東ソーは12日、2020年3月期(2019年度)の連結業績を発表した。売上高は前年度比9%減の7861億円、営業利益は23%減の817億円、経常利益は24%減の860億円、純利益は29%減の556億円の減収減益となった。ナフサなどの原燃料価格や、海外製品市況の下落による販売価格の下落、景気減速に伴う販売数量の減少により減収に。また、販売価格の下落が原燃料価格の下落の影響を上回ったことなどにより減益となった。
セグメント別に見ると、石油化学事業は、売上高は14%減の1591億円、営業利益は23%減の103億円。景気減速に伴う需要減、原燃料価格や海外製品市況の下落により製品価格が下落した中、ポリエチレン(PE)樹脂は、太陽電池封止膜用途で輸出が増加した。クロロプレンゴムは、アジア向けを中心に輸出が減少した。
クロル・アルカリ事業は、売上高は12%減の2974億円、営業利益は39%減の282億円。需要減による出荷減と、海外市況を反映した製品価格の下落が響いた。機能商品事業は、売上高は6%減の1850億円、営業利益は21%減の279億円。需要減退による販売数量の減少が主な要因。
エンジニアリング事業は、売上高は3%増の1015億円、営業利益は53%増の127億円。水処理事業での電子産業分野の大型プロジェクトの進捗に加え、各分野のメンテナンスや設備改造などのソリューションサービスの好調な推移が寄与した。その他事業は、商社や事業会社の売上減少のため、売上高は2%減の430億円、営業利益は6%減の25億円となった。
今年度の業績予想については、新型コロナウイルスの影響が日々深刻化する中、現時点では不確定要素が多く合理的なの算出が困難なことから未定とし、今後、合理的に予想可能となった時点で速やかに公表される。