星光PMCはこのほど、今期から始まった3年間(2019~2021年度)の新中期経営計画「New Stage 2021」について記者会見を行った。滝沢智社長は「当社は昨年、設立50周年という節目に、経営理念と経営ビジョンを刷新した。新中計はこの2つを具現化するために策定した」と説明した。
新しい経営理念では、新たな技術の創造により人と環境が共生する豊かな社会の発展への貢献を謳い、新経営ビジョンには「エコテクノロジーで未来を創る」を掲げた。地球環境を守り、未来の生活を豊かにする新素材の開発を通じて持続可能な社会の実現に貢献していきたい、との思いを込めたという。
「新中計の基本方針は、前中計までの取り組みで築いた基盤を引き継ぎ、当社がこれまでに磨いてきた環境技術を成長ドライバーとして、持続可能な社会に貢献するグローバル企業を目指す」との方針を示し、「社会貢献=企業の長期的な成長」と捉えた3つの主要戦略を明らかにした。
一つ目は「国内事業基盤の強化」。継続的に顧客のニーズに応える製品を提供するため、国内の営業・開発体制をいっそう強化していく。また製品ポートフォリオの変革と、それに則した最適な生産体制を再構築し、収益基盤の強化を図る。
二つ目は「海外事業拡大・新事業構築に向けた施策の実施」。前中計に引き続き、海外展開への注力を企業成長の重要なテーマと位置づける。今年1月、台湾の粘着剤メーカー・新綜(しんそう)工業を連結子会社化した(出資比率52.2%)。同社へは2017年から資本参加し、筆頭株主として経営参画してきた。直近の売上規模は17億円ほどだが、営業利益率は20%と高い。
今回の子会社化を契機に海外顧客との関係を深め、同事業基盤を拡大するための諸施策を遂行していく。さらに現在開発・事業化を進めている先端材料、CNF(セルロースナノファイバー)や銀ナノワイヤについては事業化のいっそうの進展を目指す。
三つ目は「長期的視点に基づいた経営基盤の構築」。持続的成長を支える屋台骨となる企業インフラを強化することで、特に海外展開を担う人材採用や育成、人事・教育制度の整備に注力していく考えだ。新中計の最終年度である2021年度には、売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上を設定した。
滝沢社長は「新たな事業軸の海外事業を成長ドライバーに、目標達成に向けて取り組んでいく」と決意を語った。