積水化学工業は9日、都内で記者懇談会を開催した。髙下貞二社長は「上期は原燃料高や相次ぐ天災の影響もあったが、ほぼ想定内で進捗している。下期は3カンパニーとも増収増益となり、10期連続営業増益、6期連続最高益更新を達成する見込みだ」と語った。
そして「環境を経営のど真ん中に置いており、SDGsに貢献する製品、技術、サービスを世の中に提供していく。日本、世界、地球で発生しているさまざまな課題に対し、環境貢献製品で解決していくことがわれわれのミッションだ」との考えを示した。
続いて各カンパニーのプレジデントが近況を報告した。環境・ライフラインカンパニーの久保肇プレジデントは「これまでの構造改革から、今中計では成長路線へシフトしている」とし、国内外の施策について説明した。また赤字で苦しんできた管路更正事業は「国内外で安定し、上期は黒字化を達成した」とし、今後への期待感を示した。
住宅カンパニーの関口俊一プレジデントは「コストパフォーマンス商品やスマートハウスに対し、若い世代から評価され販売が伸びている。今年は災害が多く発生していることから太陽光や蓄電池への引き合いが強い」と現状を述べ、「今後もセキスイハイムらしさに磨きをかけていく」との意気込みを示した。
高機能プラスチックスカンパニーの加藤敬太プレジデントは「中間膜ではメキシコの新ラインが下期からフルに貢献する。また、ポリマテックやソフランウイズの開発・販売シナジー効果が発現してくることや、OLEDや半導体材料などポートフォリオ強化も着実に進んでいる。下期は大きく利益を伸ばし、下期最高益、年度でも六期連続の最高益を狙う」とした上で、「次年度以降の仕込みについては、欧州で中間膜工場や原料樹脂工場の投資に加え、ポリマテックではオランダに車載LIB用放熱グリス工場の建設も決定した。開発もドライブが掛かっており、新製品の売上も右肩上がりになってくる」との見方を示した。
懇親会に初めて参加した全社研究開発管掌の上ノ山智史専務執行役員は「3カンパニーが業績を伸ばす中、次のネタをしっかり仕込むことが重要だ。積水化学が世の中から応援していただけるような研究開発に注力していく」方針だと語った。