BASF 中国での協業拡大へシノペックと覚書に署名

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2018年11月13日

 ドイツの大手化学メーカーBASFはこのほど、中国最大のエネルギー・化学製品会社の1つであるシノペックと、中国で上流・下流の化学品生産のパートナーシップをさらに強化するため、北京で覚書(MoU)に署名したと発表した。

 両社は新たにスチームクラッカーを建設し、両社の出資比率が対等の合弁企業であるBASF-YPC Company(BASF-YPC)の拡大を目指す。共同での実施可能性調査は、年末までに完了する見込み。また、両社は急速に成長している中国の電池材料市場で、新たなビジネスチャンスを共同で検討する。

 MoUによると、BASF-YPCが50%、残りの50%をシノペック揚子石化(YPC)が出資し、年産100万tのエチレン生産能力をもつ第2のスチームクラッカーを建設する。BASF-YPCとYPCの両社は、下流の製品ポートフォリオ開発に向けて、新しいスチームクラッカーの全ての製品を利用することができる。

 さらに、このスチームクラッカーから提供される基礎化学品により、BASFとシノペックは、合弁事業であるBASF-YPCの南京フェアブントサイト(統合生産拠点)の生産能力を拡大することができる。フェアブントサイトでは工場が相互に連結されており、製品・副産物・エネルギーの効率的な利用により、コスト削減と環境負荷の最小化を図っている。

 中国では、特に自動車産業での代替エネルギーの重要性の高まりにより、さまざまな用途に向けた、革新的な電池材料に対する需要が急増している。このため、両社は電池材料分野での新たなビジネスチャンスを共同で模索していく。