ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスは、逆浸透(RO)膜エレメントの製品群の拡充を図っている。逆浸透技術は淡水化と浄水に使われ、pH値や塩分濃度などのパラメーターが急に変動する可能性がある、工業用水・都市用水・廃水の再利用で急速に成長している。
新製品の「レバブレンHP(高性能)」シリーズは、高い除去率とエネルギー効率の両立を実現するエレメント。イオン交換樹脂「レバチット」と組み合わせて使用することで、より低い運転コストで高水準の透過水を実現する。特に ROプロセスがイオン交換のような、他の分離プロセスと組み合わせて設計されている場合、より低い運転圧力、より高い除去率、負荷低減による設備の高寿命化を可能にする。
新製品は2012年に発売した、高架橋ポリアミド複合膜をさらに進化させた。99.7%の平均塩除去率と高透過性を備えている。製造工程でポリアミド架橋を制御することで、電荷にかかわらず、高い溶質阻止率をもつ微細な「孔径」を実現した。また、プロセスの最適化によって、透過水質を損なうことなく流束を改善。これにより、パラメーターが変動しても、優れた流束率で高い除去率が可能になった。
代表的な用途としては、発電設備でのボイラー水製造や超純水製造などの複合プロセス、廃棄物ゼロを目指した「ゼロ・リキッド・ディスチャージ」を目指した設備が挙げられる。また、同社が開発した、RO膜とイオン交換樹脂システム用の総合的なデザインソフトウェア「レバプラス」は、使いやすく信頼性の高い水処理設備の設計を可能にする。
顧客が無料でダウンロードできるこのソフトウェアは、イオン交換とRO膜のシステムを別々に、あるいはハイブリッド化システムとしての設計を支援する。これまでのランクセスの知識と経験の蓄積に基づいており、あらゆるニーズを満たすための一助として、システム設計者に情報を提供する。最新の2.0.9バージョンでは、すでに新製品の「レバブレンHP」に対応している。