三井化学はこのほど、岩国大竹工場(山口県和木町)にあるポリエチレン製造装置が、国立科学博物館により、未来技術遺産「世界最初期の工業規模の低圧法ポリエチレン製造装置」(第00286号)に登録されたと発表した。9月15日、同博物館の林良博館長や同工場の高橋眞一人事グループリーダーらが列席し、登録証の授与式が行われた。
![今回登録されたPE製造装置を構成する、重合機(左)、原料ナフサフィードポンプ(右上)、ガスエンジン用パワーピストン(右下)](https://chemical-news.com/wp-content/uploads/2020/10/542b0c4564bc80d33689943398b76e7a-630x344.jpg)
同装置は、1958~1962年製の重合器、原料ナフサフィードポンプ、ガスエンジン用パワーピストンからなる。「日本最初の石油コンビナートで、世界で最初期にチーグラー法による低圧法高密度ポリエチレン製造を企業化した装置であり、技術の歩みを示すものとして重要である」として今回登録された。
![国立科学博物の林良博館長(左)と三井化学岩国大竹工場の高橋眞一人事GL](https://chemical-news.com/wp-content/uploads/2020/10/392e426793aa629d7e1f9536884b6163.jpg)
同社グループは2012年に「クロード法によるアンモニア国産化史料」(第00095号、下関三井化学)、2016年に「日本初の合成インジゴ関連資料」(第00216号、三井化学茂原分工場)の登録があり、今回が3件目となった。同社は「今回の登録を誇りとし、今後も本資産を未来に引き継いでいく」とコメントしている。
未来技術遺産は正式名称を「重要科学技術史資料」といい、2008年より開始された国立科学博物館の産業技術史資料情報センターが行う登録制度。日本の「科学技術の発達史上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義をもつ科学技術史資料」および「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えた科学技術史資料」の保存と活用を図ることを目的としている。