サンエー化研は3日、都内で2019年3月期第2四半期の決算説明会を開催した。山本明広社長は、マイクロプラスチックの海洋汚染や、プラスチックごみ問題に触れ、「包装材料メーカーとして可能な限り対応していく。取り組みの1つとしてP to P(プラスチックから紙へ)の方針の下、紙製バリア包材の商品化に向け開発を行っている」ことを強調した。
紙の性質上、水ものなどに対しては課題も多いが、バリアコート紙を採用することで、酸素バリア性素材で中身を保護し、防湿性を向上させる素材を開発検討中とのこと。匂い対策についても、フレーバーバリア性を加味し、内容物の香りを保持し、匂いもれや匂い移りを抑えていく。担当者によれば、試作品の段階でプラスチック使用量を3分の1ぐらいに低減できているとのこと。同社は、プラスチックではなく「紙」を基材とする包材で、環境負荷軽減などへの可能性を模索していく。
上期の業績は、売上高が前年同期比5%減の158億円、営業利益73%減の23億円、経常利益66%減の28億円、純利益68%減の17億円。セグメント別に見ても、軽包装材料、産業資材、機能性材料の各事業で減収減益となった。
前期まで好調だった光学用表面保護フィルムが、スマートフォン市場の減速や採用機種のモデルチェンジなどにより販売面で苦戦したほか、エアー緩衝材やテープ用基材などの受注も伸びず減収。また損益面も、原油価格の上昇を受けて原材料コストが増加したうえ、販売価格への転嫁が一部にとどまったことや、比較的収益性の高い製品の販売比率が低下したことなどの要因が重なり、大幅な減益となった。
今後の予測と施策について、山本社長は、