ロート 気象と購買行動の関係を1kmメッシュで可視化

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2020年7月13日

 ロート製薬はこのほど、ウェザーニューズ(千葉県千葉市)の業界一の高解像度過去気象データおよび独自の体感指数と、ロート製薬のヘルスケアに関するデータを掛け合わせ、消費・購買行動の傾向に一定の方向性を見出したと発表した。気象を軸にきめ細かいヘルスケアを提供する目的で、今年3月から始めた協業の成果だ。

 同社は、気圧の変化による頭痛など、気象に関わる健康の悩みを商品や情報誌などを通じてサポートしてきた。一方、ウェザーニューズは、「船乗りの命を守りたい」という原点の想いから、気象要因の心身の変調に、地球環境視点での対応を考えている。両分野の緊密な連携が健康の悩みを解決すると考え、過去の気象データと消費・購買動向を総合的に分析し、消費者行動予測の実証研究を行った。

 ウェザーニューズの1kmメッシュの気象データ(気温・降水量・天気・湿度・気圧・風速・風向・日射量)、独自の体感指数(「暑い」「寒い」などの10段階指数)と、ロート製薬の3商品(基礎化粧品、皮膚薬、漢方薬)の東京都内の店舗ごとの出荷データを掛け合わせ、相関関係を分析した。

 基礎化粧品は夏季に気温と、皮膚薬と漢方薬は春季に体感指数と相関がみられた。しかしその傾向と度合は1kmメッシュごと、あるいは同じメッシュ内でも店舗ごとに異なるケースも見られ、エリアごと店舗ごとに購買傾向が異なることが明らかとなった。

 今後は、新型コロナウイルスの影響も加味し、他の商品データや対象エリアの拡大、リアルタイムの気象データも取り入れながら、気象要因で発生する心身の変調に関する実証研究を継続していく考えだ。