積水化学工業は10日、今年1月に賛同を表明した、TCFDの提言に沿った形での情報開示を初めて行ったと発表した。今後、サステナブルな地球を実現するために解決が必要な、気候変動課題に対する同社の対応について、TCFDの提言に基づいて情報開示を継続的に行っていく。
TCFDは2015年に、金融システムの安定化を図る国際的組織の金融安定理事会(FSB)により設立された、気候変動関連財務情報開示タスクフォースのこと。気候変動が企業の財務に与える影響の分析を行い、対応に関する戦略についての情報開示を推奨している。
今回はTCFDから開示を推奨されている「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目で、同社グループの気候変動課題への対応について記載した。内容は、同社「CSRレポート」のウェブサイトから確認することができる。
主な特徴は、「戦略」の項目で将来的に予測される気候変動と、それに伴って予測される変化に基づいた「脱化石スマート」「循環持続」「大量消費」「地産地消」の4通りの「シナリオ社会」を想定したこと。それらの社会における同社グループの機会・リスク、事業を通じてどのように課題解決に貢献できるかの検討・整理を行った。
同社グループは「積水化学グループのCSR」で、企業価値向上やステークホルダーとの信頼関係構築のために建設的な対話を図る「ステークホルダーエンゲージメント」を推進するとともに、財務的・環境的・社会的側面から見て重要な、企業情報を積極的に開示する方針を定めている。
また、同社グループの中期経営計画「SHIFT2019‐Fusion‐」での基本戦略として、ESG視点での持続可能な経営基盤構築を掲げて推進している。特にE(環境)に関しては、環境中期計画「SEKISUI環境サステナブルプランAccelerate」(2017~19年度)で、気候変動をはじめとする環境課題に意欲的に取り組んでいる。