東レの3月期 増収も原料価格上昇などにより営業減益に

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2019年5月15日

 東レは14日、2018年度(2019年3月期)の連結業績を発表した。売上高は前年比8%増の2兆3888億円、営業利益10%減の1415億円、経常利益12%減の1345億円、純利益17%減の794億円。

 セグメント別に見ると繊維事業は売上高7%増の9743億円、営業利益1%増の729億円。国内では、自動車関連など産業用途は総じて需要が堅調だったが、衣料用途は天候不順の影響もあり荷動きは低調に推移した。

 海外では、東南アジアなどの一部子会社の業績が低調であったほか、中国経済の減速により、年度後半から自動車関連用途向けなどで需要減速の影響を受けた。また、国内外とも全般的に原料価格上昇の影響を受けた。

 機能化成品事業は売上高8%増の8688億円、営業利益5%減の677億円。樹脂事業は、自動車用途向けに拡販するとともに、原料価格上昇に対する価格転嫁を推進したが、中国経済減速の影響を受けた。

 フィルム事業は、LIB用セパレータフィルムが需要の伸長を背景に出荷を拡大したが、原料価格上昇の影響がポリエステルフィルムなど広範にわたった。

 電子情報材料事業は、スマートフォン市場の需要鈍化の影響を受けた。炭素繊維複合材料事業は売上高21%増の2159億円、営業利益44%減の115億円。航空宇宙用途では、航空機向けサプライチェーンでの在庫調整が完了したことを受け、需要は概ね堅調に推移した。

 一般産業用途では、圧縮天然ガスタンクや風力発電翼などの環境・エネルギー関連向けを中心に、全体として需要が回復傾向となった。一方、原料価格の上昇や競合激化の影響を受けたほか、海外のコンポジット子会社で新規案件立ち上げに伴う費用などが増加した。

 環境・エンジニアリング事業は売上高8%増の2577億円、営業利益8%減の122億円。水処理事業は、国内外で逆浸透膜などの需要が概ね堅調に推移した。国内子会社では、商事子会社の取扱高が増加したが、海外のエンジニアリング子会社において、大型プラント工事案件が終了した影響を受けた。ラ

 ライフサイエンス事業は売上高0.3%減の537億円、営業利益33%減の13億円だった。

 2019年度の通期業績予想については、売上高6%増の2兆5300億円、営業利益13%増の1600億円としている。