東レはこのほど、国際的な非営利組織CDPが実施した水資源保護に関する調査で、「水セキュリティAリスト企業」に初選定されたと発表した。
同社は「今回の結果は、東レグループがこれまで水資源保護に資する活動に取り組んできたことや、水資源保護にかかる具体的な目標を設定し、その達成に向けて着実に取り組みを進めていることが評価されたものと考えている」とコメントしている。
近年、世界的な気候変動により、降水量の偏在化や国土乾燥化など、地球規模の水不足が深刻化しつつあり、また、世界的な人口増加の中、水不足に苦しむ人々は5億人に達すると言われている。さらに、新興国での食糧需要は今後増加する見込みであり、水不足は農作物不作による飢饉頻発のリスクとされていることから、安全な水の確保は、持続可能な開発目標(SDGs)の1つとされている。
東レグループは、「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の企業理念の下、長年にわたり、さまざまな地球環境問題の解決に貢献する革新技術・先端材料の創出に積極的に取り組んできた。そして、海水淡水化などの水処理技術の開発・提供により、世界各地域の水不足の解決にも大きく貢献してきた。
「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」では、「2050年に向け東レグループが目指す世界」の1つとして、「誰もが安全な水・空気を利用し、自然環境が回復した世界」を掲げ、これに関連する2030年度に向けた数値目標として、「水処理膜により新たに創出される年間水処理量を3倍に拡大」と「生産活動による用水使用量の売上高原単位を、東レグループ全体で 30%削減」の目標を設定。
これらの実現に向け、グループ全体で、より一層、水資源の確保に資する水処理技術の開発・提供に尽力するとともに、自らの事業活動の中でも、循環再利用による用水の有効活用や、その適切な管理に努めている。
今後も東レグループは、水不足や気候変動を含む社会的課題の解決に向けた取り組みを積極的に推進し、持続可能な社会の実現に貢献していく考えだ。