丸紅はこのほど、ベトナムで100%出資のインスタントコーヒー製造販売事業を開始すると発表した。
バリアブンタウ省にインスタントコーヒー製造販売会社イグアスベトナムを設立し、需要の拡大が見込めるASEAN・中国を中心に、2022年からの供給開始を目指す。なお、当初の生産能力は年産1万6千t。
同社は、46年余にわたるブラジル国内でのイグアスブラジルの経営・操業経験によりインスタントコーヒー製造販売事業の知見を蓄積してきた。
イグアスブラジルが有する生産技術とノウハウ、販売ネットワークを活用し、丸紅主導の事業運営によって、伸長するASEAN・中国のインスタントコーヒー市場での事業拡大を目指す。
イグアスベトナム稼働後は、2020年に生産能力を拡張予定のイグアスブラジルと合わせ、年産4万tの生産能力となり、丸紅は、BtoBのインスタントコーヒー市場で世界最大の製造販売者となる見通しだ。
世界のインスタントコーヒー需要は、経済規模の拡大に伴い、今後も堅調に推移すると考えられている。その中でもASEAN・中国は、合計20億人を超える人口を擁し、同地域のインスタントコーヒー需要は世界平均の年率2%を上回る5%以上の成長を遂げている。今後も所得の堅調な伸張に伴い、需要は大きく増大する可能性が高い。
またベトナムは、ブラジルに次ぐコーヒー生豆生産国で、特にインスタントコーヒーの主原料として用いられるロブスタ種では世界最大の生産国。伸長するASEAN・中国市場への供給拠点として、ベトナムは最適地だ。
丸紅は、長年培ったインスタントコーヒー製造販売事業の知見を生かし、コーヒーの最大生産地であるブラジル・ベトナムの2拠点から、世界に向けてインスタントコーヒーを安定的に供給していく。