帝人フロンティア ウイルス2次感染リスクを減らすシェルター発売

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2020年7月16日

 帝人フロンティアはこのほど、ウイルスによる2次感染リスクを低減する陰圧「エアロシェルター」を開発し、8月下旬から販売を開始すると発表した。

陰圧「エアロシェルター」の外観
陰圧「エアロシェルター」の外観

 空気を注入し設営する超軽量大型テントの「エアロシェルター」は、内気圧を外部より約3パスカル低い陰圧状態に保つことで、ウイルスなどに汚染されたテント内の空気の流出を低減する。さらに、空気清浄装置に搭載する酵素HEPAフィルターを通して、テント内部の空気を浄化するとともに、1時間あたり6回以上の換気を確保することで、米国疾病予防管理センター(CDC) のガイドラインをクリアすることが可能だ。

 こうした機能から、感染症の疑いのある患者の検査や診察に適しているほか、発熱者の待機場所や一時的な隔離施設としての利用など感染症対策への貢献が期待される。サイズは、幅8.40m×長さ6.57m×高さ3.9mと広い空間を実現しながらも、本体重量は約38kg(乾燥時)と軽量。ポリエステル100%の素材を使い、7色(蛍光ホワイト、蛍光オレンジ、蛍光イエロー、蛍光グリーン、パープル、サックス、グレー)をラインアップした。本体価格は380万円(税別)。医療機関や官公庁などを対象に、今年度に5機、2025年度に30機の販売を目指す。

陰圧「エアロシェルター」の内観
陰圧「エアロシェルター」の内観

 「エアロシェルター」の他の特長に、空気注入によるテント本体の展開が約5分、空気清浄装置への接続を含めても大人2人で約30分と、迅速な設置への対応がある。また、内部の有効面積約40㎡の標準タイプでは、テント内に医療用ベッド(83cm×191cm)を4台収容できる一方で、平常時は空気を抜くことで70cm×70cm×80cm程度のコンパクトな収納が可能。

 テント内部には、患者同士のプライバシーを保護するファスナー脱着式の間仕切りを備え、独立電源を利用した除菌・防臭・防カビ効果を発揮するLED照明(6本まで)、スポットエアコンの使用を想定した熱風の排気口なども装備する。