帝人フロンティアは30日、植物由来成分を使用した原料と、使用済みポリエステル繊維などをケミカルリサイクル(CR)により再生した原料を基に、「SOLOTEX ECO‐Hybrid(ソロテックス エコ ハイブリッド)」を開発したと発表した。
環境に優しいだけでなく、ストレッチ性を持つのが特長。サイド・バイ・サイド型複合繊維と呼ばれる、熱収縮性の違う2種類のポリマーを貼り合わせて糸にし、コイル状のクリンプ構造を発現させることでストレッチ性を付与した繊維。2020年秋冬シーズンから、原糸・テキスタイルをファッション衣料やスポーツ衣料、学生服・ユニフォームなど幅広い用途へ展開し、今年度に5億円、2022年度に15億円の販売を目指す。
近年、衣料用素材に対し、ストレッチやソフトな風合いなどの快適性とともに、環境配慮型素材へのニーズが高まっている。こうした中、原料の約40%が植物由来で、ストレッチ性などを持つポリトリメチレンテレフタレート(PTT)と、通常のポリエチレンテレフタレート(PET)を貼り合わせたサイド・バイ・サイド型複合繊維「ソロテックス」の需要は拡大。同社では、PETの部分をリサイクル原料に置き換えることにより、全ての原料を環境配慮型とした新しい「ソロテックス」の開発を進めてきた。しかし、その課題は、PTTとリサイクルPETのサイド・バイ・サイド型複合繊維には、クリンプ構造にばらつきがあることだった。
そこで、同社がこれまで培ってきたポリマーを適正に貼り合わせる技術の向上を図り、植物由来原料を使用したPTTと、CR原料を使用したPETを貼り合わせた「ソロテックス エコ ハイブリッド」の開発に成功した。他の特長として、33~330デシテックスという幅広い繊度や、様々に加工された原糸に対応できるほか、ソフトな風合いを持ち、石油由来の原料と同等のストレッチ性や染色加工性といった素材特性を備える。