員、シニア・サイエンティストからなる技術チームを結成。OEMから工作機械メーカー、試験機関にいたるバリューチェーン全体にわたり継続的に協力し、早ければ2024年には、熱可塑性プラスチックで成形された複数の大型バッテリー筐体が量産型EVに採用されると予測している。EVの要件を満たす新素材の開発に加え、大型部品の製造・接合・組み立て、耐衝撃性、バッテリーの熱管理、難燃性、電気特性、性能試験などに向けたテクノロジーの実現に取り組んでいく。

SABIC フレキシブルPIフィルム用高純度硬化剤

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2021年6月28日

 SABICはこのほど、フレキシブルエレクトロニクス用ポリイミド(PI)フィルム硬化用の高純度4,4’-ビスフェノールA型酸二無水物(BPADA)の粉末状製品「SD1100P BPADAパウダー」を発表した。

 PIフィルムは機械的強度、高耐熱性、寸法安定性、銅に近い熱膨張係数、低誘電率といった特性から、5Gフレキシブルプリント基板や透明ディスプレイなどのフレキシブルエレクトロニクスに適した基板材料である。

 BPADAはオキシジフタル酸無水物(ODPA)などの既存の酸二無水物と比べ、フレキシブル銅張積層板、カバーレイや接着剤に使用されるフィルムやワニスの製造時に、誘電率と誘電正接の低減、吸水率の低減、金属との接着性の改善など、各種性能を向上させる。金属への接着性向上により信頼性が高まる上、より薄く低粗度な銅箔の使用が可能となり、部品の小型化や信号伝達性能の向上が図れる。

 熱ラミネート工程での金属への接着性や加工性が向上すると、必要な熱、圧力、時間が低減でき、両面ラミネート構造といったより薄肉のフレキシブル回路構成もサポートできる。またPIフィルムの着色性が低減するため、透明ガラスディスプレイなどの代替も可能だ。

 5Gネットワークのインフラや接続端末の高速化・大容量化に対応して、フィルム特性が向上する。軽量で超薄型の折りたたみ可能なフレキシブルエレクトロニクスは、フレキシブルスマートフォン用の曲面ディスプレイやアンテナ用基板などの新たな用途への可能性が期待され、フレキシブルエレクトロニクス市場は2024年まで2桁成長すると予想されている。

 同社は、熱硬化性新規用途のパフォーマンスを最適化する新たな材料開発に取り組み、酸二無水物ポートフォリオをさらに拡大していく考えだ。

 

SABIC 耐熱・耐電圧、自己回復性誘電体フィルム

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2021年6月24日

 SABICはこのほど、最高150℃の耐熱性と既存製品を上回る温度・電圧性能をもつ厚さ5㎛の「エルクレス HTV150誘電体フィルム」を発表した。

 マイナス40℃~150℃の動作温度範囲と高い耐電圧性能を備えており、500V、150℃で2000時間の寿命を社内テストで実証した。さらに過剰電圧によって破損した場合に、自己回復する機能も備えている。大きな漏れ電流や電荷損失がなく、大容量の電気エネルギーを長時間蓄えることができるため、高電圧・高温対応のDCリンクコンデンサに利用できる。

 また、ワイドバンドギャップ半導体が動作する高周波や高温領域での優れた誘電性や絶縁性と低損失など、コンデンサ用途での利点がある。これにより、風力発電や太陽光発電、航空宇宙、xEV(電動車)用途に最適な高効率・低損失な炭化ケイ素(SiC)半導体のインバータ・モジュールの動作が改善し、高温・高電圧など厳しい用途条件での信頼性が向上する。

 薄膜フィルムの生産は信越ポリマーと協働しており、業界標準の蒸着、コンデンサの巻き取りと扁平化といった各種プロセスでの使用は、既存の機器や様々な蒸着仕様(ベタ、ヘビーエッジ、パターン)で検証済みとしている。

 今後もパワーエレクトロニクス分野に対する革新的な素材とフィルム技術の提供を通じて、ますます厳しくなる顧客と業界のニーズに対応し、様々な電圧とエネルギー密度の向上に向けて、さらに薄い膜厚のフィルムの開発を継続していく考えだ。

SABIC 銅張積層板用樹脂の能増で5Gをサポート

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2020年9月11日

 SABICはこのほど、5G基地局や高速サーバーに使われる高性能プリント基板(PCB)用の「NORYL SA9000」樹脂の生産能力を大幅に引き上げると発表した。昨年に続く今回の能力拡大で、生産量は昨年比でほぼ倍増、一昨年比で10倍になる見込み。将来の製品開発に向けた機能も備え現在インドで進行しており、年内に完了する予定だ。

 「NORYL SA9000」はポリフェニレン・エーテルベースの二官能変性オリゴマーで、トルエンやメチルエチルケトンなどの溶剤に溶解し、スチレン系、アリル系、アクリル系、マレイミド系、メタクリル系や、不飽和ポリエステルなどのモノマー・樹脂などの熱硬化性樹脂と配合可能。それにより耐熱性、寸法安定性、熱膨張率、高多層化がバランスした低損失銅張積層板(CCL)を既存工程で生産できる。

 無線ネットワーク用の高速、広帯域幅、低遅延の5Gインフラで使用されるハイエンドPCBには、高周波数による高速・低挿入損失の高性能CCLが要求され、「NORYL SA9000」は重要構成材料として世界中で使用されている。5Gインフラ市場の今後5年間の年平均成長率は53%との予測もあり、今回の生産能力増強で、ハイエンドCCL向け材料のリードタイムを短縮し、急激な需要変化にも柔軟に対応する。

 また、5G無線ネットワークには膨大な数のスモール・セル基地局などの特殊なインフラが必要。多入出力型基地局とアンテナはレドーム、ダイポール共振器、アンテナ・コンポーネント、ファスナー、ネジ、スタンドオフ、付属部品、位相器、無線周波数フィルター・ハウジングなどで構成され、いずれも機械的特性、物理的特性、誘電特性のバランスのとれた高性能材料が求められる。

 同社は、テクノロジー推進に必要な独自の材料ソリューション、射出成形ソリューションの提供に取り組み、スペシャリティ材料への投資を継続し、5Gネットワークのグローバルな導入促進に貢献していく考えだ。

SABIC 東京でテクニカルサミットを開催

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2019年7月24日

 石油化学大手のサウジ基礎産業公社(SABIC)は23日、都内で「LNP」製品ラインに関するテクニカルサミットを開催した。

 高機能特殊コンパウンド製品のブランドである「LNP」の事業開始70周年を機に、世界各国で開催しているもので、東京が10カ所目。国内のODMやOEMメーカー、モールダー、金型メーカーのエンジニアと設計者を招き、日本市場にフォーカスしたプレゼンテーションとアプリケーションサンプルの展示紹介、同社スペシャリストとのミーティングを行った。

 併せて開催された記者発表会では、ジョシュア・チァオLNPプロダクトライン・グローバルビジネスディレクターと、SABICジャパンの松林卓弘社長が事業説明を行った。

 「LNP」は、コポリマーと

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SABIC 廃棄PETから再生した高付加価値PBT樹脂を発表

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2019年6月17日

 石油化学大手のサウジ基礎産業公社(SABIC)はこのほど、リサイクルPETから再生したポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂「LNPエルクリンiQ」を発表した。

 主に使い捨て水ボトルのPETを再生し、より特性を強化して、耐久性が求められる用途に適した高付加価値PBT樹脂を上市することで、さらなるリサイクル樹脂の需要を喚起する。

 「LNPエルクリンiQ」コンパウンドとブレンド製品は、同社の独自技術によって再生したiQPBT樹脂をベースにしている。

 この技術は、PETボトルやその他のPET廃棄物を前駆体化学物質に解重合し、さらにそれらを精製して新しいPBT樹脂を製造する化学プロセスを使用することで、 メカニカルリサイクルの限界を克服した。また、この技術は高い生産効率に寄与する優れた流動性、耐薬品性、着色性、難燃性といった性能を提供する。

 「LNPエルクリンiQ」樹脂は、バージンPBTと他の従来のPBT樹脂を直接置き換えられるため、顧客は現在使用しているPBT樹脂を同樹脂に変更するだけで、自社製品をより環境に優しい持続可能な製品にすることができる。

 また、PBTの製造に使用されていたバージン原料を使用しないことで、材料製造時の消費エネルギーとカーボンフットプリントを、それぞれ最大61%と49%削減したことがライフサイクルアセスメント調査(査読付き)で示されている。

 ちなみに、同樹脂は、1Kg当たり最大67本の使用済みPETボトル(500ml)を再利用している。高い耐久性と優れた外観が求められる家電製品、自動車用コネクター、医療機器の外装などで需要が見込まれており、こうした用途に採用されることで、これまで使い捨てられていたPET樹脂の使用期間を延長させ、材料が廃棄されるまでの期間を延ばすことに貢献する。

 なお、ガラス強化・ミネラル強化グレード、非ハロゲン難燃性や耐UV性の配合など、顧客の要望に応じた製品が取り揃えられている。またいくつかのグレードは、米国FDAの食品接触材規則に適合する可能性もあるという。