三菱ケミカルは27日、同社の生分解性プラスチック「BioPBS」を用いた紙コップが、日本紙パルプ商事(東京都中央区)から10月に販売開始されると発表した。
BioPBSは三菱ケミカルが開発し、基本特許を持ち、同社とタイのPTTグローバルケミカルが折半出資するPTT MCCバイオケムが製造する植物由来の生分解性プラスチック。土中の微生物によって水とCO2に分解されるため、自然環境への負担が少ないという特徴がある。
日本紙パルプ商事は、そうした生分解性に加え、BioPBSの耐熱性・柔軟性・シール強度に注目し、BioPBSを従来のポリエチレンに代え、紙コップの内面ラミネートに用いることにした。
三菱ケミカルはBioPBSについて、従来のコンポストバッグや農業用マルチフィルム向け以外に、コーヒーカプセルや紙コップ、ストローといった食品関連など、多方面への用途開発を進めており、すでに複数の海外大手ファストフードチェーンなどとの協議を行っている。
同社は三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる「KAITEKI」の実現に向け、今後もBioPBSをはじめとする生分解性プラスチックや、植物由来プラスチックの研究開発・用途展開を加速させ、循環型社会の構築やSDGsの達成に貢献していく。
なお、KAITEKIは三菱ケミカルホールディングスグループのオリジナルコンセプトで、「人、社会、そして地球の心地よさがずっと続いていくこと」を表している。