【化学企業 入社式訓示①】三井化学 淡輪敏社長

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2019年4月2日

 皆さん、三井化学への入社、おめでとう。三井化学グループを代表し、心より歓迎する。

 三井化学はポートフォリオ変革に向けて積極投資のフェーズにある。企業として利益を上げていくことは、当然の責務であり、利益を上げる「強い会社」でなければ、厳しい競争の中では存在していけない。

 一方で、「強い会社」であるだけでは、存在する価値がないと言える。社会課題にどう貢献し、環境に対してどれだけの良い影響をもたらせるか。また、年齢や国籍、性別にとらわれず、お互いを1人のプロとして認め合う自由闊達な企業文化も、かけがえのない財産だと考える。

 こうした無形の価値をもった会社を、私は「強い会社」の対比として「いい会社」と呼んでいる。「強い」だけでなく「いい会社」の実現に向けて、共に考え、行動していこう。

 三井化学の一員となった皆さんは、3つのことを心に留めておいてほしい。

 ①「安全最優先」。社会の一員として果たすべき一番大切な責任は、「安全を守ること」だ。一人ひとりが「安全は自分自身のため、家族、同僚、社会のため」と心に刻み、常に「安全を最優先する行動」をお願いする。

 ②「胆識(たんしき)」。学者、政財官界の指導者として知られる安岡正篤の「識」に関する言葉を紹介したい。

 人の話を聞いたり、書物を読んだりして得られるものが「知識」。これに経験と学問が積まれると「見識」になり、さらに実行力が加わってはじめて「胆識」となる。積極的に経験を積んで「見識」を深め、「胆識」を身につけた人間になってほしい。

 ③「魅力的な人間を目指す」。仕事とは、さまざまな強みをもつ人々との共同作業を通して成果につなげるものであり、最後にものをいうのは一人ひとりの人間力だ。互いに尊敬し合い、幅の広い魅力的な人間を目指してほしい。

 世界は急速に変化している。私たちが提供すべき製品、技術、サービスも次々と変わっていく。そんな時代に三井化学の一員となった皆さんには、新しいことへの挑戦と、新しい仲間との出会いを楽しみ、三井化学というフィールドで存分に持ち味を発揮してもらいたい。期待している。