三菱ケミカルは23日、研究開発分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速するため、今秋に、日本の化学業界でトップクラスの計算処理能力を持つ高性能計算機(HPC:High Performance Computer)を導入すると発表した。
同社はこれまでも、計算科学技術やマテリアルズ・インフォマティクスを素材・材料開発に用いてきたが、近年の計算機能力やIT環境の発展は目覚ましく、DXの加速のためにはこれを最大限に活用することが不可欠と判断した。
今回、同社の製品開発に必要な計算に最適化した独自仕様(大規模超並列・大容量メモリ・高並列GPU)のHPCを設計・導入することにより、これまで不可能だった大規模計算や大量バッチ計算、大規模データ解析などを高速に行うことを実現し、研究開発のイノベーションを推進していく。また、HPCの自社運用は、その活用に必要なオープンソースコード利用や自動計算に関するノウハウの蓄積についても大きなメリットをもたらすことが期待される。
同社は、「常にイノベーションを生み続け、持続的に社会に貢献するワールドクラスの研究開発部門となる」ことをビジョンに掲げ、様々な施策を推進。今後も、最新鋭デジタルインフラや、社内外のパートナーとリアル/バーチャルに繋がる設備の導入などにより研究開発環境の整備を進め、社会課題を解決するイノベーションを追求していく考えだ。