東レ インドの樹脂コンパウンド拠点が9月に生産を開始

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2019年10月4日

 東レはこのほど、インド現地法人であるToray Industries(India)(TID)に新設した樹脂コンパウンド拠点で、耐熱性や耐薬品性、機械強度などに優れ、自動車の機構部品や電装部品、電機電子製品などに使われる、ナイロン樹脂とPBT樹脂コンパウンド製品の生産を9月から開始したと発表した。

 TIDは、インドの日系樹脂メーカーとして初のエンジニアリングプラスチック生産拠点であり、年産約5000tの設備を早期にフル稼働させる計画だ。

 インド経済は、2019~30年にかけ年率6%の高い成長が見込まれる有望な市場。所得水準の向上に伴い、自動車や家電、高級品や高付加価値品の需要が拡大しており、エンプラの需要拡大が予想される。

 同コンパウンド拠点は、現地生産による安定供給とリードタイム短縮、在庫・デリバリー、現地開発力などの機能を強化することを目的として新設したもので、今後拡大が期待されるインドでのエンプラ需要をいち早く確実に取り込み、インドでの一層の事業拡大を目指す。

 また、インド国内では、さらなる高機能化ニーズの高まりとともに高機能素材の需要が増加すると見ており、同社は地産地消の考え方を基本に、将来の現地でのPPS樹脂のコンパウンド生産と、テクニカルセンターの新設についても検討を開始する。現地ニーズを迅速に把握し製品開発に生かすことで、近年の環境規制強化などによる顧客の要求特性高度化にスピーディーに対応していく。

 同社は、中期経営課題〝プロジェクト AP‐G 2019〟の基本戦略の1つとして、「グローバルな事業の拡大と高度化」を推進、スリシティーのTID事業拠点を、インド内需のみならず、南アジアを主とするグローバルオペレーションの拠点として活用していく計画だ。

 今後も、海外拠点の拡充と、有機的な連携をさらに強化し、グローバルな事業拡大を強力に推し進めていく考えだ。