クラレノリタケデンタル 歯科医師向け高接着レジンセメントを発売

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2019年2月18日

 クラレノリタケデンタルは15日、プライマー処理なしでさまざまな補綴(ほてつ)装置(被せ物)と支台歯に高接着するレジンセメント「SAルーティングMulti」を発売すると発表した。歯科医療器材の総合商社・モリタ(大阪府吹田市)を通じて、今月21日から歯科医師向けに販売する。

SAルーティングMulti
SAルーティングMulti

 プライマーとは、補綴装置をセメントで接着させる前に塗布する前処理材のこと。このプライマー処理を必要としないのが、同新製品の最大の特長で、歯科医師の作業効率向上が図れる。リン酸エステル系モノマー「MPD」と、クラレ独自の長鎖シランカップリング剤「LCSi」をペースト中に配合することで可能になった。補綴装置の接着時、歯の周囲にはみ出した半硬化した余剰セメントを容易に除去できる特性は、2011年発売の「SAルーティングプラス」から踏襲。セメント除去のタイミングは、光照射からから2~5秒後か、2~4分の化学硬化後のどちらかを選べる。

 また、シリンジからペーストを押し出す際に、自動で混ぜ合わせて採取するオートミックスと、術者が練り合わせるハンドミックスの2タイプのシリンジが使い分け可能。オートミックスは歯科治療をスピーディーに行え、ハンドミックスは症例ごとに適したペーストの量を調節できる。

 近年の歯科治療では、金属に加え、ジルコニア・コンポジットレジン・陶材・シリカ系ガラスセラミックスなど、さまざまな材質の補綴装置が使用されている。特にコンポジットレジン(CAD/CAMレジン冠)は保険適用の範囲が広がっており、今後も使用拡大が予想される。同新製品は、コンポジットレジン材にもプライマー処理なしに使用できる利便性があり、同社は拡販を見込んでいる。