NEDO バイオプラとプラ・アルミ資源循環に着手

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2019年11月6日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の技術戦略研究センター(TSC)は1日、「資源循環(プラスチック、アルミニウム)」と「バイオプラスチック」の2つの注目技術分野について、最新動向や課題、市場予測をまとめた「TSC Foresight」を公表した。

 TSCでは、今後の日本にとって需要になると思われるさまざまな技術分野について、世界の状況や市場動向、各国の強みといった多面的な側面を調査・分析した上で、各戦略の策定を行っている。

 「資源循環(プラスチック、アルミニウム)」分野では、現在、大量に利用され、今後も利用が伸びることが予想されるプラスチックとアルミニウムに対し、廃棄物の高度選別技術や新しい材料再生技術を用いることで資源の再利用拡大を図っていく。

 また、アルミニウムを1㎏再生することで11.7kgのCO2削減ができ、プラスチックでも同様に5㎏のCO2削減ができることから、CO2削減効果の側面からも、両素材のリサイクルは非常に大きな効果が期待されている。

 同日に開催された記者会見で、環境・化学ユニットの山下勝主任研究員は、戦略のポイントとして「高性能な選別・分離による資源化率の向上」「水平リサイクルによる再生材の高付加価値化」「回収処理方法などの法整備」「産学官の協調」など挙げた。

 プラスチック・リサイクルの2030年近傍の将来像では、マテリアルリサイクルとケミカルリサイクルの比率を大幅に拡大し、材料・原料化率を高めることで、再生樹脂の拡大を図る。一方、「バイオプラスチック」分野では、主に海洋生分解性プラの技術開発に重点を置いている。

 バイオエコノミーユニットの瓦田研介ユニット長は「プラスチック問題の解決は、NEDOとしてはイノベーションによる新しい素材の開発を通じ、新しい切り口で考えていく」との方向性を示した。

 今年度「エネルギー・環境新技術先導研究プログラム」公募採択テーマの課題「海洋プラスチックごみ問題を解決する海洋分解性プラスチックの技術開発」について、三菱ケミカルなどが行う「ポリアミドを基軸とする新規海洋分解性材料の開発」、北海道大学などの「CO2原料から新規PHAブロック共重合体の微生物合成」など、6つのテーマが7月からスタートしている。

 これらの新素材開発に並行し、「標準化」「普及啓発」「普及促進を目的とした規制」といった政策サイドと一体となった取り組みを進め、海洋生分解性プラの新市場創出を図る。

NEDO 機械設計で人を補助するAIソフトの開発に着手

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2019年7月16日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の技術戦略研究センター(TSC)は12日、製造業での設計開発工程の効率化につながる「AIを活用したシステムデザイン(AASD)技術」分野について、最新動向や課題、市場予測をまとめた「TSC Foresight」レポートを公表した。

NEDO・TSCの三島良直センター長
NEDO・TSCの三島良直センター長

 同日に開催された記者会見で、TSCの三島良直センター長は「AI技術では、中国や米国が非常に先行しており、日本は周回遅れの状態だが、今回のレポートの技術分野については、わが国がかなり先んじて進めていくことができる分野だ。AIの技術関連の論文や特許などで有利に立っている」との見解を述べ、今後の技術開発への期待感を示した。

 製造現場での生産性向上のためのツールとしてAI(人工知能)の応用が期待される中、近年は多品種化・短サイクル化による工数増大やベテラン作業者の退職など、製造業のさまざまな状況の変化により、設計開発工程についても開発者の作業負荷が増大している。

 NEDOは、開発者が「モノの形を作る」といった本質的な作業に集中できるようにするために、AIが

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