大陽日酸は、東京ビッグサイトで2月27日~3月1日に開催される「第10回 国際二次電池展」に、先月発表した銅ナノ粒子を用いる導電性ペーストなどを出展する(ブース番号:W3‐13)。
同開発品は、フィルム基材上に印刷・低温焼成し導電配線を形成させるもの。銅ナノ粒子を用い、バインダーと溶媒の配合の最適化により、基材への密着性が良好な導電性ペーストの開発に成功した。
同ペーストを用いて、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどの基材にスクリーン印刷し光焼成することで、比抵抗十μΩ・cmオーダー前半レベルの導電性を確保しながら、屈曲耐性やテープ剥離耐性を併せもつ。プリンテッド分野でのRFタグ(電子タグ)用途や感圧センサー用途での利用が期待されている。
同社には、独自開発した酸素燃焼による金属ナノ粒子の合成技術があり、同プロセスで合成した銅ナノ粒子は、粒子径100㎚程度の表層が亜酸化銅で被膜された粒子(乾粉)になる。従来の湿式プロセスで合成したものとは異なり有機保護膜が無いため、焼結時のアウトガスが少なく極めて焼結性が高い。また、ひび割れの少ない焼結膜が得られるという。
PETなどのフィルム基材上に導電配線を形成する手法としては、エッチングが一般的だが、工程が煩雑な上に真空蒸着装置などの高価な設備が必要なため、安価で簡便なプロセスが求められていた。
今回の展示会では、同新規開発品のほか、負極材向け導電助剤(カーボンナノチューブ〈CNT〉分散液)、高性能正極材(マンガン酸リチウム)、導電助剤(CNT粉末、ドローワブル)、電極用カーボン材料(CNTマット)などを紹介する予定。