大王製紙はこのほど、バイオマス発電設備の新設工事が完了し、今月より再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)を利用した電力販売を開始した。
同社三島工場(愛媛県四国中央市)では、これまでもクラフトパルプ製造工程で発生するパルプ廃液(黒液)を、黒液回収ボイラーで燃焼させるバイオマス発電を行ってきた。今回、黒液回収ボイラーを新設し、発電した電力をFIT制度で電力会社に販売する。
今回導入した最新鋭の黒液回収ボイラーは効率が5%改善し、一般家庭の約7200世帯分に相当する、年間2万5000tのCO2排出量を削減可能。四国地方の電力需要に占める再生可能エネルギー比率向上に貢献していく。
大王製紙グループは「世界中の人々へやさしい未来をつむぐ」の下、事業活動を通じて地球環境保全への貢献に取り組む。業界に先駆けて建築廃材を主燃料とするバイオマス発電や、可児工場(岐阜県可児市)での重油からLNGへの燃料転換など、様々な環境対策を進めてきた。今後も、三島工場のバイオガス製造設備新設(今年10月稼動予定)など、再生可能エネルギーを有効利用した環境負荷低減の取り組みを継続していく考えだ。