ベルギーの先端材料・特殊化学会社のソルベイは、「ヘイラー」ECTFE(エチレン‐クロロトリフルオロエチレン共重合体)の新しい防食コーティングシステムを開発した。このコーティングシステムは、高接着性のプライマーとトップコートから成り、標準的な液体噴霧器を使って簡単に塗布することができる。
同社の「ヘイラー」ECTFE粉体コーティングは、酸製品や鉱業、紙・パルプ、医薬品、飲食品、半導体など、幅広い業界で設備機器の防食用として40年以上使われてきた。
新たに導入される水性の「ヘイラー」ECTFE液体コーティング技術は、最終用途の幅を、粉体塗装では不可能あるいは困難だった領域まで拡大する。例えば複雑な形状や不整表面、大型導管、管内部、タンク、コンテナなどの塗装に利用できる。さらに、耐食性合金の保護コーティング用での新しい選択肢にもなる。
この技術は、優れた耐薬品性と耐透過性、高純度で抜群の表面特性、高い接着性など、「ヘイラー」ECTFE樹脂に共通する特性を備えており、その機能は長期間持続する。プライマーを塗布しなくても利用でき、さまざまな厚さで迅速・簡単、均等に塗布して多様な使用条件に対応できる。
スプレイコーティングやディップコーティングなど、ほぼすべての塗布装置に適応し、金属やガラス、れんが、ポリマー、木材など、幅広い基質に塗布可能だ。耐薬品性に優れる疎水性で、強力な酸や塩基(pH1~14)に対して耐性を発揮し、現在知られている150℃以下のいかなる溶剤にも影響されることがない。
同社では「水性仕上げを採用しているため、生産ラインや噴霧器の作業環境が大幅に改善され、設備洗浄にも安価な水性洗浄剤が使えるため、コスト削減につながる」としている。