旭化成 米製薬企業ベロキシス保有会社へのTOBが成立

, ,

2020年1月16日

 旭化成は15日、14日まで行っていた米製薬企業ベロキシス社を保有するデンマークのベロキシスDK社の株式公開買付け(TOB)が成立したと発表した。ベロキシスDK社から下限応募株式割合(80%)を上回る88・48%の応募があった。

 旭化成はデンマークの子会社を通じ応募株式すべての買付けを行い、その後、完全子会社化の手続きを実行する予定。なお、応募された株式の買付資金は約76億デンマーククローネ(約1250億円)。

 旭化成は米国医薬品市場の事業基盤を獲得するため、ベロキシス社の買収を昨年11月25日に発表。買収のシナジーとして①両社の事業基盤(旭化成:日本・アジア、ベロキシス社:米国)を活用したライセンス活動などの活性化による、新たな成長ドライバーとなる医薬品の獲得機会増加②旭化成の創薬研究力とベロキシス社の米国市場での医療ニーズの把握力を組み合わせることによる、高いアンメットニーズを満たす新薬の創出③米国のイノベーション・臨床現場へのアクセスを活用したヘルスケア関連新事業の創出、の実現を目指すとしている。

 旭化成はヘルスケア領域の長期的な成長のため、多様な成長力・競争力を組み合わせ、医薬事業と医療機器事業の両輪で「グローバル・ヘルスケア・カンパニー」としての進化をさらに加速することが必要だと考えている。

 同社は、新たに加わるベロキシス社の経営陣、従業員とともに、既存の医薬事業と獲得した医薬事業、両社の価値を最大化し、ヘルスケア領域のさらなる成長、ひいては同社の持続的な企業価値向上を目指す考えだ。