DNP ディスプレイぎらつき現象、光学測定原理を解明

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2020年3月18日

 大日本印刷(DNP)はこのほど、光の映り込みを防ぐ「防眩フィルム」を貼ったディスプレイ表面のぎらつき現象に関して、今まで比較が困難だった異なる測定装置や測定条件下でも、信頼性の高い客観的データの取得に必要な光学測定原理を解明した。これにより、ぎらつき現象を定量的に比較・評価することが可能となり、「防眩フィルム」の開発効率を高めることができる。

 ディスプレイは高精細化によりぎらつきが増加する傾向にあり、より正確なぎらつき現象の評価が重要になっている。ぎらつき測定は、防眩フィルムを貼ったディスプレイ表面をカメラで撮影して、撮影画像からぎらつきの明暗として感じられる輝度分布の標準偏差を平均値で除して行う。

 DNPは、カメラレンズの絞りから測定面を見込む角度でディスプレイ面上の最小解像領域の大きさが決まることを確認し、ディスプレイ面上の最小解像領域の大きさがぎらつきに反比例することを突き止めた。

 その結果、撮影の際には最小解像領域が同じになるようにレンズの焦点距離や測定距離を適切に設定することにより、異なる測定条件でも撮像面上でのぎらつきが一致することを実証した。

 また、カメラレンズの撮像素子上の最小解像領域は一般的にレンズのF値(レンズの焦点距離と絞り開口径の比)のみに依存することが知られているが、同じF値で撮像するという条件をさらに加えることで、異なる焦点距離のレンズを用いた場合でも、測定装置から出力されるぎらつきの値を一致させることに成功。これらの知見を用いることで、異なる測定装置・条件の場合でも、測定値の差異が生ずる原因解析や基準を統一したデータ比較を行うことができる。

 今後、同社はこの知見を活用し、顧客の要望や課題を適切かつ迅速に捉え、高精細化が進む大型ディスプレイやモバイル端末、車載向けディスプレイ用に新たな防眩フィルムを提供していく。また、電気・電子技術分野の国際規格の作成を行う国際標準化機関IEC(国際電気標準会議)規格化の議論をサポートする知見になることを期待している。