三菱ケミカルは12日、中国・四川省の省都である成都市に、機能性樹脂製品の新たな製造拠点を設置すると発表した。
8月に現地法人の菱化功能塑料(成都)を設立。自動車内装表皮などに適した、スラッシュ成形用PVCコンパウンドの生産を来春開始する予定だ。
三菱ケミカルは現在、中国の沿岸部に位置する江蘇省・蘇州市と常熟市の2カ所に機能性樹脂の製造拠点を保有。自動車や電線、建材など多岐にわたる用途向けに、PVCコンパウンド(スラッシュ成形用を含む)、熱可塑性エラストマー、フィルム接着層用ポリオレフィン材料などを生産している。
中国の自動車向け機能性樹脂市場は堅調に拡大し、中でも意匠性や質感に優れるPVCコンパウンドは、自動車内装向けに今後高い需要の伸びが期待されている。成都市は自動車向け部材などの製造拠点の集積が進んでおり、同市に新たな機能性樹脂製造拠点を設けることで、旺盛な需要の取り込みを狙う。
また将来的には、同様に需要の伸びが予想される、食品・医療・光学分野向け製品の生産も検討していく予定だ。